ママ・パパたちが小学生の頃は、新学期になると担任の先生が自宅をたずねてくる「家庭訪問」が全国的に行われていましたよね。
しかし最近は家庭訪問を廃止し、別の方法をとる小中学校も増えているそうです。
今回は、家庭訪問の目的や、最近減っている理由、いつから廃止になったのか、代替手段などを紹介します。
多くの小学校では、家庭訪問は4月下旬から5月下旬の1~2週間に行われます。
子供たちにとっては午後の授業がなくなり、新しいクラスでできた友達とたくさん遊べる機会でもあり、親から「先生が来るから部屋を片付けなさい」と叱られるなど、いろいろな思い出があるイベントではないでしょうか。
一方、親の立場になると「玄関先でいいのか、部屋まで上がってもらうべきか」「お茶やお菓子は」「ゴールデンウィークで仕事が平日に集中する時期に会社を休まなくてはいけない」など、さまざまな事情で頭を悩ませることも。
なぜ「家庭訪問」が行われるのか、振り返ってみるとその歴史は昭和初期に遡ります。
全国的にまだ子供は農家をはじめとする家庭の労働力であった時代。小学校では「学校と家庭の連絡」という目的のもと懇談会を開催していましたが、そもそも子供の教育に関心のない親は来てくれないという悩みを抱えていました。
そこで、親が子供の勉強に対して理解があるかどうか、各家庭や子供1人1人の状況はどうか、きめ細かくフォローするために家庭訪問に力を入れるようになった…という記録が残っています。
その後は全国的に、先生たちが家庭や地域のようすを知り、家での過ごし方や保護者の要望を聞く機会を兼ねて、毎年家庭訪問が行われるようになったと考えられています。
ちなみに、ゴールデンウィークの合間の平日に日程が組まれているのは「学校を休んで遊びにいかせないように」等と言われることもありますが、実際は「できるだけ早い段階が望ましいが、始業式早々は他にもやることが多く、やっと落ち着くのがその時期」「クラスの子供たちの顔と名前・性格などがひととおり分かった頃に家庭訪問したほうが効果的」といった理由からのようです。
しかし、近年では家庭訪問を廃止し、別の方法に切り替える小学校も増えています。
従来型の家庭訪問を行っている学校が今どれだけあるのか、全国的な調査結果は見当たりませんが、各自治体の教育委員会などの報告書を見ると、働き方改革関連法が成立した2018年頃から「教師の負担を軽減するため、家庭訪問を見直します」という内容が急増していることがわかります。
これまで当たり前のようにやっていた業務を見直すことで、先生たちがもっと子供たちと向き合い、学習や心のケアなどに時間を割けるようにしようという取り組みが広まったのがこの時期といえます。
さらに2020年からのコロナ禍で、授業参観や学習発表会など、人の集まる行事を中止するとともに、家庭訪問を取りやめる学校が急増しました。
2023年頃からは多くの学校で行事が復活しつつありますが、そのまま家庭訪問を別の手段に切り替えた学校も多いとみられています。
新学期の全員家庭訪問に替わり、子供たちの家庭・地域での状況を知るために、現在、以下のような方法がとられています。
また一斉の家庭訪問とは別に、緊急時や欠席が続いている児童などへは柔軟に家庭訪問を行う方針の学校も多いようです。
「結局、うちの子の小学校の家庭訪問は今後どうなるの?」と気になっているママ・パパもいらっしゃるかもしれません。
現在、平日に主婦(主夫)が家にいる家庭は全国で約570万世帯に対し、夫婦ともに勤めに出ている家庭は約1240万世帯と倍以上になっています。
また働き方改革の方向性は継続されているため、今後も昔ながらの家庭訪問は減っていくとみられます。「いつから」は学校により異なりますが、思ったよりも早い時期にオンライン面談などに切り替わるかもしれませんね。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
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