「保育園見学はいつがベスト?」夏に行くのがおすすめの理由

2025/07/07

来年の4月に保育園入園を考えているご家庭では、秋の申し込みに向け、そろそろ本格的に第一希望の園をどこにするか検討している時期ではないでしょうか?

園選びには早めの情報収集が欠かせませんが、なかでも重要な「見学」は、夏に行くのがもっともおすすめといわれています。

今回は、保育園の見学はなぜ夏が良いのか・おすすめの時間帯・見学時のポイントなど、知っておきたい知識をまとめました。

保育園検討のスケジュールから考えて、見学は何月?

多くの自治体では、翌年度の公立/認可保育園やこども園の申込受付を10月上旬~12月上旬頃に実施します。

逆算すると、遅くとも9月中には希望の園を決定しておきたいですよね。

そのためには、早めに各自治体や園のホームページで以下のような情報を集めて、比較検討できるようにしておく必要があります。

  • 自宅や職場からの距離
  • 送迎のしやすさ(交通手段や駐車場の台数など)
  • 保育方針や保育のようす
  • 園舎や設備
  • 活動内容や行事
  • 給食やアレルギー対応
  • 開園時間
  • 延長保育
  • 入園のしやすさ(過去の入園最低指数や選考点数)

上記のうち「園舎や設備」「保育のようす」などは写真ではなかなか分かりにくいため、ぜひ実際に見て確かめておきたい部分です。また周辺の道路事情などはマップで見るのと実際では異なることも。

このような観点で複数の園を見学するには、申請の締切までに時間の余裕がある7~8月頃がもっともおすすめです。

特に待機児童の多い都市部では、事前見学をしていないと申し込みできないという条件を設けている園も少なくありません。しかし、万が一見学当日にお子さんが体調を崩しても、夏頃なら次回に参加できるので安心ですよね。

夏以外に見学に行くことも可能ですが、時期によっては新入園の慣らし保育や人事移動、GWや年末年始、運動会などの行事のため見学を受け付けていない園もあります。

いずれにしても、入園の可能性がある園については、いつどのような形式で見学できるのか、事前に調べてまとめておきたいですね。

保育園見学におすすめの時間帯

保育園の見学は自治体や園ごとで申し込み方法が異なり、以下のようなパターンがあります。

  • 決められた日時の中で自由に見学可
  • 予約サイトで一括予約が可能
  • 個別に園に電話して予約する

人口の少ない地域では予約不要なこともありますが、都市部ではほとんどが予約制です。

見学時間帯が選べる場合、子どもたちが元気に活動している様子が見られ、比較的質問にも答えてもらいやすい午前10~11時頃に行くのがベストです。

朝早くや夕方の時間帯は登園・降園対応で保育士さんも忙しく、駐車場や駐輪場が満車の可能性も。また12時以降は昼食や昼寝・おやつなどが続き、保育室に立ち入れない状況が想定されます。

直接保育園に電話で予約するシステムの場合も、同じく10~11時頃か、子どもたちがお昼寝中の13~14時頃に電話するとつながりやすいでしょう。

とはいえ、1日で複数の園を回るのであれば、10時から1件、13時から1件、15時から1件のように割り振る必要も出てきます。また食物アレルギーへの対応など、あえて給食の時間を見せてほしいといった事情があれば考慮してもらえることもありますので、相談してみても良いですね。

保育園見学当日の見るべきポイントとチェックリスト

いよいよ見学当日。持ち物はいつもの赤ちゃんお世話グッズに加え、以下のようなものを用意しておくと便利です。

  • 筆記用具とメモ帳
  • スリッパ
  • A4の資料が入るバッグ

園では次のような点について、説明を聞いたり、資料をもらったり、自分の目で様子を見て記録したりしておきます。

分類 チェック項目 ☑︎
施設や設備について 保育室やトイレの清潔さ
遊具や園庭の安全性(老朽化した遊具がないかなど)
防犯状況(フェンスやカメラの有無)
災害対策(避難経路や非常口にモノが積まれていないかなど)
保育の方針について 理念や方針に共感できるか(のびのび/きちんと など)
活動内容(外遊びや制作・イベント内容など)
園児と保育士について 子どもたちは笑顔が多く楽しそうか
保育士の子どもへの接し方は適切か
保育士の人数は余裕がありそうか
給食・アレルギー対応について 給食やおやつの内容
食物アレルギー対応はあるか、ある場合の具体的な方法は
食育に取り組んでいるか
衛生・感染症対策について 手洗い・消毒・換気の方針は
体調不良時の対応や連絡体制
保護者対応について 日々の連絡方法(連絡帳・アプリなど)
保護者参加行事・参観の頻度など
園児同士のトラブルの共有方法
送迎やアクセスについて 駐車場・駐輪場・ベビーカー置き場の有無と使いやすさ
送迎時の混雑や安全対策
自宅/職場から園までのルートと交通状況

1日で複数の園を見学すると、あとで「どこがどうだったっけ?」と記憶が曖昧になりがち。気になるポイントを一覧にしたチェックリストを作って、1つの園の見学が終わるごとに記入しておくと安心ですね。

おわりに

園の立地や、ホームページの印象で「良さそう」と思っても、実際に見学してみると意外と送迎が不便だったり、「ウチの子には合わないかも…」という話もよく聞きます。

暑さ対策や水分補給をしっかりと行いつつ、候補となる園にはできるだけ直接足を運んで、納得できる保育園選びを進めて下さいね。

  • カテゴリー:育児・子育て 

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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