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「台風はどうやってできるの?」子供に聞かれたときの分かりやすい教え方

2022/10/05

9月は台風シーズンですね。台風の進路に当たってしまい園や学校がお休みになる地域もあるかと思います。

もし子供から「なんで台風が来るの?」「台風はどうやってできるの?」と聞かれたら、どう説明しますか?

今回は、幼児や小学生のママ・パパのため、小さな子にも分かりやすく台風の発生について説明するためのヒントをお届けします。

教え方その1:身近な例で説明

台風の発生のしくみについては、科学館に行くと模型などで分かりやすく学ぶことができますが、近くに科学館がなかったり、台風接近中で外出できないことも多いでしょう。

そんな時は、子供にとって身近な家にあるモノに例えると分かりやすく伝えられます。

台風の発生には、おもに次の3つの自然現象が関わっています。

  • 海水の蒸発
  • 上昇気流の発生
  • 雲の生成

そのほか、台風の渦巻きには地球の自転の影響で移動方向がずれる「コリオリの力」も働いているのですが、小さい子には(本人が興味を持った場合以外は)省略しても良いでしょう。

台風の発生は、暖かい南の海で、水蒸気が空に上がるところからスタートです。

お風呂や火にかけた鍋のお湯を見せて「なにが出てる?」と聞いてみましょう。(※安全には十分注意して下さいね)

「ゆげ!」

と子供が答えたらほめてあげて、次にその湯気は上下左右どっちに行くか聞いてみます。

「上!」

おそらくそう答えてくれるので、またほめてあげて下さいね。

「同じようなことが、暑い南の国の、海の上で起きているんだよ」と話してあげれば、海水の蒸発と上昇気流について理解できるでしょう。

その後「この湯気がお空の上でいっぱい集まったらなにになると思う?」と聞けば、きっと子供は「雲!」と答えてくれるはず。

「そうだね!雲が風で運ばれていくうちに仲間の雲さんが合体して、大きく大きくなるんだよ。そしてまわりの空気をどんどん吸い込んで、ぐるぐる回り始めて台風になるの。」

など、年齢に合わせた言葉で説明してあげるとよいですね。

教え方その2:絵本

台風のしくみや水のかたちの変化については、言葉だけでなく、絵を見ると子供にとってより理解しやすくなります。

台風が来そうな時は、図書館で絵本を借りて親子で読んでみませんか?

おすすめの絵本には次のような作品があります。

『かがくのとも たいふう』(野坂勇作/根元順吉 福音館書店)

1998年初版の古い絵本ですが、図書館などには比較的残っています。地上と上空の両方から見た台風が描かれているため、小さい子でも台風の全体像が理解できます。

『台風のついせき 竜巻のついきゅう』(かこさとし 小峰書店)

「だるまちゃん」シリーズで人気の絵本作家かこさとしさんが、台風や竜巻の発生や子供たちの疑問についてわかりやすく描いた作品です。

『台風とたつまきの大研究』(一般社団法人日本気象協会/吉田忠正 ポプラ社)

豊富な写真やイラストで台風のメカニズムを図解しています。特に小学生におすすめの1冊です。

教え方その3:子供向けの科学webサイト

台風で園や学校が休みになった場合、自宅でリモートワークを余儀なくされる親御さんもいらっしゃるでしょう。

お子さんとしてはママやパパが直接お話ししてくれるのが一番うれしいと思いますので、できるだけ休憩時間などに1の方法で説明してあげてほしいと思います。

でも、その上でまだお子さんが暇をもてあましている時や、もっと詳しく知りたがった時には、以下のようなwebサイトも活用してみてはいかがでしょうか。

特許庁のホームページ内にある子供向けのページで、さまざまな「回転」についての知識を学ぶことができます。

動画では「自然の回転」として、台風の発生のメカニズムが3分ほどのアニメーションで分かりやすく解説されています。

消防庁のホームページでは、台風をはじめ地震や津波などに対してどう行動すればいいのかが分かる、10分程度の子供向け動画が見られます。

後半では、災害を引き起こそうと企む大魔王に台風の知識クイズで挑戦するコーナーもあり、おもに小学校低学年のお子さんが楽しめそうな内容となっています。

おわりに

近年は台風に伴う水害のニュースも多く、電車が止まって通勤に支障が出ることもあり、お天気情報から目が離せないシーズンですね。

できれば台風には近付いてほしくないものですが、もしお子さんが興味を持ったときには、親子のコミュニケーションも兼ねて台風のしくみや危険を避ける方法をぜひ伝えてあげて下さいね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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