「リンデロンは市販で買えるの?」「種類ごとの違いが分からない」「医療用と市販薬は同じ?」など、お悩みではありませんか?
リンデロンという名前の薬が多くあることから、どれを選んだらよいのか迷っている方も多いでしょう。
この記事では、市販で購入できる「リンデロンVsシリーズ」の種類と特徴、処方薬との違いなどについて詳しく解説します。リンデロンを使用するときの注意点も紹介しているので、参考にご覧ください。
市販されているリンデロンは、「リンデロンVsシリーズ」が中心となります。これらはすべて一般用医薬品として薬局やドラッグストアで購入でき、医師の処方箋なしで使用できる点が特徴です。現在は、以下の5つの種類が販売されています。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
ステロイド成分であるベタメタゾン吉草酸エステルに加えて、皮膚の修復を助けるアラントイン、血流を良くするトコフェロール酢酸エステル、殺菌作用があるイソプロピルメチルフェノールが配合された軟膏です。
有効成分 ●ベタメタゾン吉草酸エステル
●アラントイン
●トコフェロール酢酸エステル
●イソプロピルメチルフェノール効能効果 しっしん、皮ふ炎、虫さされ、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、じんましん 用法用量 1日1回~数回、適量を患部に塗布してください。 公式サイト:リンデロンVsプレミアム軟膏
処方薬の「リンデロンV」とまったく同じ成分が同じ量だけ配合された市販薬です。ステロイド成分のベタメタゾン吉草酸エステルが炎症を抑え、湿疹や蕁麻疹などの症状を抑えます。
有効成分 ●ベタメタゾン吉草酸エステル 効能効果 しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん 用法用量 1日1回~数回、適量を患部に塗布してください。 公式サイト:リンデロンVsプレミアム軟膏
「リンデロンVsプレミアム軟膏」と同じ成分が配合されたクリームタイプの市販薬です。全4種類の有効成分を配合することで、総合的に皮膚の症状を緩和します。
有効成分 ●ベタメタゾン吉草酸エステル
●アラントイン
●トコフェロール酢酸エステル
●イソプロピルメチルフェノール効能効果 しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん 用法用量 1日1回~数回、適量を患部に塗布してください。 公式サイト:リンデロンVsプレミアムクリーム
「リンデロンVs軟膏」と同じ成分が配合された、クリームタイプの市販薬です。有効成分のベタメタゾン吉草酸エステルが患部の炎症やかゆみを取り除き、症状を緩和します。
有効成分 ●ベタメタゾン吉草酸エステル 効能効果 しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん 用法用量 1日1回~数回、適量を患部に塗布してください。 公式サイト:リンデロンVsクリーム
乳液タイプの塗り薬です。伸びがよくベタつきにくいため、頭皮やワキなどにも使いやすくなっています。成分は「リンデロンVs軟膏」「リンデロンVsクリーム」と同じです。
有効成分 ●ベタメタゾン吉草酸エステル 効能効果 しっしん、皮ふ炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん 用法用量 1日1回~数回、適量を患部に塗布してください。 公式サイト:リンデロンVsローション
リンデロンには、病院で処方される医療用と、市販されている一般用医薬品があります。
どちらもステロイドを有効成分とする外用薬ですが、作用の強さや配合されている成分、使用できる部位などに違いがあるため、同じように考えて使用するのは適切ではありません。
ステロイドの強さは、以下の5つに分類されます。
下記の表のように、処方薬のリンデロンにはベリーストロング、ストロング、ウィークがありますが、市販薬はストロングに該当するものしかありません。
| ステロイドの強さ | 処方薬 | 市販薬 |
|---|---|---|
| ストロンゲスト | ||
| ベリーストロング | リンデロンDP | |
| ストロング |
●リンデロンV ●リンデロンVG |
●リンデロンVsプレミアム軟膏 ●リンデロンVs軟膏 ●リンデロンVsプレミアムクリーム ●リンデロンVsクリーム ●リンデロンVsローション |
| ミディアム | ||
| ウィーク | リンデロンA |
成分面でも、処方薬と市販薬には違いがあります。それぞれの成分は、以下の通りです。
| リンデロンDP | ベタメタゾンジプロピオン酸エステル |
|---|---|
| リンデロンV | ベタメタゾン吉草酸エステル |
| リンデロンVG | ベタメタゾン吉草酸エステル、ゲンタマイシン硫酸塩 |
| リンデロンA | ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム、フラジオマイシン硫酸塩 |
|
●リンデロンVsプレミアム軟膏 ●リンデロンVs軟膏 ●リンデロンVsプレミアムクリーム ●リンデロンVsクリーム ●リンデロンVsローション |
ベタメタゾン吉草酸エステル |
|---|
処方薬のリンデロンVGとリンデロンAには、ステロイド成分に加えて抗生物質も配合されています。
医療用のリンデロンは、医師の指導のもと症状のある部位に応じて幅広く使用されます。顔や首、陰部などデリケートな部位にも処方される場合がありますが、これは使用期間や部位を医師が厳密に管理しているからです。
一方、市販のリンデロンは基本的に体幹や四肢などに使用することを前提としており、使用部位には制限があります。
医療用のリンデロンは、症状の重さに応じて医師が使用期間を調整しながら処方します。数週間にわたり使用するケースも少なくありません。
市販薬のリンデロンは、短期間での使用を前提としており、長期間にわたって毎日使用するのは避ける必要があります。
原則として、5~6日使用しても症状がよくならない場合は、皮膚科を受診しましょう。
市販のリンデロンは、手軽に入手でき、軽度の炎症やかゆみを抑えるのに役立ちますが、誤った使い方をすると、副作用や症状の悪化を招く恐れがあります。
ここでは、市販薬のリンデロンを安全に使うために押さえておきたい3つの注意点について解説します。
リンデロンはステロイドを含むため、大量に使用したり長期間にわたって連続して塗布したりすると、副作用のリスクが高まります。例えば皮膚が薄くなってしまったり、毛細血管が拡張して皮膚が赤くなったりする場合があるのです。
市販薬は軽い症状を一時的に抑える目的で作られているため、5~6日使っても症状が改善しない場合は、皮膚科医に相談しましょう。
リンデロンは炎症やかゆみを抑える薬であり、化粧下地やスキンケア用品の代わりとして使用するのは不適切です。
特にひげそり後や乾燥した肌に保湿目的で使用するのは避けましょう。ステロイドの外用薬は、必要なときに必要な部位へ適量を塗布することが基本です。
リンデロンを含むステロイド外用薬は、目やその周囲に使用するのは避けなければなりません。目の周りは皮膚が薄く、ステロイドの影響を受けやすいため、副作用が起こる可能性があります。
また、長期間目やその周囲に使用すると、緑内障や白内障などの病気を引き起こすことがあります。顔の炎症が気になる場合は、医師の診察を受けて適切な薬を処方してもらいましょう。
最後に、市販薬のリンデロンに関するよくある質問にお答えします。
リンデロンVGは市販されていません。他のシリーズにはなりますが、「ベトネベートN軟膏AS」には、ステロイドと抗生物質の両方が配合されているため、リンデロンVGの代わりに使用しやすいでしょう。
リンデロンVsにはベタメタゾン吉草酸エステル、フルコートfにはフルオシノロンアセトニドがステロイド成分として配合されています。どちらもストロングタイプに該当するもので、大きな違いはありません。
市販のリンデロンVsは、陰部にも使用できます。ただし、粘膜には塗布しないようにしてください。
市販のリンデロンは、軽度の皮膚炎や湿疹などに対して手軽に使える一方で、医療用とは成分や強さが異なる場合があります。
市販されているのは「リンデロンVsシリーズ」であり、医療用の「リンデロンV」と同様の成分を含むものです。処方薬であるリンデロンVGをはじめ、その他の種類は市販では購入できません。
リンデロンVsを5~6日使用しても症状の改善が見られない場合は、皮膚科を受診しましょう。市販でリンデロンが購入できるのは非常に便利ですが、適切な使い方を理解し、正しく活用することが重要です。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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