広島の頼れる病院・クリニック、ドクターを探すならファミリードクター |
病院・クリニック 3,956件掲載中! (2022年12月02日現在)

「産後太り」Part2 ~原因と対策~

2022/02/28

前回は「産後太り」Part1~その前に~と題して『妊娠中』と『妊娠前』の女性の体重についてお話しさせていただきました。今回はその続きです。

前回コラム:「産後太り」Part1

妊婦の体重増加(母体側の要素)は赤ちゃんの発育のために必要不可欠なものなのですが、実際には必要以上に太ってしまう場合があるのはなぜでしょうか?

これには主に3つの原因が考えられます。

「妊娠中」の原因 

ホルモンの影響

妊娠中は、妊娠の継続と分娩の準備のため、卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)、リラキシン、プロラクチンなどの様々なホルモンが分泌されます。これらにより、循環血漿量の増加、脂肪の蓄積、むくみや骨盤のゆるみなどの変化がもたらされ、実際に太りやすい体質になっています。

食欲の変化

妊娠中は、悪阻(つわり)のためにニオイに敏感になって気持ち悪くなったり、えずいたり、食欲がなくなったりします。(と、ここで「えずく(嘔吐く)」は標準語ではなく関西方面で使う言葉(方言?)なのだそうですね。「ムカムカして吐き気を催す」あるいは「実際に吐く」といった意味で使います。)食欲がなくなる人がいる一方で、「食べづわり」と呼ばれる症状が出る人もいます。こちらは胃の中が空っぽだとかえってムカムカして気持ち悪く、何かを食べて胃の中に入れると落ち着くため、お腹が空いていなくても常に何かしら食べ物や飲み物を口にしてしまうという現象です。また臨月に入ると、赤ちゃんが分娩準備のため骨盤内に下りていくので胃への圧迫がなくなり、食欲が増進することがあります。

活動量の低下

妊娠中はお腹の赤ちゃんを守るため、跳んだり跳ねたりするような激しい運動を控えるようになります。また悪阻(つわり)などで体調がすぐれない、身体全体が重い、お腹周りも大きくなることから動きづらくなり、普段の生活の中でも身体活動量が減っていきます。

そうして無事出産を終えた後、今度はみるみる体重が落ちていかないのはなぜでしょうか?

「出産後」の原因

基礎代謝の低下

出産に向けて母体に様々な変化がもたらされる中、体脂肪は蓄積し、むくみがちとなり、また運動不足により筋肉量も減少し、基礎代謝(安静時のエネルギー消費量)が低下します。つまり産後はいわゆる太りやすい、やせにくい体になっているのです。

出産による骨盤の歪み

『骨盤』とは下腹部周りをぐるりと囲んだ骨のことですが、ご存知のように『骨盤』は1つの骨の塊ではありません。背中側、いわゆる背骨の土台となっている『仙骨』とその下にある尻尾のかけらのような『尾骨』、そして横から前にかけて左右対称になっている『寛骨』から成っています。さらに『寛骨』はいわゆる腰ぼねとして外から触れることができる『腸骨』、前下腹部の膀胱辺りに触れる『恥骨』、尻もちをついた時に床に当たる『坐骨』から成っています。これらは通常、関節や強力な靭帯によって結びついていてほとんど動くことはありませんが、お産の時にはこれらが少しずつ緩み、赤ちゃんが通りやすいように骨盤全体が開いていくのです。考えてみたらものすごい母体への負担ですよね。

出産後はこの骨盤の開きや歪みがおよそ3ヶ月を目途に徐々に元に戻っていくはずなのですが、十分に安静を図れなかったり、赤ちゃんの授乳などのお世話で体をねじったり、骨盤周りの筋力が衰えていることなどから、なかなか元に戻らない場合もあります。骨盤のゆがみによりますます脂肪がつきやすくなり体型が崩れるだけでなく、腰痛・肩こり・頭痛の原因になり、またむくみや便秘、冷えをもたらすこともあります。

生活習慣の乱れと育児ストレス

産後は赤ちゃんのお世話でまとまった睡眠を取ることが難しく、赤ちゃんと同様一日中寝たり起きたりの生活になります。赤ちゃんが寝ている間に搾乳、哺乳瓶の消毒、洗濯などの間接的な赤ちゃんのお世話があり、その合間を縫って自分自身の世話(シャワーを浴びたり着替えたり食事したりなど)をしなくてはいけないので、お母さん自身の自由な時間はほとんどありません。そのような中、お母さんはどうしても簡単に手早く口にできる物、あるいは自分を癒してあげるためにも、糖質・脂質の多い食事や間食を昼夜関係なく食べてしまいがちですよね。

産後の運動不足

もともと妊娠中に運動不足で筋肉量が落ちているところへ、産後は赤ちゃん中心の生活になり、自分の時間が取れないことからも運動不足になります。

これらの原因やしくみをよくよく踏まえた上で、『産後太り』に対する具体的な対策について考えてみましょう。

「産後太り」対策

妊娠中及び出産時には母体に多大な負担がかかっています。

母体には様々な変化が生じており、それらが回復するために、まずは産後1ヶ月間は『産後ダイエット(減量という意味で)』のことは考えず、心身ともに安静にしてできるだけ十分な睡眠を取りましょう。産後の肥立ちとはよく言ったものです。芸能人などを真似して一気に体重を戻そうと、激しい運動や極端な食事制限をするのはやめましょう。

家族の協力を得ましょう。

里帰り出産をして産後1ヶ月くらいは実家でゆったり過ごせたとしても、育児はまだまだ始まったばかり。妊娠と出産だけは男性が代わってあげることはできないので、それ以外の交代できることは何でも男性に参加していただきたいものです。最近は各企業や省庁でも、男性の育児休暇を推奨しているところが増えてきました。是非とも男性も積極的に育児に参加して、母親の負担(身体も心も)を軽減してあげましょう。

常に良い姿勢を保つよう心がけましょう。

  • 背筋を伸ばす。(この時お腹を前に突き出さないように)
  • 下腹を引っ込める。(ドローイン:おへそを奥に引っ込めるように意識しながら息を深く吐き、息を止めずにその状態を保つ)
  • 横座りや脚組みを避ける。
  • 赤ちゃんを抱っこする時はできるだけ左右の腕を交互に使う。
  • 新生児期などに授乳する際は、赤ちゃんの下にクッションを置いて位置を高くしたり、お母さん自身が寝そべるなどして、できるだけ背中を丸めたり身体をねじったりしないようにする。
  • ストレッチをして身体を伸ばす。
  • 骨盤ベルトを利用したり整体院などで骨盤矯正を受けるなどして骨盤のゆがみを放置しない。

水分補給とバランスの良い栄養摂取に留意しましょう。

  • 水分は1日2ℓくらいを目安に十分にとる。(水分が少ないとかえって身体はむくむ)ただし糖分の入ったジュースや脂肪分の多い牛乳は避ける。
  • 食事の量よりも内容に留意し、高たんぱく低脂質の食事(大豆由来の食品や鶏ムネ肉、魚など)や葉酸、鉄分、カルシウム、食物繊維、ビタミンを積極的に摂る。

ストレスをためない、または定期的に発散しましょう。

  • 時には赤ちゃんを誰かに任せて、夜ぐっすり眠る。
  • 同様に赤ちゃんを誰かに任せて、昼間、自分の好きなことをする。
  • 変わってしまった体型を嘆いて投げやりにならず、人間、いつからでもダイエット(適切な減量)を始めることはできると考える。
  • 時には自分へのごほうびで甘い物やデザートを食べる事も結構。ただし、私のように調子に乗って毎日シュークリームやケーキを食べていると、乳汁が詰まって乳腺炎になり、熱が出たりものすごく痛い思いをしなくてはいけなくなるのでご注意を・・・。

身体活動量と運動量を徐々に増やしましょう。

  • 赤ちゃんを抱っこしたまま(もちろん落とさないように)スクワットをしたり散歩をする。
  • 最近は自宅に居ながらYou tubeなどで運動指導を無料で受けることも可能。便利な世の中です・・・

出産後は半年~1年くらいかけて妊娠前の体重に戻るのが理想的です。
産後太りに限らず減量対策の一番の敵はストレスだと私は考えています。とにかくストレスをためないようにしましょう。せっかく苦労してかわいい赤ちゃんに巡り合えたのですから、リラックスしてしっかり楽しみながら子育てしましょう!

  • 植物性天然葉酸サプリ【レピールオーガニックス】
  • ママのための栄養補給ゼリー「つわノン」

 コラムニスト紹介

ライフサポートクリニック広島 院長  新宅 恵子 


開業のきっかけは,私と同じように悩んでおられる方々のお役に立ちたいという思いからでした。何に悩んでいたかと申しますと,「子育て」と「産後の肥満」です。自分とは似ても似つかぬ個性のわが子と向き合うのは大変でした。子どもを治して欲しいと思ったことがありますが,学んでいくと,結局直さなくてはいけないのは自分たち,親の方でした。
子育てに欠かせない3要素は「愛情と栄養とトレーニング」というコンセプトに基づき,児童・思春期精神科を開業しようと決意した際,自身の肥満是正の経験と,かつて健診センターで仕事をしていた時のジレンマを思い出し,大人にも子どもにも重要である身体への栄養を重視したダイエット外来(栄養外来)も併設することを思いつきました。
開業以来,児童・思春期精神科外来には相談にみえる方が年々増加し,医師一人体制では限界が参りました。徐々にお一人にかける時間を減らさざるを得なくなり,当初目標としていた「栄養」に関してはほとんど触れる暇が無い状態でした。
児童・思春期精神科の初診受付待ちが4ヶ月となった2020年12月から一時受付を休止し,改めて通院中の子どもさんやご家族の基本的生活習慣(栄養,睡眠,運動など)の見直しに取りかかりました。
2021年2月からはダイエット外来(栄養外来)を保険外診療としました。10回程度の教室に通っていただくようなスタイルで栄養について楽しく学んでいただきながら,ご自身の健康管理にお役立ていただくようサポートしています。
(児童・思春期精神科外来は2021年11月現在,初診受付を休止しております。)

【経歴・資格・所属学会】
【略歴】
広島大学附属高等学校卒業
広島大学医学部医学科卒業
広島大学消化器・代謝内科学(旧:内科学第一)講座入局
広島大学医学部附属病院にて内科研修後,広島県内の福島生協病院(消化器内科医),大朝ふるさと病院(内科医),メープルヒル病院(内科医),トリニティカレッジ広島医療福祉専門学校(非常勤講師),長崎病院(上部消化管内視鏡検査担当),コールメディカルクリニック広島(在宅医療担当),グランドタワーメディカルコートライフケアクリニック(健診担当)に勤務(非常勤含む)。
2015年4月 広島市東区(広島駅新幹線口より徒歩5分)に「ライフサポートクリニック広島」を開業。


【所属学会】
日本内科学会 認定内科医
日本消化器病学会
日本肝臓学会
日本肥満学会
日本統合医療学会
American Psychiatric Association(米国精神医学会)
日本K-ABCアセスメント学会

column/button_type2_b column/button_type2_a

 ランダム記事

column/btn_column_page
トップ