口内炎ができて食事がしづらい、会話するのがつらいとお悩みではありませんか?口内炎は誰にでもできる可能性がある症状です。
耳鼻咽喉科で診てもらうのも良いですが、市販薬を使ってすぐに対処したいと考える方も多いでしょう。
実際に、市販薬で口内炎の治療をする方は少なくありません。今回は、口内炎におすすめの市販薬や選び方、早く治す方法について解説します。
口内炎とは、口の中にできた炎症のことです。いくつか種類がありますが、総称して口内炎と呼んでいます。
口内炎ができる原因は、次のようにさまざまです。
上記のように原因が特定できる場合もあれば、原因不明なケースもあります。また、ほかの病気が原因で口内炎の症状が出ていることもあるので注意が必要です。
口内炎には、おもに次の種類があります。
もっともよく見られるのが、アフタ性口内炎です。アフタ性口内炎ができる原因ははっきりとはわかっていませんが、ストレスや睡眠不足、栄養不足などが原因だと考えられています。10日~2週間ほどで自然に治ることが多いでしょう。
カタル性口内炎は、物理的な刺激によって起こる口内炎です。たとえば、口内を噛んだり矯正器具や入れ歯が触れたりすることでできます。口内炎の境界線がはっきりとせず、痛みのほかに口の中が熱く感じたり口臭が発生したりすることが特徴です。
ウイルス性口内炎は、ウイルスや細菌感染によって起こります。単純ヘルペスウイルスやカンジダ菌などが主な原因です。ウイルス性口内炎の場合は、症状として小さな水疱がよく見られます。
このほか、アレルギーが原因で起こるアレルギー性口内炎、喫煙により起こるニコチン性口内炎などもあります。
口内炎ができやすい場所は、頬の内側や舌の縁、唇の裏、のどの周辺などです。入れ歯や矯正器具が当たりやすい場所にもよくできます。矯正器具が当たる場合はワックスで器具を保護することで口内炎の予防が可能です。口内炎ができやすい方はワックスを使用してみてください。
口内炎の市販薬にはいくつか種類があります。口内炎の範囲や症状の程度によって適したものを選びましょう。
広範囲に口内炎ができている方には、塗り薬がおすすめです。塗り薬を塗ってすぐに飲食すると薬が取れてしまうので、飲食後や寝る前に使用してください。患部が湿った状態で塗ると薬がうまく付着しないため、綿棒などで軽く水分を拭き取ってから塗りましょう。
炎症がひどいときはトリアムシノロンアセトニドなどのステロイド成分が入ったもの、症状が軽いものにはアズレンスルホン酸ナトリウムやグリチルレチン酸など炎症を抑える成分が入ったものが向いています。
口内炎が小さく、また範囲が狭い場合は貼り薬が適しています。貼ることで患部を保護できるので、物理的に口内炎を刺激から守りたい方にもおすすめです。
貼り薬にも、ステロイドが配合されたものとそうでないものとがあります。炎症が強いときはステロイド配合のもの、症状が軽いときはステロイドが配合されていないものを選ぶとよいでしょう。
「塗り薬や貼り薬とあわせて、さらに口内炎を早く治すための治療をしたい」と考えている方には、飲み薬の併用をおすすめします。飲み薬には炎症を抑えるトラネキサム酸が配合されており、痛みや腫れを鎮めることが可能です。
塗り薬や貼り薬と併用しても問題ありませんので、気になる方は飲み薬も服用してみてください。ただし、トラネキサム酸は風邪薬やのどの痛み止めなどにも配合されているため、これらの薬を服用している方は併用しないように注意しましょう。
口内炎は、適切な処置をすることで早く治せます。ここでは、早く治すための3つの方法を見ていきましょう。
一番おすすめなのは、症状に合った薬を使用することです。口内炎の治療薬には炎症を抑える成分が配合されているため、使用することで早く症状を改善できます。
口内炎専用の薬を使う方法以外に、うがい薬を使う方法もあります。うがい薬を使う場合は茶色い色をしたヨード配合のものではなく、炎症を抑えるアズレンスルホン酸などが配合されたものを選びましょう。医療機関を受診すると、麻酔成分が含まれたうがい薬が処方されることもあります。
人によっては、歯並びが原因で口内炎ができやすくなっている方もいます。そのような場合は、歯の矯正を行うなどの治療が必要です。治療を行って歯並びを改善することで口内炎ができにくくなることがあります。
では、口内炎によく使われる市販薬を紹介します。剤形ごとにわけて紹介しているので、ここで自分に合うものを見つけてみてください。
ステロイド成分であるトリアムシノロンアセトニドが主成分の塗り薬です。軟膏を塗布すると優れた付着力により患部を保護します。アクアセンサーバリアが形成されるため、塗布後は歯や食べ物に軟膏が付着しにくくなることが特徴です。
ステロイド成分であるトリアムシノロンアセトニドが主成分として配合されています。患部に塗布するとしっかり密着するため、途中で取れてしまう心配がありません。
炎症を抑える効果に優れたステロイド成分であるトリアムシノロンアセトニドが配合された貼り薬です。貼ってしばらくすると水分を含んでゼリー状になり、患部をしっかり保護します。自然に溶けてなくなるため、剥がす必要はありません。
ステロイド成分が入っていないタイプの貼り薬です。抗炎症作用のあるシコンエキスとグリチルレチン酸が配合されています。優れた付着力を発揮し、患部を刺激からしっかり守るため効果的な治療が可能です。
抗炎症作用のあるトラネキサム酸が配合された飲み薬です。このほか、炎症を抑えるカンゾウ乾燥エキス、皮膚や粘膜の健康を維持するピリドキシン塩酸塩やリボフラビン、L-アスコルビン酸ナトリウムなども配合されています。7歳以上から服用可能です。
抗炎症作用のあるトラネキサム酸やグリチルリチン酸二カリウムなどが配合された飲み薬です。皮膚や粘膜の機能を正常にするニコチン酸アミドやピリドキシン塩酸塩、リボフラビンなども配合されています。
口内炎と一口で言っても、原因はさまざまです。次のような場合は医療機関を受診するようにしましょう。
白い苔のようなものが付着している場合は、口腔カンジダ症の可能性があります。ステロイドを使うと悪化することがあるため、市販薬は使わず早めに受診してください。
発熱やだるさなどの症状があるときはウイルス感染症、膿が出ているときは細菌感染症の可能性があるため、この場合も早めに受診しましょう。
口内炎の市販薬を選ぶときは、範囲や大きさに応じて使うことが大切です。口内炎の範囲が広い方は塗り薬、狭い方は貼り薬が向いています。炎症が強い場合はステロイドが配合されたものを選ぶとよいでしょう。
市販薬を1週間ほど使っても症状が改善しなかったり、白い苔が付着していたりするようなときは、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けるようにしてください。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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