10~70代の方のうち、約80%は口臭を気にしているといわれています。それほど口臭は多くの方にとって大きな問題となっているのです。
しかし、どうすれば口臭を改善できるのか分からず困っている方も多いのではないでしょうか。知らず知らずのうちに口臭で周りを不快にしている可能性もあります。
今回は、口臭の改善に効果がある市販薬について詳しく見ていきましょう。自分で口臭をチェックする方法や対処法についても紹介しているので参考にしてみてください。
参考:日本医師会
口臭がきつくなる原因にはいくつかあります。ただし、多くはお口の中に原因があることがほとんどです。
舌苔
口臭の多くは、口腔内の気体由来だといわれています。悪臭を放つ気体を発する原因となりやすいのが舌苔です。舌苔は最大の口臭源ともいわれています。
舌に白っぽいものが付着している方は舌苔が溜まっており口臭が強くなっている可能性があるでしょう。
逆流性食道炎
逆流性食道炎とは、胃液が食道まで逆流してしまう病気のことです。胃液のにおいが口から漂ってくるため、刺激のある強いにおいを生じやすくなります。お口の対策を行っても口臭が消えない場合は、胃に問題があるかもしれません。
唾液の減少
どなたでも多少の口臭はあります。唾液が減少していると口臭が強くなりやすいので注意しましょう。唾液には、お口の中を清潔に保つ働きがあります。そのため、減少すると細菌が増えて口臭がきつくなりやすいのです。
歯周病
舌苔と同じく口臭の原因になりやすいものとして、歯周病が知られています。歯周病とは、細菌によって歯肉に炎症が起きている状態のことです。
症状が進むと、歯を支えている骨まで溶けてしまいます。歯周病の方では、口臭の原因となるメチルメルカプタンの割合が高くなり、口臭が強くなることがあります。
歯槽膿漏
歯周病のなかでも、とくに症状が進んだものを歯槽膿漏といいます。歯茎が腫れたり膿が出たり、歯が抜け落ちたりなどの症状が代表的です。歯槽膿漏が進行すると、口臭がひどくなります。
食事
食べ物も口臭の原因です。にんにくを食べるとにおいやすいのはご存知の方が多いでしょう。これは、にんにくに含まれているアリル化合物やセレニウム化合物などの気体が肺から排出されるためです。
本当に臭う?口臭をチェックする方法
本当に口臭がしているのか、それとも気にし過ぎなのかを自分で判別するのは簡単ではありません。
自臭症といって、とくに原因がないにもかかわらず自分からひどいにおいが生じていると思い悩んでしまう病気もあります。口臭が気になると感じる方は、本当に口臭があるのかをまずはチェックしてみましょう。
唾液の臭いを嗅ぐ
唾液ににおいがある方は、口臭がある可能性が高いといわれています。手を清潔にした後、ガーゼやティッシュで唾液を拭って嗅いでみてください。
舌の色や状態を確認する
舌が白っぽくなっており苔のようなものがついているときは、口臭がある可能性が高いでしょう。この苔は、舌苔と呼ばれており、量が増えると口臭も強くなります。
ビニール袋に吐いた息を嗅ぐ
簡単に自分の口臭を確認したい方は、ビニール袋に息を吐いてにおいを嗅いでみてください。もしにおいを感じたら、口臭がある可能性が高いでしょう。
デンタルフロスの臭いを嗅ぐ
使用後のデンタルフロスを嗅いでみて、においがするようでしたら口臭がある可能性があります。
口臭チェッカーを使用する
確実に口臭の有無を確認したい方には、口臭チェッカーがおすすめです。吹き込み口に息を吹き込むだけで、口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物を測定して、口臭の度合いを判定してくれます。
口臭対策に効果がある市販薬
口臭が気になる方は、まずお口の状態を清潔にするところから始めてみましょう。その際、市販薬を使用するとより効果的な対策を行えます。
サクロフィール錠
口臭の除去に効果がある医薬品です。銅クロロフィリンナトリウムが不快なにおいを発する原因物質に直接働きかけ、口臭を改善します。錠剤タイプなので、外出先にも気軽に持ち運びしやすいことが特徴です。
有効成分 銅クロロフィリンナトリウム 用法用量 15歳以上:1日1~3回、1回3~4錠を服用する 効能効果 口臭の除去、二日酔い 公式サイト:サクロフィール錠クリーンデンタルN
歯槽膿漏用の治療薬として販売されている塗り薬です。歯茎の腫れや出血を抑え、歯槽膿漏が原因の口臭を緩和します。唾液に流されにくい密着処方です。歯茎にしっかりと留まって効果を発揮します。
有効成分 ・トコフェロール酢酸エステル
・ヒノキチオール
・セチルピリジニウム塩化物水和物
・グリチルリチン酸二カリウム
・アラントイン
用法用量 歯肉炎、歯槽膿漏:1日2回、ブラッシング後に適量を患部に塗布する
口内炎:1日2~4回、適量を患部に塗布する効能効果 歯肉炎・歯槽膿漏における諸症状(歯ぐきのはれ・出血・痛み・うみ・発赤・むずがゆさ、口のねばり、口臭)の緩和、口内炎 公式サイト:クリーンデンタルNイソジンうがい薬
薄めて使うタイプのうがい薬です。細菌やウイルスを殺菌・消毒する効果のあるポビドンヨードの働きで口臭を改善します。
有効成分 ポビドンヨード 用法用量 1日数回うがいをする 効能効果 口腔内およびのどの殺菌・消毒・洗浄、口臭の除去 公式サイト:イソジンうがい薬アセスメディクリーン
日本初の医薬品タイプのマウスウォッシュです。口をすすぐことで3種類の天然ハーブが口臭や歯茎の腫れなどに効果を発揮します。
有効成分 ・カミツレチンキ
・ラタニアチンキ
・ミルラチンキ
用法用量 1日2回、ブラッシング後に本剤で約30秒口をすすぐ 効能効果 歯肉炎・歯槽膿漏の諸症状(口臭・口のねばり・歯ぐきのむずがゆさ・はれ・発赤・歯ぐきからのうみ・出血)の緩和 公式サイト:アセスメディクリーンハレス口内薬
歯肉炎や歯槽膿漏の諸症状を改善するための塗り薬です。歯茎を活性化し、口臭や腫れ、痛みなどを緩和します。
有効成分 ・アラントイン
・トコフェロール酢酸エステル
・グリチルリチン酸二カリウム
・カルバゾクロム
・ヒノキチオール
・セチルピリジニウム塩化物水和物
用法用量 歯肉炎、歯槽膿漏:1日2回、ブラッシング後に適量を患部に塗布する
口内炎:1日2~4回、適量を患部に塗布する効能効果 歯肉炎・歯槽膿漏における諸症状(歯ぐきの出血・発赤・はれ・うみ・痛み・むずがゆさ、口のねばり、口臭)の緩和、口内炎 公式サイト:ハレス口内薬日常生活でできる口臭を予防する方法
口臭を予防するためには、日常生活に気をつけることも大切です。
水分をこまめに摂る
唾液が少なくなってお口の中が乾燥すると、口臭が発生しやすくなります。そのため、唾液の分泌を促すためにも水分をこまめに摂るようにしましょう。
口の中を清潔に保つ
歯周病や歯槽膿漏は、お口の中で雑菌が繁殖することが原因で起こります。強い口臭の原因となりやすいため、お口を清潔に保つようにしましょう。起床時と就寝前は必ず丁寧に歯磨きを行ってください。
鼻呼吸をする
口呼吸をしていると、お口の中が乾燥して口臭が出やすくなります。鼻呼吸にすると乾燥を防げるため、口臭を予防することが可能です。
口臭が気になる方は定期的に歯医者を受診しよう
口臭の原因の多くはお口にあります。そのため、口臭が気になる方は歯医者で適切な治療を受けることが大切です。しかし、実際は口臭が気になっている方のうち歯医者を受診しているのは1割もいません。
自分で対処することも大切ですが、歯周病や歯槽膿漏が原因の場合はきちんと治療を受けることが重要です。少しでも口臭が気になると感じている方は、早めに歯医者に相談しましょう。
参考:日本医師会まとめ
口臭の多くは、お口の中が原因で発生しています。舌苔を取り除いたりマウスウォッシュでお口の中を清潔にしたりして口臭を改善しましょう。歯周病や歯槽膿漏がある場合は、歯医者で治療を受けることで口臭の改善が期待できます。
治療せずに放置しておくと口臭が一層悪化したり歯が抜けたりする恐れがあるため、早めの対処が大切です。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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