円形脱毛症に効く市販薬はある?選び方とおすすめ製品を徹底解説!

2025/10/17

円形脱毛症に悩んでいても、忙しくて病院に行けず、市販薬でどうにかできないかと考えていませんか?

「どの薬を選べばいいのか分からない」「本当に効くのか不安」などの悩みを抱える方は少なくありません。市販薬は、正しく選び、適切に使えば円形脱毛症の改善に役立つ可能性があります。

この記事では、円形脱毛症に効果が期待できる市販薬を知りたい方に向けて、薬の種類や選び方などを詳しく解説します。

円形脱毛症とは

円形脱毛症とは、頭皮の一部に脱毛が突然起こる自己免疫疾患の一種です。硬貨ほどの大きさで毛髪がごっそり抜け落ちることが多く、進行すると複数箇所に広がったり、頭部全体に症状が及んだりすることもあります。

円形脱毛症の症状

円形脱毛症の最も特徴的な症状は、円形または楕円形に髪の毛が抜け落ちる脱毛斑ができることです。脱毛は頭部に発生することが多いですが、睫毛や眉毛、体毛にまで及ぶこともあります。

脱毛範囲や進行速度には個人差があり、軽症で自然に回復するケースから、脱毛が全身に広がる重症例までさまざまです。

円形脱毛症の原因

円形脱毛症の原因としては、自己免疫の異常が最も有力とされています。通常、免疫細胞は、ウイルスや細菌などの外敵を攻撃しますが、円形脱毛症ではこれが誤って自分の毛包を攻撃してしまうのです。

従来、円形脱毛症はストレスが原因だといわれていました。しかし、ストレスが少ないはずの乳幼児でも重症例が見られることから、この考え方は必ずしも正しくないと考えられています。

円形脱毛症の主な治療方法

円形脱毛症の治療には、複数の方法があります。ここでは、下記の代表的な3つの治療法について見ていきましょう。

  • ステロイド局所注射
  • 局所免疫療法
  • ステロイド外用療法

ステロイド局所注射

ステロイド局所注射は、「円形脱毛症診療ガイドライン 2024」で推奨度1(強い推奨)に分類されている治療法です。

ステロイドには炎症や免疫機能を抑える働きがあり、これを脱毛斑に直接注入して治療を行います。小さな脱毛斑が数か所あるような軽症から中等症の患者に適しており、比較的高い効果が期待できることが特徴です。

ただし、注射時の痛みや注射部位の陥没などが起こることもあります。

局所免疫療法

局所免疫療法は、保険適用となりませんが年齢を問わず治療を行えます。人工的にかぶれを起こす物質を脱毛部位に塗布し、発毛を促す治療法です。

ススクアレン酸ジブチルエステルやジフェニルシクロプロペノンなどの薬剤が用いられます。効果の高い治療法ですが、かぶれや蕁麻疹などの副作用を生じることもあります。

ステロイド外用療法

「strong」「very strong」「strongest」クラスのステロイド外用剤を患部に塗布する治療法です。軽症から中等症の方に発毛効果が見られるとされています。

簡単に行える治療法ですが、痤瘡や毛包炎ができることもあります。また、長期間にわたって使用すると、皮膚の萎縮や血管拡張などを生じる恐れもあるため、漫然と使用するのは推奨されません。

円形脱毛症の治療に使える市販薬の選び方

円形脱毛症に対応した市販薬には、塗り薬(外用薬)と飲み薬(内服薬)の2つのタイプがあります。外用薬は患部に直接働きかけ、毛根へのアプローチを目的としたものです。内服薬は、体内から発毛環境を整える作用を持ちます。

患部に直接効かせたいなら「塗り薬」

患部に直接作用させたいなら、塗り薬が適しています。塗り薬は頭皮の毛母細胞に局所的に働きかけ、発毛を促す成分が配合されているものがほとんどです。即効性はありませんが、一定期間継続して使用することで症状の改善が見られるでしょう。

健康な髪の毛が生えやすい環境を内側から整えたいなら「飲み薬」

頭皮の血行不良や栄養不足など、内的要因が円形脱毛症に関与している場合には、飲み薬タイプの市販薬が有効です。

体の内側から作用し、発毛に必要な栄養素などを補うことで、頭皮の健康状態を整える効果が期待されます。こちらも即効性は乏しく、数カ月単位での継続が必要です。

円形脱毛症の治療に使える市販薬

ここからは、円形脱毛症への効能効果を持つ市販薬を5つ紹介します。それぞれの用法用量や特徴を解説しているので参考にしてみてください。

カロヤン プログレ EX O

15歳以上から使用できる、頭皮がベタつきやすい方向けの塗り薬です。血行を促進するカルプロニウム塩化物水和物、毛乳頭細胞を活性化するチクセツニンジンチンキなど全部で7種類の成分が配合されています。髪の毛が生え変わるには時間がかかるため、まずは6カ月続けて使用しましょう。

有効成分 ●カルプロニウム塩化物水和物
●チクセツニンジンチンキ
●カシュウチンキ
●ピリドキシン塩酸塩
●ヒノキチオール
●パントテニールエチルエーテル
●l-メントール
効能効果 ●壮年性脱毛症、円形脱毛症、びまん性脱毛症、粃糠(ひこう)性脱毛症
●発毛促進、育毛、脱毛(抜毛)の予防、薄毛
●ふけ、かゆみ
●病後・産後の脱毛
用法用量 1日数回、適量を患部に塗布するか、またはガーゼ、布などに塗布して患部にあててください。
公式サイト:カロヤン プログレ EX O

カロヤン プログレ EX D

頭皮が乾燥しやすい方向けの塗り薬です。カサカサしたフケやかゆみが出る方に向いています。血行を促進するカルプロニウム塩化物水和物、毛乳頭細胞を活性化するチクセツニンジンエキスなど6種類の成分が配合されています。こちらもまずは、6カ月続けて使用しましょう。

有効成分 ●カルプロニウム塩化物水和物
●チクセツニンジンチンキ
●パントテニールエチルエーテル
●l-メントール
効能効果 ●壮年性脱毛症、円形脱毛症、びまん性脱毛症、粃糠(ひこう)性脱毛症
●発毛促進、育毛、脱毛(抜毛)の予防、薄毛
●ふけ、かゆみ
●病後・産後の脱毛
用法用量 15歳以上:1日2回、1回2mlを頭髪地肌にすりこむ。
公式サイト:カロヤン プログレ EX D

ハツモールSP無香料

手を汚さずさっと使えるスプレータイプの塗り薬です。15歳未満の小児にも使用できます。ただし、l-メントールが入っており清涼感があるため、スースーするのが苦手な小児は使用を避けてください。

有効成分 ●カルプロニウム塩化物
●ジフェンヒドラミン塩酸塩
●サリチル酸
●パントテニールエチルエーテル
●l-メントール
効能効果 脱毛(抜毛)の予防、育毛、発毛促進、若禿(壮年性脱毛症)、薄毛、ふけ、かゆみ、病後・産後の脱毛、円形脱毛症、びまん性脱毛症、粃糠(ひこう)性脱毛症
用法用量 1日2~3回、1回10~15プッシュを頭皮にスプレーする。
公式サイト:ハツモールSP無香料

ハツモール・ヘアグロアーS

女性ホルモンであるエストラジオール安息香酸エステルが主成分の塗り薬です。ホルモンバランスを整え、症状を改善する効果が期待できます。抗炎症作用があるヒドロコルチゾンが配合されているのも特徴です。こちらも小児から使用できます。

有効成分 ●エストラジオール安息香酸エステル
●ジフェンヒドラミン塩酸塩
●ピリドキシン塩酸塩
●トコフェロール酢酸エステル
●パントテン酸カルシウム
●サリチル酸
●ヒドロコルチゾン
●レゾルシン
●ヒノキチオール
●l-メントール
●トウガラシチンキ
効能効果 若禿、粃糠(ひこう)性脱毛症、円形脱毛症、発毛促進、脱毛の予防、薄毛、生え際の薄毛、ふけ・かゆみ、病後・産後の脱毛
用法用量 1日2~3回、1回2~3mlを頭皮にふりかける。

ハツモール・内服錠

市販薬で唯一の飲み薬タイプの発毛促進剤です。脱毛症に効果が認められている生薬やビタミンが10種類配合されています。毛乳頭の内部から血行を促進し、さらに栄養障害を改善する効果があることが特徴です。

有効成分 ●カンゾウ末
●イノシトールヘキサニコチン酸エステル
●セファランチン
●アリメマジン酒石酸塩
●パントテン酸カルシウム
●チアミン塩化物塩酸塩(ビタミンB1)
●リボフラビン(ビタミンB2)
●ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6)
●アスコルビン酸(ビタミンC)
●ニコチン酸アミド
効能効果 粃糠性(ひこう)脱毛症、円形脱毛症
用法用量 15歳以上:6錠を水またはお湯で2~3回に分けて服用してください。
公式サイト:ハツモール・内服錠

このようなときは受診しよう

以下のような症状があるときは、早めに皮膚科を受診してください。

  • 市販薬でのセルフケアを続けていても症状の改善が見られない
  • 脱毛範囲が急激に広がる
  • 髪の毛全体が薄くなっている
  • 睫毛や眉毛、体毛に脱毛の症状が出ている

自己判断で市販薬を使い続けることに不安を感じたときや、使用によって副作用が疑われる場合も早めの受診が推奨されます。

円形脱毛症の市販薬に関するよくある質問

最後に、円形脱毛症の市販薬に関するよくある質問にお答えします。

円形脱毛症にリンデロンは効果がありますか?

円形脱毛症に対して、ステロイド成分を含むリンデロンが処方されることがあります。ただし、市販のリンデロンVsシリーズは円形脱毛症に使用できないので注意してください。

円形脱毛症に効く食べ物はありますか?

特定の食品だけで円形脱毛症を治療することはできません。ただし、タンパク質やビタミンB群、亜鉛など髪の毛の健康を保つ栄養素の摂取は、予防や回復のサポートになります。

円形脱毛症はストレスが原因ですか?

円形脱毛症は自己免疫の異常が原因だと考えられています。ストレスも一つの原因とされていましたが、すべての患者がストレスによって発症するわけではなく、遺伝的要因や他の疾患との関連が見られる場合もあります。

まとめ

円形脱毛症は、市販薬を使ったセルフケアで対処できるケースもあります。市販薬には患部に直接塗布するタイプと、体の内側から栄養を補う内服タイプがあり、それぞれの特徴を理解して自分に合ったものを選ぶことが大切です。

ただし、進行が早い、脱毛範囲が広い、症状が長引くといった場合は、市販薬に頼りすぎず早めに皮膚科を受診しましょう。

コラムニスト

薬剤師ライター  岡本 妃香里 

薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。

「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」

こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。

市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。

そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。

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