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尋常性乾癬(psoriasis vulgaris: PsV,PsO)は体や四肢、特にすねや膝、頭皮などに赤いぽつぽつとした点で始まり、徐々にウロコのようながさがさを伴う赤いわずかにもりあがった紅斑局面(鱗屑性紅斑:りんせつせいこうはん)を形成して慢性的に経過する皮ふ病です。
全身が真っ赤になったり(紅皮症)、白い膿を一面に伴ったり(膿疱性乾癬)、10~15%程度の患者さんでは指や 肘・膝の関節、腰、首などの関節が痛くなることもあります(乾癬性関節炎) 1)。
赤みを伴ってフケがひどくみられる病変や、なかなか治らない爪の変形など(爪甲剥離など)から脂漏性皮膚炎や爪真菌症などとして治療されているケースもあり、関節痛も乾癬とは別の病気と間違えられることもあるため診断が 遅れることがあります。
乾癬の患者さんは日本人口の0.44%(およそ56万人)との報告があり2)、2:1で男性に多いとされています。乾癬発症の背景には遺伝子多型とよばれるDNA配列の個体差が関与しているとされ、TNFαやIL-17、IL-23という体の中の細胞がつくりだすサイトカインと呼ばれるシグナル伝達にかかわるタンパク質をコードする遺伝子3)と乾癬との関連が指摘されています。
これら遺伝的 素因に加えて、高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、肥満、虫歯などの背景に、薬剤やストレス、何らかの感染症などの悪化因子が加わり免疫学的な異常をきたした結果発症する可能性が指摘されています[図 1]。
重症度は、皮疹の面積が10%を超える、精神的な影響が強い(DLQI:皮膚科 学的な生活の質を点数化したものが10点を超える)、全身の10%を超える皮 膚病変がある、重症な関節痛がある、膿疱性乾癬や乾癬性紅皮症である、などから判断され、これらは全身療法の適応です4)。
乾癬治療はガイドラインに沿って、まずはステロイドやビタミンD製剤の外用を丁寧に行います。皮疹が広範囲に及ぶ場合や重症度が高い場合、関節痛を伴う場合などは免疫抑制剤(ネオーラル®︎)、免疫調整剤(オテズラ®︎)、メトトレキサート(リウマトレックス®︎)の内服や、生物学的製剤(トルツ®︎やルミセフ®︎、トレムフィア®︎など11種類)から合併症や既往歴、病態や注射の方法などから患者さんと相談のうえ主治医が総合的に判断します[図 3]。
生物学的製剤やJAK阻害薬は先ほど述べたTNFαやIL-17、IL-23といった乾癬を発症、悪化させるシグナルのみをブロックするもので、さまざまな検査が必要となり 費用も高価なのですが、ほぼ症状を抑え込むことが可能です[図 4]。
また高額な治療になりますが様々な医療制度でこれを軽減することもできます。乾癬は治癒させることが難しいことが多く、継続的な治療が必要となりますから、症状を改善させたのちも何らかの治療を要することが多い疾患です。
乾癬とその合併症のコントロールが遅れると、関節症状を発症し変形を残したり、心筋梗塞を発症したり、精神状態にも影響を与えますので、早期に適切な治療を受け、乾癬と上手に付き合っていかれますことを願っています。
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