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腰痛や肩こりの根本的な原因は背骨の運動不足 ~背骨は動かせる角度が決まっています~

2022/12/14

腰痛や肩こりは人類の進化によって生まれました

体を後ろに反ることは得意ですか?

体を後ろに反らす運動は意外と恐怖心があり、苦手に感じる人が多い運動です。
なぜ、背骨を動かすことを苦手に感じるようになったのでしょうか。
それは、人間が二足歩行をするようになったためです。

頭をまっすぐ支え、前足を手にすることで、人間は他の動物よりも進化をしました。その一方で、四つ這い移動から二足歩行となったことで全身ではなく腰で支えることとなりました。また、前足であった手を使うことで体の前側への意識が強くなり、後ろ側への意識は薄くなりました。特にパソコンやスマートフォンなどを使う現代ではその傾向が強く、前傾姿勢で過ごすことが多くなったことで背骨の運動不足が生じ腰痛や肩こりなどの痛みが生まれました。

背骨の動かせる角度は部位によって異なります

背骨は、頚椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨と部位によって大きさや形、動かせる角度や方向が異なります。今回は背骨の動きに注目してみたいと思います。

背骨は、頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個の24個の椎骨で構成されています。
下記のように、頚椎・胸椎・腰椎はそれぞれ動かせる範囲があります。

平均可動域(角度)
頚椎(全体)胸椎腰椎頚椎+胸椎+腰椎
屈曲65°35°50°150° ①
伸展40°25°35°100° ②
側屈35°20°20°75°
回旋50°35°90°  ③
プロメテウス解剖学アトラス より引用

なぜ、体が固くなるのでしょうか

体が固い人は筋肉が緊張しやすく、自覚していなくても常に緊張している状態の方もいらっしゃいます。

筋肉が緊張しやすくなる理由は、大黒柱である背骨がしっかり使えていないため、肩関節や股関節などの関節が不安定となりやすく「なんとか安定させよう!」と体が反応するため筋肉を固めてしまっているからです。これが長時間、さらには長年続くことで体が固くなります。

前屈は取り組みやすい柔軟体操です

下の写真のように、「頚椎+胸椎+腰椎」の屈曲角度(①)は、150°とあります。背骨の動きである屈曲(前屈)、伸展(後屈)、側屈(横へたおす)、回旋(捻り)の中で、屈曲角度が一番大きくなっています。つまり、背骨は前屈しやすい構造となっています。

次に、伸展(後屈)を見てみると「頚椎+胸椎+腰椎」の伸展角度(②)は、100°とあります。これは屈曲の次に動かせる角度が大きいです。しかし、現代人は座っている時間が長くなっているため背骨を伸展させる動きが減少している場合が少なくありません。

腰は捻る動きが苦手な場所です

スポーツや体操の場面で『腰を捻りましょう』と一度は耳にされたことのある言葉ではないでしょうか。
「頚椎+胸椎+腰椎」の回旋角度(③)は、90°となっていますが、腰椎のみの回旋角度は5°となっています。実は腰は捻ることがあまり出来ない構造となっています。
そのため、腰を捻った時に腰痛がある方は腰椎以外、つまり頚胸椎や骨盤、股関節の動きが制限されている可能性があります。

長時間、座ることのリスク

アメリカで行われた有名な研究に、「1日に7時間以上座っている場合、全死亡リスクが1.5倍、心筋梗塞などの心血管疾患で死亡するリスクが2倍になる」という報告があります。しかも、この数字は運動習慣がある人の場合です。
運動習慣がなく座っている時間が長い人は、「全死亡リスク2.8倍、心血管疾患で死亡するリスク4.3倍」にまでなるようです。

長時間座っている時間、日本が世界一位

日本人の成人が1日に座っている時間は、約7時間で世界一位だと言われています。
死亡リスク以外にも座り続けることで3つのリスクがあります。

腰痛

座っている姿勢では骨盤は後ろへ傾きやすくなり、股関節の前面にある筋肉が硬くなりやすくなります。そのため、背骨の生理的弯曲(S字カーブ)が崩れます。その結果、背骨の椎間板にかかる荷重ストレスは、立位姿勢の1.4倍といわれています。
つまり、座っているだけで腰痛のリスクは高くなるのです。

代謝・心血管疾患

座っている姿勢では下半身の筋肉はほとんど働かず、特に「第二の心臓」と言われているふくらはぎが働かない状態です。そのため血流が少なくなり血管機能の低下が起こりやすくなります。

免疫力低下

前述したように座っている姿勢では骨盤周りの筋肉が緊張し、腰痛になりやすくなると同時に胸郭(肋骨や背骨)が硬くなることで呼吸も浅くなります。その結果、免疫力が低下するという悪循環が生じてしまいます。

呼吸については「正しい呼吸、意識してみませんか?」にも記載しておりますので、こちらも参考にされてみてください。

背骨を反らしましょう!

背骨が運動不足の方は、背骨を前に曲げた前傾姿勢をリセットする習慣をつくることオススメします。
それが「背骨を反らす」ことです。
勉強やデスクワークなどで座っている作業の合間に背骨を反らすことで、前傾姿勢をリセットします。理想は30分~1時間おきに1回、行いましょう。

痛みが出ない範囲で無理をせず行ってください。
痛みのある方は、かかりつけ医などに相談してから行うようにしてください。

 コラムニスト紹介

広島さくら整形外科 理学療法士  上野 恵理 


私は、小・中・高校時代はサッカー部に所属していました。
高校時代は、平日は練習をして週末は試合や遠征へ行く、というスケジュールでサッカー漬けの生活だったため、怪我をすることも多くその都度病院にお世話になっていました。そのときに日々のケアや怪我をしない体づくりが大切であることを知り、人間の身体に興味を持つようになりました。
身体に不調があると人生楽しくありません。
年齢を重ねるとどこかに不調が出てくるものですが、それでも「どうすれば心豊かに楽しく過ごすことができるようになるの?」をモットーとして個々人にあった運動方法が提供できるよう努めています。

【経歴・資格・所属学会】
2006年
広島医療保健専門学校 卒業
理学療法士 免許取得
整形外科クリニック 勤務

2013年
ヒロシマ平松病院 勤務
急性期リハ、外来リハ、デイケア・デイサービス業務に携わった

2020年
広島さくら整形外科 勤務

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