大腸カメラとはどんな検査でしょうか?


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2021/03/31

こんにちは。今回は便潜血検査で陽性になった方、血便を認める方、下痢や便秘、腹痛を認める方に適応のある大腸カメラ(内視鏡)についてお話をさせていただきます。

また、その他の大腸の検査との違いについてもご紹介します。

大腸カメラは大腸のポリープやがん、炎症や出血を調べる検査

大腸カメラとは、ご存知の方も多いと思いますが、先端に小さなカメラがついた太さ1cmくらいの細い管をお尻から挿入し、大腸の内側を詳しく観察する検査です。検査によって、ポリープやがん、腸の炎症や腸からの出血を診断することができます。また、病変の一部を採取し顕微鏡で詳しく調べることや、同時にポリープやごく早期のがんを切除し治療することも可能です。

大腸がんに関しては、男女ともに罹患数や死亡数の順位が高く、40歳以上になると発症リスクが増加する傾向にあります。2020年に公開されたがんの統計では、2018年の女性のがん死亡数は大腸がんがもっとも多いといった結果が出ています。

大腸カメラについて

検査には腸の中を観察するため、事前に下剤を服用していただき、腸内を空にする必要があります。以前は前日に指定された検査食をとっていただいていましたが、最近は前日に消化の良いものを摂取することで検査食は必須ではなくなっています。多くの医療機関では、前日に下剤を服用していただき、当日はトータル1〜2L程度の下剤(腸管洗浄液)と水分をとっていただきます。当日の下剤の服用は自宅で服用可能な医療機関もありますし、下剤服用のための個室が用意されているところもあります。なお、当日の下剤は錠剤タイプのものもあります。

当日下剤を服用していただき、個人差はありますが3時間前後には腸内は綺麗になり、検査可能となります。検査は約20分前後、モニターを確認しながら検査を行うこともできますが、少しでも楽に検査をされたい方は鎮静剤や鎮痛剤を使用して、痛みを取りながら、少しうとうとしながら検査をすることもできる医療機関もあります。

大腸ポリープやがんに関しては、NBI(Narrow Band Imaging)やBLI(Blue Laser Imaging)といった特殊な光で観察することや、さらに画像を拡大して観察することで良悪性の診断やがんの根の深さを評価することもできます。

大腸カメラのメリット・デメリット

メリット

様々な大腸疾患の診断が可能
大腸がん以外にも、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、腸炎など様々な大腸疾患の診断をすることができます。
診断と同時に治療が可能
様々な大腸疾患の診断が可能ですが、と同時に(医療機関によりますが)ポリープや早期のがんの治療も可能です。

デメリット

身体への負担
内視鏡検査の前日から当日にかけて下剤を多量(1〜2L)に服用していただく必要があります。腸の中を空にするためには頻回の排便が必要です。また、検査自体も患者さんによっては疼痛を伴ったりします。
検査時間
大腸カメラ自体は検査のみであれば20分前後で終了しますが、下剤を服用するなどの前処置に3時間前後かかります。また、鎮静剤を使用した際には検査終了後に1時間程度の安静が必要です。多くの医療機関では午前中に下剤を服用し、午後から検査を行いますので半日以上時間がかかることになります。鎮静剤をご希望の方は自動車やバイクでの来院ができなくなりますので、公共の交通機関の利用や送迎の必要があります。
偶発症の危険性
大腸カメラを使用した検査では非常に稀ですが出血や穿孔を起こすケースがあります。大腸といった狭い管のなかをカメラが通ることで、カメラが腸管を当たったり、擦れたりすることで出血や穴が開いたりする危険性があります。検査や治療中に偶発的に起こる症状であり、偶発症と呼ばれます。さらに非常に稀なケースですが、緊急手術に至ることや死亡例も報告されているため、担当医から十分説明を受けていただき、メリット・デメリットを理解した上で検査を決めていただくのが良いと思います。

その他の検査について

大腸を調べるその他の検査をご紹介します。

便潜血検査

一般的に市区町村で行われる大腸がんを調べる検診にもなっており、便に血液がついているかどうかを調べる検査です。大腸がんを調べる検査ですが、痔や女性の生理でも陽性になることや、がんやポリープも出血していないと陰性になってしまいます。体の負担は全くない検査です。

腫瘍マーカー検査

血液検査で特定の物質を調べる検査です。がんを調べる検査ですが、早期がんではほとんど上昇しません。一般的に進行がんで上昇しますが、必ずしも上昇しません。採血をするだけであり、体の負担はほとんどない検査です。

腹部エコー検査(超音波検査)

お腹に超音波を当てて、肝臓や胆嚢、腎臓、小腸や大腸などを観察する検査です。体の負担は全くない検査ですが、小腸や大腸の観察は見えやすいや見えにくいといった個人差があります。腸炎や虫垂炎の評価が負担なくリアルタイムに評価できますが、よっぽど進行していない限り、大腸がんの検査には不向きです。

大腸CT検査(CTコロノグラフィ)

下剤を服用し腸を空にしたのち、大腸内にガスを入れて膨らませてからCTで撮影する検査です。主に大腸がんを調べます。カメラを挿入しないため体の負担は比較的少ない検査ですが、下剤の服用やガスで腸を膨らませることでお腹が張ったりする体への負担はあります。平坦な早期のがんやポリープは見つけにくいといったデメリット、医療被曝がわずかにあります。

大腸カプセル内視鏡

カプセル内視鏡で大腸のがんやポリープ、炎症や出血を調べます。
下剤を服用し腸を空にしたのち、カプセルを飲んでから腸の中を撮影し、のちに読影医がチェックします。カメラを挿入しないため体の負担は比較的少ない検査ですが、大腸カメラより多い量の下剤の服用が必要であり、平坦な早期のがんやポリープは見つけにくいといったデメリットもあります。2014年に保険適応となりましたが、当時の対象患者さんはかなり限定されていました。2020年4月には保険適応は拡大され、対象患者さんは以前より増えています。大学病院などの高度な医療機関などで行われています。

このように検査によって特徴は違いますが、どの検査で異常が見つかっても、いずれも精密検査として「大腸カメラ」が必要となります。

まとめ

以上、大腸カメラの概要とメリット・デメリット、そしてその他の大腸の検査についてもご紹介させていただきました。大腸カメラは精密検査としては必須になりますが、その他の検査もそれぞれ優れた点もあるため、担当医と十分相談していただき、ご本人にあった検査を決定していただけたらと思います。

 コラムニスト紹介

おんじ内科クリニック 院長  蔭地 啓市 


はじめまして。
このたび、JR海田市駅の近くの大正町におんじ内科クリニックを開院させて頂くこととなりました。勤務医では一般内科、胃・大腸内視鏡検査、超音波検査、消化器内科を診療し、広島大学病院では消化器内科領域、特に内視鏡検査や治療、超音波検査の臨床研究に携わっておりました。当内科クリニックでは、患者さんの精神的、肉体的に負担の少ない内視鏡検査を行い、がんや大腸ポリープの早期発見や早期治療に心がけていきます。また、東広島、呉市での地域医療の経験を生かし、一般内科や高血圧をはじめ脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の改善にも取り組んでまいります。
地域の皆様のかかりつけ医として身体の不調や健康面のことなどお気軽にご相談ください。

【経歴・資格・所属学会】
略歴:
1995年(H7)  英数学館高校 卒業
2002年(H14) 福岡大学医学部 卒業
2002年(H14) 広島大学医学部付属病院 内科
2004年(H16) 東広島医療センター 消化器科
2007年(H19) 広島大学病院 消化器・代謝内科
2008年(H20) 広島大学 大学院 
2012年(H24) 呉市医師会病院 内科主任医長
2017年(H29) 同院 内科部長

専門医資格:
医学博士 (学位:大腸癌の診断について;拡大内視鏡診断、超音波診断)
日本内科学会 総合内科専門医
日本消化器病学会 専門医、指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医、指導医
日本肝臓学会 専門医
日本消化管学会 専門医、指導医

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