2026/03/24

年度変わりの3月は、転勤に伴うお子さんの転校もピークのシーズンです。ママやパパも引っ越しで大変慌ただしいですが、お子さんもまた、友達と離れたり新しい環境に慣れたりと負担が大きいもの。そんな転校の前後で気をつけてあげたい「子どもの心のケア」について、体験談も参考に紹介します。

転校で子どもたちが感じたこと

ひとことで転校といっても、お子さんの年齢や性格、転校前の状況などによって感じ方は十人十色です。

以下は、自身が子どもの頃に転校経験のあるママ・パパ100人へのアンケートですが、平気だったという人から二度と嫌だという人までさまざま。

  • 色々な気候風土や文化に触れて経験豊富になった
  • 少し荒れている学校から平和な学校に転校してほっとした
  • 弟はすぐ新しい学校の方がいいと言っていたが自分はかなり転校の寂しさを引きずった
  • また離れるのが悲しいので、友達ができてもあまり深く付き合わないようになった
  • 幼馴染がいないのだけ残念
  • 親が家を買い、この後はパパの転勤があっても単身赴任だよと聞いた時はうれしかった
  • 自分が寂しい思いをしたので、転校してきた子に優しくしようと思った
  • 3回転校してとても辛かったので、転勤のない自営業の夫と結婚した

ただ、全体の約8割(82人)が、大小はあれど「転校にともなって辛いことや嫌なことがあった」と回答しています。

「すぐになじんで、子どもの順応性って高いよね」とよく言われますが、たとえ大人からそう見えても、子どもたちに全くストレスがないわけではないことを意識しておきたいですね。

転校を伝えるタイミング

転勤やマイホーム購入などで転校が決まったら「あまり早く伝えると、悲しい時間が長くなるのでは?」と思うかもしれません。

しかし、基本的にはできるだけ早く伝えるのがおすすめです。

大人でも「次があるから」と思って軽く流したことが、実は最後の1回だったと後で気付き、後悔することはありませんか?

子どもも同じで、.学校行事や友達との時間も、ギリギリになって知るより、心の準備をして思い残すことがないように過ごせる方が良いからです。

「内示から1カ月で引っ越し」などであればすぐに伝えます。半年程度の余裕があれば「習い事の発表会が終わってから」くらいのタイミングを見てもよいですが、それでもできるだけ早めに伝えましょう。

転校が決まったら、お子さんにかける言葉

どんなに活発で社交的な子でも、転校は期待より不安の方が大きいのが普通です。

もし、ママやパパに転校の経験があるなら、その中で「よかったこと」をメインに話してあげるといいですね。

「分からないことがあっても、みんな転校生には優しいから大丈夫だよ」
「最初の学校では恥ずかしがり屋だったけど、転校先では少しだけ大きな声で話そうって決めて、やってみたらできたんだ」

また「緊張していろいろ思ったようにできなくても、先生が見ていてくれるからね」「友達は急にたくさん作らなくても、ゆっくりで大丈夫」など、プレッシャーをやわらげるような言葉もかけてあげましょう。

転校先の学校に聞いておきたいこと

転校先の学校とは、事務手続きで何度かやりとりする機会がありますので、以下のような点を確認しておくと安心です。

  • 転校生が多いのか少ないのか
  • クラス替えは毎年あるのか、1年おきか
  • 授業の進度や教科書の違い

特定のスポーツや競技に力を入れている学校も意外と多く、「水泳は〇年生で〇メートル」「全員一輪車に乗れる」などがあります。「新しい学校では特別がんばってるんだって」と伝えておくと、お子さんが驚かなくて済みますね。

アレルギーなど身体的な注意点は必ず聞かれますが、発達の特性や「大きな音が少し苦手」といったメンタル面の特徴も、口頭ではなく、お手紙など文書で渡しておくことをおすすめします。

転校後もしばらくは様子を見よう

転校直後は、クラスメイトも珍しさから集まってきて、話しかけたり世話を焼いてくれたりします。

一方で、学校指定の体操服や道具箱などのデザイン、発音のアクセント、じゃんけんのルールなど細かい違いをあれこれ言われることも。

低学年では悪意はないこともありますが、傷ついてしまう子もいますし、そうでなくてもなにかと気を使って疲れています。

ママやパパも、引っ越しの後片付けや手続きで非常にあわただしい時期ではあるものの、お風呂などでゆっくり話を聞く時間を意識的に作ってあげたいですね。

また「なにかあったらいつでも教えてね」と話しやすい空気を作っておくことも大切です。

もし「こんなことを言われた」とか「寂しい」などの話が出たら、アドバイスや否定をせずに最後まで聞きましょう。今すぐの解決策がなくても「教えてくれてありがとう」「慣れない新しい学校、頑張ってるよね」など気持ちに寄り添ってあげてくださいね。

気になることがあれば早めに担任の先生にも連絡帳などで伝えておくと、様子を見てもらえます。

「転校生ブームが去った後、以前からの固定グループに戻ってしまい、仲間に入れなくなった」という体験談も寄せられていますので、転校後もしばらくは、笑顔が減っていないか、いつもより気をつけて様子を見てあげましょう。

前の学校の友達と会いたがったら、可能なら夏休みなどを利用して訪れるのもよいですね。

おわりに

転校はほとんどの子にとって大きな試練ですが、ママやパパに支えてもらえることがお子さんの一番の力になると思います。新しい環境に慣れるまで、できるだけたくさん話を聞いてあげてくださいね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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