「栄養8割 運動2割」


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2021/12/20

今回で2回目のコラムとなります。最初に前回のおさらいをしておきましょう。

前回、『ダイエット』というテーマでコラムの連載を開始するにあたり、最初に『ダイエット(diet)』という言葉の意味を整理しておきました。英単語の『diet』には、「日常の(飲)食物」という意味がある(むしろそちらがメイン)というお話をしましたね。そこで、こちらのコラムでは減量に限らず、普段の食事内容に関する話題も取り上げていくということをお伝えしました。

「栄養8割 運動2割」

さて今回のテーマは、予告通り「栄養8割 運動2割」です。

「栄養8割 運動2割!」と言うと、あちらこちらから異論の声が聞こえてきそうです。「何を言ってるんだ?運動8割 栄養2割でしょ?」「とにかく運動が一番大事!」「せめて栄養5割 運動5割でしょ!」などなど。
皆さま、おっしゃることはごもっとも!このコーナーで、「『ダイエット』とは日常の飲食物のこと。普段の食事内容に関する話題も・・・」と言いつつ、『運動』の話を持ち出しているのは、私も『運動』が大変重要だと考えているからです。
実際には「栄養8割」だろうが「栄養5割」だろうが「栄養2割」だろうが、その割合にはあまり大きな意味はないと私は思っています。最も言いたい事は、「健康的なライフスタイルのためには『栄養だけ』でも『運動だけ』でもよろしくない!」という事なのです。

それでも、ちょっとだけ『栄養』の方をひいき目(多目に)しているのには、一応、理由があります。
1つ目は、例えば『運動』が自発的にできない状況の時でも(病気やケガの時、あるいは赤ちゃんや高齢で寝たきりの場合なども含め)、『栄養』だけはきちんと摂らなくては生きていけないので、『運動』より前に『栄養』と書いておきたいなということです。

2つ目は、特に『減量』を目的として考えている場合には、『運動負荷を増やすことだけ』によってエネルギー消費量を増加させるには、かなりの時間と労力を必要とします。その上、一時的には良いのですが、長期的に見ると結局は摂取エネルギーの増加をもたらし、あまり効果的ではないと考えられるからです。

こちらは私のクリニックに置いてある「体脂肪2kg」の模型です。見た目も触ってブヨブヨした感じもかなりリアルです。中におもりが仕込んであり、ちょうど2kgの重さに調整してあるので、両手で抱えてみると意外に重いと感じますし、お腹の上や肩の上に乗せてみると、ズシっとのしかかりゾッとします。
脂肪1gを燃焼させるために約7kcalのエネルギー消費が必要とされていますので、この模型と同じ2kgの脂肪を燃焼させるためには、(軽い)自転車こぎなら約70時間、(軽い)ジョギングなら約44時間かかる計算になるそうです。これなら、食事からの摂取カロリーの低減も組み合わせる方が、もう少し早く効率よく減量することができそうですね。

もう一つ、これは私自身の経験です。実は今より10kg以上太っていた時に、プロのスポーツトレーナーから運動指導を受けました。私に合ったエクササイズメニューをいくつか組み合わせてくださったのですが、その中に「スタージャンプ」というのがありました。腕を体の横に下ろしてまっすぐ立った姿勢からジャンプし、頭上で左右の手をパチンと叩き、と同時に両脚を横に大きく開いて着地する。次にもう一度ジャンプして腕は身体の横に下ろして両脚はそろえ、気をつけの姿勢に戻る。という動作を繰り返すエクササイズです。これがきつくて、きつくて・・・小学生の頃、全く得意ではないものの縄跳びの前跳びくらいはできていたはずなのに、この度はジャンプしても足がほとんど地面から上に浮き上がりません。それでも無理やり跳んでみましたが、1動作ごとにどてっ、どてっと体が落ち、とてもリズミカルに跳ぶというような代物ではありませんでした。

「やせるためには運動を!」と思ってもなかなか続けられず・・・(泣)

しかし、10kg以上体重が減った後に同じく「スタージャンプ」をやってみると、何と軽やかに跳べるではありませんか(実際には床から3cmかも知れませんが)。筋肉がついた?コツをつかんだ?いやいや、何より体が文字通り軽くなったのです。そりゃあ10kg以上も減ったら軽くなりますよ。逆に以前は10kgの米袋をかついて跳んでいたようなものなのですから、道理できつかったはずです(納得)。
この経験から、かつての私のようにもともと運動習慣のない方の場合、『運動』でやせようと思ってもなかなか難しい話です。できればある程度、先に体重を落としたいですね。

『運動』と一口に言っても、いろいろありますね。日々の生活の中で特に意識せずに行っている『運動』は『身体活動』と呼んでも良いでしょう。
歩く、階段や坂道を上り下りする、物を持ち上げたり運んだりする、掃除、洗濯、料理など家事をすることなどが含まれますね。
一方、いわゆる『運動』と言えば、筋トレ、ジョギング、体操、サイクリング、ダンスや各種スポーツなどでしょうか。
『運動』には、

  • 体力や筋力を維持または向上させる
  • ストレスの軽減
  • エネルギーを消費し脂肪の燃焼につながる
  • 心肺機能を高める
  • 肥満の予防や是正
  • 生活習慣病の予防
  • 認知症の予防

などの効果があります。

結局、健康的なライフスタイルのためには『運動』は欠かせないという事ですね。『運動』が苦手な方は、まずは日常生活の中の『身体活動』を増やしていくことから始めてみましょうか。さて、私も今日はエレベーターを途中で降りて半分くらいは階段を使ってみようかしら(やっぱり一旦は乗るのね)。

次回はかつて私自身も悩んでいた「産後太り」をテーマにお話しする予定です。

 コラムニスト紹介

ライフサポートクリニック広島 院長  新宅 恵子 


開業のきっかけは,私と同じように悩んでおられる方々のお役に立ちたいという思いからでした。何に悩んでいたかと申しますと,「子育て」と「産後の肥満」です。自分とは似ても似つかぬ個性のわが子と向き合うのは大変でした。子どもを治して欲しいと思ったことがありますが,学んでいくと,結局直さなくてはいけないのは自分たち,親の方でした。
子育てに欠かせない3要素は「愛情と栄養とトレーニング」というコンセプトに基づき,児童・思春期精神科を開業しようと決意した際,自身の肥満是正の経験と,かつて健診センターで仕事をしていた時のジレンマを思い出し,大人にも子どもにも重要である身体への栄養を重視したダイエット外来(栄養外来)も併設することを思いつきました。
開業以来,児童・思春期精神科外来には相談にみえる方が年々増加し,医師一人体制では限界が参りました。徐々にお一人にかける時間を減らさざるを得なくなり,当初目標としていた「栄養」に関してはほとんど触れる暇が無い状態でした。
児童・思春期精神科の初診受付待ちが4ヶ月となった2020年12月から一時受付を休止し,改めて通院中の子どもさんやご家族の基本的生活習慣(栄養,睡眠,運動など)の見直しに取りかかりました。
2021年2月からはダイエット外来(栄養外来)を保険外診療としました。10回程度の教室に通っていただくようなスタイルで栄養について楽しく学んでいただきながら,ご自身の健康管理にお役立ていただくようサポートしています。
(児童・思春期精神科外来は2021年11月現在,初診受付を休止しております。)

【経歴・資格・所属学会】
【略歴】
広島大学附属高等学校卒業
広島大学医学部医学科卒業
広島大学消化器・代謝内科学(旧:内科学第一)講座入局
広島大学医学部附属病院にて内科研修後,広島県内の福島生協病院(消化器内科医),大朝ふるさと病院(内科医),メープルヒル病院(内科医),トリニティカレッジ広島医療福祉専門学校(非常勤講師),長崎病院(上部消化管内視鏡検査担当),コールメディカルクリニック広島(在宅医療担当),グランドタワーメディカルコートライフケアクリニック(健診担当)に勤務(非常勤含む)。
2015年4月 広島市東区(広島駅新幹線口より徒歩5分)に「ライフサポートクリニック広島」を開業。


【所属学会】
日本内科学会 認定内科医
日本消化器病学会
日本肝臓学会
日本肥満学会
日本統合医療学会
American Psychiatric Association(米国精神医学会)
日本K-ABCアセスメント学会

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