広島の子育て世代に向けた、医療・健康・暮らしにまつわる情報を発信

赤ちゃんが歩き始める時期と、大人が気をつけてあげるポイント【先輩ママの体験談】

2021/05/24

赤ちゃんがハイハイからつかまり立ち、伝い歩きなどを始めたら、ママやパパは「もうすぐ歩くのかな!?」とドキドキワクワクしますね。

また「まわりの同い年の子は歩き始めているのに、うちの子はまだ…」と心配になっている人もいるかもしれません。

今回は、赤ちゃんが一般的に歩き始める時期と身体の発達について、また歩き始めの赤ちゃんのために気をつけてあげたいポイントなどを解説します。

また「うちの子は歩き始めるのが早かった」「ゆっくりだった」というママの体験談から、成長後のようすも紹介します。

赤ちゃんはいつから歩く?

赤ちゃんは一般的にはいつごろから歩くのでしょうか。

全国のママに配布される母子手帳でみると、それぞれ以下のページに「できるようになった時期」を記入する欄があります。

● ハイハイ、つかまり立ち…生後9~10か月頃
● 伝い歩き…1歳
● ひとりで上手に歩く…1歳6か月

上記はあくまでも目安で、実際は個人差がとても大きいのですが、おおよそ生後1歳~1歳半頃に歩き始める子が多いといえます。

赤ちゃんの手をとって歩く真似をさせると今にも歩けそうに見えますが、実際には次のようなさまざまな身体的発達が揃ってはじめて1人で歩くことができます。

  • 足だけでなく背筋や腹筋、腕などの筋肉がしっかり発達している
  • 股関節や膝、足首の関節がしっかりしている
  • 転びそうになったときに手で支えて頭や顔を守る「パラシュート反応」、身体が倒れそうになると足を出して支える「ステッピング反応」などの姿勢反射があらわれる

筋肉や関節はしっかりハイハイしている時期に発達します。また上記の姿勢反射は自然に時期が来ればあらわれ、訓練で早めることはできません。

参考

先輩ママの体験談で知る「早い子」「ゆっくりな子」の成長後は?

今回は、2人のママに、お子さんが歩き始めた時期と、成長したときの様子を教えてもらいました。

Uさん(歩き始めは生後10か月、現在小学校2年生のママ)は、

「2人目で上の子についていきたい気持ちが強いのか、10か月頃から、伝い歩きから手を離してヨチヨチ歩いていってしまって。外でも小さいのに歩き回るため、目が離せませんでした。下半身がしっかりしていないのに体重がかかると、O脚やX脚になるよと周囲の人にいわれて不安になったことも」

と話します。

「できるだけハイハイも続けてほしかったので、つかまりやすい台やコタツなどを片付けて広いスペースを作りました。お兄ちゃんにも頼んで親子で一緒にハイハイして遊んだりもしました」

と、歩く準備として必要なハイハイがしっかりできる環境を整えたそうです。

「今は2年生ですが、特に運動が得意ということもなく、ごく平均的な感じですね。心配だったO脚・X脚も、今のところ影響ないようです」

いっぽう、

「すごくゆっくりでちょっと心配しました」

というKさん(歩き始めは1歳5か月、現在5歳)は、公園などで会う同い年の赤ちゃんがどんどん歩けるようになるので内心焦ったそうです。

「手を持って立たせてもまたぺたんと座ってしまうので、気になって1歳児検診で相談しましたが、体も大きめだしゆっくりなのでしょう、順調に成長しているので大丈夫…とのことでした。また、性格も慎重で、珍しいモノを見ても飛びつかずに様子を見るタイプだったので、歩くのも慎重なのかなと思い見守りました」

現在は幼稚園の年長さんになったお子さんのようすは、

「他の子と一緒になって走っていますよ!性格は相変わらず慎重派ですけど(笑)」

だということです。

歩き始めの赤ちゃんに気をつけてあげること

赤ちゃんが歩き始めたばかりの時期は、

  • 転んだ時にぶつかりそうな家具の角にはコーナーガードやクッションをつける
  • 階段の上下や玄関に降りる段差などにはベビーゲートをつける
  • つかまったときに倒れてきそうな不安定な家具やコードは固定する

など、家の中の安全対策を。

外で歩くための靴も準備が必要ですが、あまり早くから購入すると実際に歩きはじめたときの足のサイズと合わないことがあるため、様子を見て、足にフィットするサイズを選びましょう。

サンダルタイプやデザイン重視の靴はかわいらしいですが、ケガや歩きにくさにつながるため、つまさきが広めのもの、かかとがしっかりしたもの、靴底が指の付け根あたりで自然に曲がるやわらかさのものを選びましょう。

参考

おわりに

「這(は)えば立て、立てば歩めの親心」という昔の言葉があります。

わが子の成長は楽しみですし、まわりの赤ちゃんが歩き始めるとつい、「早く歩かないかな」と焦ったり不安になったりするかもしれません。

しかし、食べることや歩くことはほんとうに個人差が大きいもの。

今回体験談をお聞きしたママ以外でも「歩き始めは早かった(または遅かった)けど、成長したらなにも影響がなかった」と話す人はたくさんいます。

赤ちゃんが順調に成長しているのであれば、ぜひその子のペースを大切に見守ってあげて下さいね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

 関連記事

column/btn_column_page
トップ