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そのほくろは皮膚がんではないですか?メラノーマ・基底細胞がんを画像付きで解説!

2022/10/11

はじめに ~皮膚の構造と皮膚がんの発生~

皮膚は表皮、真皮、皮下脂肪組織の3層から構成されます。表皮は数層の角質細胞からなるおおよそ厚み0.1~0.2mmの薄い組織で、表層から、角質層、顆粒層、有棘細胞層、基底細胞層で構成されます。

有棘層は数層の細胞からできており表皮の大部分を占めます。真皮は線維の組織から構成されていて、微小な血管網、神経を含んでいます。また、皮膚の毛や脂腺、汗腺・汗管などの皮膚の付属器も表皮から真皮にかけて存在します。

皮膚はこのように様々な組織からできており、それぞれの細胞ががん化することがあるため、皮膚がんにはたくさんの種類があります。ここでは代表的な皮膚がんである

    1) 基底細胞がん
    2) 有棘細胞がん
    3) 悪性黒色腫(メラノーマ)
    4) 乳房外パジェット病

についてご説明します。

皮膚悪性腫瘍の治療原則

皮膚がんも胃がんや大腸がんなど他のがんと同じように、ステージ 1(局所にとどまる癌)、ステージ 2(局所の浸潤がん)、ステージ 3(リンパ節転移)、ステージ 4(遠隔転移)と進展します。皮膚がんは巨大な進行がんとなる前に発見され治療されることが多く、その場合局所のみを適切な範囲で切除するのみで完治が見込めます。

ただし、切除後の欠損が小さければ縫縮する(縫い寄せる)だけでよいのですが、欠損が大きければ植皮(ほかの部分より皮膚を切り取って移植する)や皮弁(まわりの組織を適切な大きさに切りとって移動させ覆うこと)で再建することもあります。

がんが進行してリンパ節・遠隔転移をきたすようであれば、リンパ節をまとめて取り除くリンパ節郭清術や、抗がん剤などの治療を要することもあります。多くのクリニックでは、これら皮膚がんの診断を疑えば適切に総合病院へ紹介することになります。

皮膚悪性腫瘍の種類と治療

1) 基底細胞がん

最も多い皮膚がんで、顔面、特に目や鼻の周りに好発します。ホクロとよく似ていますが、いびつで漆黒色を呈することが多く、潰瘍を形成することもあります。多くの場合、大きさや組織型によりますが3-10mmの適切な安全域で切除することがガイドラインでは推奨されていて、そののちに単純縫縮、植皮または皮弁で傷を治します。

2)有棘細胞がん

皮膚最外層の表皮を構成する有棘細胞が悪性化したものを有棘細胞がんといいます。全身の皮膚どこにでも発生しますが、長期間紫外線に暴露された顔面などの露光部や、熱傷のきずあと、放射線放射後の部位などを母地として生じることがありますので、該当する方は注意が必要です。本邦のガイドラインでは一般的に4~10mm離した安全域で切除することがすすめられています。

3) 悪性黒色腫(メラノーマ)

いわゆる「ホクロのがん」で、日本人では10万人あたり1~2人と報告されています。外的刺激や紫外線などが原因となることがあり、手指や足の裏や爪、露光部などに好発します。悪性度が高いこともあり、形がいびつで、色むらがあるのが特徴です。多くの場合、皮膚科専門医はダーモスコピーという皮膚の拡大鏡を用いて診断されます。

4)乳房外パジェット病

多くは高齢者に生じる、外陰部やわきの下などに生じる赤茶色の紅褐色斑や白っぽく色が抜けた脱色素斑で、初期は水虫や湿疹と判断が難しく、進行するとじゅくじゅくしたり腫瘤という盛り上がりができたりします。外用剤では治らず、外科的切除を必要とします。

いずれも初期はわかりにくいことがあるのですが、皮膚がんは形がいびつであること、色調が多彩で色むらがあること、潰瘍(かいよう)というきずを形成すると治癒しないことなどの特徴があり、少しでも疑えば皮膚科医の受診をお勧めします。発症早期でも専門医では診断がつき、小さな手術でしたら手術が可能なクリニックもあります。進行がんでは大きな手術や集学的治療(術後の抗がん剤や放射線治療などを含めた治療)が必要とされ、総合病院や大学病院へ紹介されます。

その他にもここで紹介していないさまざまな種類の皮膚がんがありますので、皮膚のできものがどんどん大きくなるようでしたら皮膚科を受診することをおすすめします。

(写真はいずれも筆者治療症例)

コラムニスト|紙屋町やなせ皮ふ科クリニック 院長:栁瀬 哲至

紙屋町やなせ皮ふ科クリニック

診療内容

皮膚科・皮膚外科・美容皮膚科・小児皮膚科・駅近・がんサポートドクター・医療脱毛・レーザー治療・ケミカルピーリング・ダーマペン4

所在地・アクセス

〒730-0031 広島市中区紙屋町2丁目3−20 SOCIO SQUARE KAMIYACHO 3階 Tel:082-236-1212
  • 紙屋町やなせ皮ふ科クリニックまでは 広島電鉄(宇品線)本通駅から徒歩約3分 アストラムライン本通駅から徒歩約3分
  • 紙屋町やなせ皮ふ科クリニックには、専用駐車場はございません。 車でお越し方は近隣のパーキングをご利用ください。

院長  栁瀬 哲至 

みなさま、はじめまして。
このたび2023年4月、広島市中区紙屋町に「紙屋町やなせ皮ふ科クリニック」を開業いたしました。
私は広島大学病院や広島総合病院で皮膚科の基礎を研修後、東京虎の門病院に国内留学する機会を頂き、診断学やレーザー、皮膚外科の研鑽を積みました。広島大学病院ではたくさんの重症なやけどや皮膚がん患者の皆様の手術・治療を最前線で行う一方で、大学院では悪性黒色腫など皮膚がんの新規診断法の研究にも従事しました。尾道総合病院、安佐市民病院では地域基幹病院の部長としておよそ10年間勤務し、お子さんからご高齢のかたまで診察し、皮膚のかゆみからアトピー性皮膚炎、乾癬、じんましん、膠原病にいたるまで、特に治療が難しい患者の皆さまを対象に最前線で治療に取り組んで参り、また皮膚がんや皮膚の良性腫瘍をはじめとした手術も数多く執刀いたしました。
開業後は、以下のことをお約束したいと思います。

①常に高い専門性をもち正しい検査と診断のもと、わかりやすいご説明をいたします。
②医師、スタッフともに患者の皆さまに寄り添ったあたたかい診療を心がけます。
③ネットやアプリから順番を予約でき、なるべくお待たせしない診療を心がけます。
④肌の若返りや脱毛、シミ取りなどの美容診療もご希望に応じて対応します。
⑤さまざまな皮膚のできものの手術にも対応します。

皮膚の治療を通じて、患者の皆さまを明るく元気にしたいと考えています。よろしくお願いいたします!

専門分野
皮膚外科、皮膚悪性腫瘍、乾癬、アトピー性皮膚炎、レーザー治療

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