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熱中症に使える市販薬は?予防や対策方法、注意点を解説

2022/07/27

気温が高くなってくる季節は、とくに熱中症に気をつけたい時期です。令和3年のデータによると、7月には全国で21,372人、8月には17,579人が熱中症で救急搬送されています。

熱中症対策の基本は、体を冷やしてこまめに水分補給を行うことですが、軽い熱中症の場合は市販薬を使った対処も可能です。

今回は、どのような市販薬が熱中症に使えるのか、またどうすれば熱中症の予防ができるのかを解説します。

参考

熱中症で見られる症状

熱中症の重症度は、次のように3種類に大きくわけられます。熱中症になった場合、市販薬を使って対処ができるのは症状が軽い場合のみです。中度から重度の症状が出ている方は、すぐに医療機関を受診してください。

また軽度の場合でも体感としては、「これで軽度?」と言いたくなるほど体はつらい状態になります。軽度でも症状がつらいときは、早めに受診するようにしましょう。

軽度の熱中症

  • めまい
  • 立ちくらみ
  • 失神
  • 筋肉痛
  • 筋肉の硬直
  • 大量の発汗

中度の熱中症

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 倦怠感
  • 虚脱感

重度の熱中症

  • 意識障害
  • けいれん
  • 手足の運動障害
  • 高体温

簡単にできる熱中症対策

熱中症は、とにかく予防が大切です。下手をすれば命を落としてしまうこともありますので、気温が高い日はできる限りの対策を行って少しでも熱中症のリスクを下げましょう。

扇風機やエアコンで温度調整を行う

室内にいる場合は、扇風機やエアコンを使って室温を調整してください。電気代がもったいないからといって使わずにいると、熱中症の治療費で何千円、何万円とかかる場合もあるので注意しましょう。部屋に直射日光が入ってくる場合はカーテンを閉めておくのもおすすめです。

日傘や帽子を使う

屋外に出るときは、日傘や帽子を使って直射日光が当たらないように工夫をしましょう。とくに日傘は熱中症対策に有効です。遮光率が99%ある日傘を使うことで、汗の量が約17%も減ることがわかっています。帽子を使用する場合は汗がこもりやすくなるので、ときどき帽子を外して汗を逃がしてあげてください。

こまめに水分補給を行う

こまめな水分補給は、熱中症対策の基本です。外出する際は、必ず飲み物を持参しましょう。ポイントは、「のどの渇きを感じなくてもこまめに補給すること」。家にいるとついつい水分補給を忘れがちですが、こまめに飲むようにしましょう。

また、水分をどれだけ取っても塩分が不足すると熱中症になってしまうため、スポーツドリンクや経口補水液などの活用もおすすめです。

吸湿性・速乾性が高い衣服を身につける

体に熱がこもりやすい衣服は避け、通気性のよい衣服を身につけましょう。具体的には、吸水性と速乾性に優れている綿や麻、ポリエステルなどの素材が適しています。

ただし、黒い衣服は熱を吸収しやすいため、できるだけ黒以外の衣服を選ぶようにしてください。

熱中症になったら行うべきこと

では、もしも熱中症になってしまったらどのような対応をしたらよいのでしょうか。

風通しのよい涼しい場所に移動する

まずは、風通しがよく直射日光が当たらない涼しい場所に移動します。屋内で熱中症になった場合は、エアコンや扇風機をつけて室温を下げましょう。

体を冷やす

熱中症になると、体温が上昇することがあります。すぐに首回りや脇の下、足の付け根などを冷やして体温を下げましょう。重度の場合は40度を超えることもあるので、速やかに冷やすことが大切です。

水分補給を行う

その後、自分で水分を取れるようでしたらスポーツドリンクや経口補水液などを摂取してください。スポーツドリンクや経口補水液を飲んで「甘い」「おいしい」と感じるようでしたら、水分がたりていない証拠です。

自分で水分が摂れない場合は病院へ

吐き気や嘔吐の症状で水分の摂取が難しい場合は、すぐに医療機関を受診してください。点滴で水分を補ってもらいましょう。また、意識がもうろうとしており異常に体温が上がっている場合もすぐに受診してください。

救急車を呼んでも構いませんので、とにかく素早い対処が必要です。救急車を呼ぶべきか迷ったときは「♯7119」に電話をかけてください。救急車を呼ぶべきかどうかを専門家が判断してくれます。

熱中症に使える市販薬

めまいや立ちくらみ程度の軽い熱中症でしたら、市販薬でも対応ができます。体を冷やしたり水分補給を行ったりなどの基本的な対処をした後、下記に挙げるような市販薬を使うと症状が楽になりやすいでしょう。

サマレスゼリー

サマレスゼリーは、竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)エキスが配合された、水なしで服用できるゼリータイプの薬です。竹葉石膏湯には、熱を取り除いて体を冷まし、潤いを与える働きがあります。7歳から服用できるので、子供と外出するときに携帯しておくと安心です。

五苓散(ごれいさん)

水分代謝を改善することで、熱中症の症状をやわらげる漢方薬です。熱中症によるめまいや悪心、頭痛などに使用できます。

水分を体内に循環させる働きがあるため、熱中症になってからだけではなく、予防薬としても使用が可能です。気温が高い日に外出の予定がある方は、あらかじめ五苓散を服用してから出かけるのもよいでしょう。

六君子湯(りっくんしとう)

食欲がなく吐き気や嘔吐、倦怠感などに使える漢方薬です。熱中症の症状のうち、とくに胃腸症状が気になる方に効果があります。夏バテによる食欲低下にも効果的です。体力が中等度で胃腸が弱く、手足が冷えやすい方に向いています。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

補中益気湯は、体にエネルギーを補う漢方薬として広く使用されている漢方薬です。熱中症による症状はある程度落ち着いたものの、体のだるさや食欲不振などが長引いているときに使用されます。エネルギーを補う漢方薬ではありますが、もともと虚弱な方にはあまり向いていません。

熱中症対策に便利なアイテム

熱中症の予防や対策のために、次のようなアイテムを準備しておくのもおすすめです。

オーエスワン

オーエスワンを使えば、水分と塩分の両方をほどよく摂取できます。熱中症は塩分補給も大事なので、万が一のために自宅に常備しておくと安心でしょう。熱中症のときだけでなく、下痢や発熱のときなど、体調を崩したときにも使えます。

塩分タブレット

塩分が配合されたタブレットも上手に活用していきたいものです。いつでも素早く塩分を補給できるため、数粒だけでも持ち歩いておくようにしましょう。

ひんやりタオル

冷感効果が期待できるタオルが今ではいくつも販売されています。塗らして使うもの、冷蔵庫で冷やして使うものなどさまざまです。首元を冷やしておくだけでかなり快適に過ごせるでしょう。子供用から大人用のものまで販売されています。

熱中症で救急搬送される方の約60%は高齢者

実は、熱中症で救急搬送される方の多くは65歳以上の高齢者です。令和3年に熱中症で搬送された方のうち、56.3%は高齢者でした。高齢者は体温調節機能が落ちており、さらに暑さやのどの渇きを感じにくいことから、熱中症になりやすいのです。

ちなみに、熱中症の発生場所としてもっとも多いのは住居で、約40%の方は屋内にいながら熱中症になっています。暑さを感じなくても室内の温度が28度を上回っている場合はエアコンをつけ、こまめな水分摂取を心がけるようにしてください。

コロナ禍の夏…外でもマスクをすべき?

屋外の場合、会話をほとんどしないのであればマスクを着用する必要はありません。2m以上の距離を取れる場合もマスクは不要です。数年に及ぶコロナ禍の影響で、どんなに暑くてもマスクを着用して外を歩いている方が多いようです。

しかし、厚生労働省からは必要がない場合は熱中症予防のために屋外でのマスクは外すように推奨されています。屋外にいても会話をほとんど行わない方、会話をするとしても2m以上の距離を取れる方は無理にマスクを着用する必要はありません。

まとめ

気温が高くなってくる季節は、熱中症に気をつけましょう。室内にいるときは扇風機やエアコンで温度調節を行い、外出するときは日傘や帽子を使うようにしましょう。のどの渇きを感じる前にこまめに水分摂取を行うことも大切です。軽い熱中症の場合は、五苓散や六君子湯などを使うことで症状をやわらげられます。

しかし、意識がもうろうとしていたり口からの水分摂取が難しかったりする場合はすぐに医療機関を受診するようにしてください。熱中症は命に関わるものです。「自分は大丈夫」と思わず、できる対策は行っていきましょう。

 コラムニスト紹介

薬剤師ライター  岡本 妃香里 


薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。

「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」

こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。

市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。

そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。

【経歴・資格・所属学会】
薬学部薬学科を卒業後、大手ドラッグストアで薬剤師として勤務。調剤やOTC医薬品を担当する。2018年にフリーランスとして独立し、現在は育児をしながら執筆業に専念。医薬品や健康食品、サプリメントから美容系まで、暮らしを健康にする情報を発信している。化粧品検定1級、スポーツファーマシストの資格も取得。

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