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市販薬のビオフェルミンの種類や効果は?違いを徹底比較

2023/04/17

「ビオフェルミン」と名前がつく市販薬には、現在9つもの種類があります。

どれにどのような特徴や効果があるのかわからず、選ぶときに困っている方が多いのではないでしょうか。

ビオフェルミンは整腸剤として良く知られていますが、選び方を間違えると便秘や下痢の症状がひどくなってしまう恐れがあります。

今回は、市販のビオフェルミンの種類や効果、違いについて詳しく見ていきましょう。医療用のビオフェルとの違いについても解説しているので、こちらも参考にしてみてください。

市販のビオフェルミンは9種類ある

2023年3月時点で、市販のビオフェルミンには9種類の商品があります。それぞれの特徴をまずは簡単に見ていきましょう。

新ビオフェルミンS錠

もっともメジャーなビオフェルミンが、こちらの「新ビオフェルミンS錠」ではないでしょうか。錠剤タイプの整腸剤で、ビフィズス菌やフェーカリス菌などが配合されています。便秘にも軟便にも効果を発揮する便利な整腸剤です。

有効成分 コンク・ビフィズス菌末
コンク・フェーカリス菌末
コンク・アシドフィルス菌末
公式サイト:新ビオフェルミンS錠

新ビオフェルミンS細粒

新ビオフェルミンS錠を粉状にしたものが、新ビオフェルミンS細粒です。配合成分は新ビオフェルミンS錠と変わりありません。生後3か月の赤ちゃんから服用できます。わずかに甘みがあり細粒タイプになっているため、小さな子どもでも無理なく服用できるでしょう。

有効成分 コンク・ビフィズス菌末
コンク・フェーカリス菌末
コンク・アシドフィルス菌末

新ビオフェルミンSプラス錠

新ビオフェルミンS錠/細粒の成分にプラスしてロンガム菌が配合されたものです。ロンガム菌は大腸に住み着く性質があり、悪玉菌を減らして腸内フローラを整える働きがあります。より多くの乳酸菌を摂取したい方向けの商品です。

有効成分 ビフィズス菌
ロンガム菌
フェーカリス菌
アシドフィルス菌

新ビオフェルミンSプラス細粒

新ビオフェルミンSプラス錠を小さな子どもでも飲みやすいように細粒状にしたものです。錠剤は5歳からしか服用できませんが、こちらの細粒タイプは生後3か月から服用できます。

有効成分 ビフィズス菌
ロンガム菌
フェーカリス菌
アシドフィルス菌

ビオフェルミンVC

乳酸菌に加えて、ビタミンCとビタミンB2、ビタミンB6が配合された整腸剤です。ビタミンが悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌を増やす働きをサポートしてくれます。悪玉菌や善玉菌のバランスが気になる方向けの商品です。

有効成分 ビフィズス菌
ラクトミン
ビタミンC
ビタミンB2
ビタミンB6
公式サイト:ビオフェルミンVC

ビオフェルミンぽっこり整腸チュアブル

お腹にガスが溜まりやすい方向けの整腸剤です。腸内環境を整えるビフィズス菌やラクトミン、腸に溜まったガスの気泡を潰してハリを改善するジメチルポリシロキサンなどが配合されています。チュアブル錠なので、お腹のハリが気になったときに水なしで服用できることが特徴です。

有効成分 ビフィズス菌
ラクトミン
ケツメイシエキス
ジメチルポリシロキサン
パントテン酸カルシウム

ビオフェルミン酸化マグネシウム便秘薬

ビオフェルミン酸化マグネシウム便秘薬は、便秘が気になる方向けの商品です。主成分の酸化マグネシウムが腸に水分を集めて便をやわらかくし、排便をスムーズにします。腸を刺激するタイプの下剤とは異なり、クセになりにくいことが特徴です。

有効成分 酸化マグネシウム
ラクトミン

ビオフェルミン下痢止め

下痢をすぐに止めたい方向けの商品です。腹痛をやわらげるシャクヤクエキス、腸の過剰な運動を抑えるロートエキス、腸内環境を整えるビフィズス菌などが配合されています。

有効成分 タンニン酸ベルベリン
ゲンノショウコ乾燥エキス
ロートエキス
シャクヤクエキス
ビフィズス菌

ビオフェルミン止瀉薬

ビオフェルミン下痢止めと同じく、下痢を止めたい方向けの商品です。タンニン酸アルブミンが傷んだ腸粘膜を保護し、ロートエキスが腸の過剰な運動を抑えます。ビオフェルミン下痢止めは11歳からしか飲めませんが、こちらのビオフェルミン止瀉薬は5歳から服用可能です。

有効成分 タンニン酸アルブミン
ゲンノショウコエキス
ロートエキス
フェーカリス菌末
公式サイト:ビオフェルミン止瀉薬

市販のビオフェルミンの選び方

市販のビオフェルミンを選ぶ際は、次の6つのポイントを参考に選んでみましょう。

一般的な整腸剤がほしい方は「新ビオフェルミンS錠/細粒」

「とりあえず何か整腸剤が欲しい」「売れている商品を使いたい」という方は、新ビオフェルミンS錠または新ビオフェルミンS細粒がおすすめです。数あるビオフェルミンのシリーズのなかでももっともメジャーで、多くの方に選ばれています。

乳酸菌の種類が多いものが良い方は「新ビオフェルミンSプラス錠/細粒」

できるだけ多くの乳酸菌を摂取したい方は、新ビオフェルミンSプラス錠または新ビオフェルミンSプラス細粒がおすすめです。従来の新ビオフェルミンS錠/細粒にプラスして悪玉菌を減らす効果のあるロンガム菌が配合されています。

悪玉菌が気になる方は「ビオフェルミンVC」

悪玉菌を減らして腸内環境を整えたい方は、ビオフェルミンVCを選ぶとよいでしょう。ビフィズス菌やラクトミンのほか、悪玉菌の増殖を抑えるビタミンC、善玉菌をサポートするビタミンB6、ビフィズス菌の増殖を助けるビタミンB2が配合されています。

ガスだまりが気になる方は「ビオフェルミンぽっこり整腸チュアブル」

お腹にガスが溜まってつらい、ハリを改善したいという方は、ビオフェルミンぽっこり整腸チュアブルがおすすめです。ガスだまりを潰してハリを改善するジメチルポリシロキサンや、腸内環境を整えるビフィズス菌などが配合されています。

便秘を改善したい方は「ビオフェルミン酸化マグネシウム便秘薬」

お腹が痛くなりにくい便秘薬をお探しの方は、ビオフェルミン酸化マグネシウム便秘薬を選ぶとよいでしょう。腸に水分を集めて便をやわらかくする酸化マグネシウムと、腸内環境を整えるラクトミンが配合されています。

下痢を止めたい方は「ビオフェルミン下痢止め」「ビオフェルミン止瀉薬」

下痢が気になる方には、ビオフェルミン下痢止めやビオフェルミン止瀉薬がおすすめです。

どちらも効果に大差はありませんが、ビオフェルミン下痢止めには腸の粘膜を保護するタンニン酸ベルベリンが配合されているので、ややこちらのほうが効果が高いと言えるでしょう。

子どもに使いたい場合は、5歳から服用できるビオフェルミン止瀉薬が便利です。

市販と医療用のビオフェルミンは何が違うの?

医療機関を受診するとビオフェルミンが処方されることがあります。医療用のビオフェルミンと市販薬とでは何か違いがあるのでしょうか。

医療用のビオフェルミンには4種類ある

医療用のビオフェルミンには4種類あります。便秘や下痢をしているときにはビオフェルミン錠剤やビオフェルミン配合散が処方されることが多いでしょう。抗生物質と一緒に飲む場合は、ビオフェルミンRやビオフェルミンRや散が処方されます。

ビオフェルミン錠剤ビフィズス菌
ビオフェルミン配合散ラクトミン、糖化菌
ビオフェルミンR耐性乳酸菌
ビオフェルミンR散耐性乳酸菌

「ビオフェルミン配合錠」と同じ成分を含む市販薬

ビフィズス菌を含む市販薬は多くありますが、ビオフェルミン配合錠のようにラクトミンや糖化菌が主成分のものは市販にはありません。

しかし、ラクトミンと糖化菌に加えてほかの成分も配合されている整腸剤でしたら市販でも取り扱いがあります。代表的なのが次の2つです。

  • ビオスリーHi錠
  • ビオスリーH

ビオスリーHi錠とビオスリーHには、ラクトミンと糖化菌に加えて酪酸菌が配合されています。

このような症状があったら早めに受診しよう

次のような症状がある場合は、市販薬に頼らず医療機関を受診するようにしましょう。

  • 下痢と便秘を何度も繰り返している
  • 強い腹痛が6時間以上続いている
  • 便秘が続き吐き気が出ている
  • 腹痛に加えて血便がある

まとめ

市販のビオフェルミンには9種類もの商品があります。一般的な整腸剤がほしい方は「新ビオフェルミンS錠/細粒」、ガスだまりが気になる方は「ビオフェルミンぽっこり整腸チュアブル」、便秘を改善したいなら「ビオフェルミン酸化マグネシウム便秘薬」など、用途に合わせて選びましょう。

下痢と便秘を繰り返していたり血便もあったりする場合は、医療機関での治療が必要となる場合がありますので、早めに受診して検査してもらいましょう。

コラムニスト

薬剤師ライター  岡本 妃香里 

薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。

「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」

こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。

市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。

そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。

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