「リフレーミング」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
10年ほど前から、教育やビジネスの現場でよく聞かれるようになったリフレーミングとは、いっけんマイナスに思える出来事や短所に見える性格などに対し、見方を変えてポジティブにとらえ直すことをいいます。
今回は、育児で
といったイライラや不安がつのったときに役立つ、リフレーミングの例やそれをふまえた子供へのおすすめの接し方を紹介します。
リフレーミング(reframing)は、英語の「re(もう一度、~しなおす)」と「framing(枠組み)」が組み合わさった言葉で「見方を変えてものごとをとらえ直す」といった意味があります。
スマホで風景を撮影するところを想像してみて下さい。同じ風景でも、どこをフレームで切り取るかで仕上がりは全く違うものになりますよね。
また、壁に飾られた絵の額縁を変えるだけで、見る人の印象がガラッと変わることもあります。
リフレーミングはこうした「ものの見方の変化」を人の心に応用したコミュニケーションスキルの1つで、アスリートのメンタルトレーニングや企業の研修にも使われています。
よくいわれるリフレーミングの例は次のようなもの。
あなたは上記どちらのタイプですか?
どちらが良い・悪いというのではなく、みんな自分特有のものごとの見方を持っているため、それに縛られ過ぎると苦しくなる……というのがポイントです。
見方やとらえ方を変えてみたら、「そんなに悩む必要ないかも?」「意外といいとこあるよね!」と気が楽になったり、前向きな気持ちになれたりするのがリフレーミングの効果だといえます。
親としては、わが子に「元気でいい子に育ってほしい」と願いながらいつも子育てをがんばっていると思います。
ただ、そうするとどうしても「ここが気になる」「なんでこの子はこんなに〇〇なんだろう…」と、マイナス面が気になってしまうのではないでしょうか。
この「〇〇」には次のような言葉が入るのではないかと思います。
このマイナスに思える点を、リフレーミングで言い換えてみると、次のようになります。
このように見ると、どれも「将来その長所を生かして仕事や人生を楽しんでいけそうだ」と思えてきますよね。
子育てのなかで「短所や悪いところをぜんぶ直してあげるのが子供のため」と考えるのは親としては当然かもしれませんが、その意識が強すぎると、叱ってばかりの日々になってしまいますよね。
そこで「短所」「悪い」と親が思っている子どもの性格や行動をリフレーミングしてみると、意外とそうでもないと思えるようになり、今よりも親子で笑って過ごせる時間が増えるかもしれません。
さらに小学校中~高学年になってくると、子供本人が「なんで僕はこんなに〇〇なんだろう」「私ってみんなと比べて〇〇でダメだな」と悩んだり、落ち込んだりする場面も出てきます。
その時はぜひ、リフレーミングを使って子供の視点を変えるヒントを提供してみてはどうでしょうか。
たとえば
と思っているのであれば、
あるいは
と落ち込んでいたら
のように伝えてあげると、それまでの自分に対する否定的な見方から、自分を認められるようになり、少し元気になるかもしれません。
リフレーミングは、無意識にやってしまう「自分特有のものの見方」を変える作業なので、必要な時に急にはなかなかできません。
練習方法として、ママ・パパ自身が、何かで落ち込んだり、否定的になったときにリフレーミングしてみるのがおすすめです。
子供が悩んでいる時、一緒にリフレーミングできるように日頃から意識しておくとよいですね。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
関連記事
4月から保育園に通うお子さんを育てているママ・パパは、入園に向けて少しずつ準備を進めているところかと思います。
着替えやおむつ・お昼寝布団など、保育園に持って行くものはたくさんありますが、身につけるもの以外にも毎日必ず持参しなくてはいけないのが「連絡帳」です。 連絡...続きを読む

すぐに物事を投げ出さず、じっくりと取り組む根気強い子・粘り強い子に育てたい……と思うママ・パパは多いのではないでしょうか。
有名スポーツ選手や、学業で優秀な成績をおさめた人はみんな根気よくコツコツ努力を重ねてきたイメージがありますよね。 しかし、どうやって根気のある子に育てれば...続きを読む

保育園・幼稚園・小学校で、子供が作った絵や工作。この時期になると大きな袋に入れて1年分を持ち帰ってきますが、かなりの場所をとるため保管に困ってしまいますよね。
かといって捨てるのも気が引ける…そんなときのため、おすすめの保管収納方法や処分してもいいタイミングをママ・パパの話も参考に紹介します。 工作は壊れる前に撮影を...続きを読む

妊娠中のマイナートラブル(病気ではないが辛い症状)として多いのが、「夜眠れない」問題。不眠が続くと「赤ちゃんの発育に影響はない?」と不安になってしまいますよね。
なぜ妊娠中に眠れなくて悩む人が増えるのか、初期・中期・後期に分けて解説します。 先輩ママの体験談も参考にして下さいね。 妊娠初期の「眠れない…」はな...続きを読む