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妊婦検診「エコー写真」の見方と色褪せない保存方法

2023/10/27

妊娠中の検診時に赤ちゃんの発育状態を調べる超音波(エコー)検査。

印刷してもらったエコー写真を大切にとっている方も多いのではないでしょうか。

今回は、エコー写真に記載されている用語の意味や数字の見方、エコー写真で赤ちゃんの性別が分かるのかどうか、色褪せずに保存する方法などを紹介します。

エコー写真の各数字の意味は?

産婦人科での妊婦検診で、超音波検査の最後にエコー写真を印刷して渡してくれるお医者さんは多いと思います。

検診中に説明を受けているものの、あらためて見てみると「BPD」や「FL」「AC」などのアルファベットと数字だけが並んでいて「これって何の数値だっけ?」と疑問に思うこともありますよね。

以下はそれぞれのアルファベットの意味です。

BPD
(biparietal diameter)
赤ちゃんの頭を上から見たときの頭の直径(頭蓋骨の幅)です。赤ちゃんの推定体重などが分かります。
帝王切開の判断に使われることもあります。
FL
(femur length)
大腿骨(太ももの骨)の長さをあらわします。
AC
(abdominal circumference)
「体幹周囲長」といい、お腹周りを指します。
EFW
(estimated fetal weight)
「胎児推定体重」です。数字の横にプラスがついていれば平均より大きめの赤ちゃん、マイナスであれば小さめの赤ちゃんと考えられます。

ただし、これらの計測値には誤差があり、あくまでも推定の材料や目安となります。医師からみて気になる場合は詳しい検査を勧められますので、通常は「この数字、小さめだけど大丈夫?」などと心配しすぎる必要はないでしょう。

超音波検診で赤ちゃんの性別はどこまで分かる?

赤ちゃんの誕生を待つママやパパにとって「元気で生まれてくれれば性別はどちらでも良い」というのが心からの願いだと思いますが「でもやっぱり気になる……」「名前や着るものなど、準備を考えると事前に分かった方が助かる」という声も。

そんなとき、超音波検査は赤ちゃんの性別を知る一番の機会ですが、検査時の角度や足の揃え方などにより性器の部分が映らなかったり、足の間にへその緒がはさまり男の子の性器と見分けがつかないこともあります。

局所が映った場合でも、一般的に男の子ははっきりと形が判別できるため女の子と見間違えることはほとんどありませんが、逆のパターンは意外と多いそうです。

また、産婦人科によっては性別を知らせない方針のところもあります。

「性別を知りたい」という理由で別途超音波検査をしてもらうことは可能ですが、妊婦健診は赤ちゃんの発育やママの身体に異常がないか確認するのが目的のため、通常の検診以外での超音波検査はたいてい自費となることも覚えておきましょう。

エコー写真が色褪せない保存方法

産院でもらったエコー写真を母子手帳にはさんだり、他の資料と一緒に保管したりしている方も多いと思います。

ただ、エコー写真の多くはレシートなどと同じ「感熱紙」にプリントされるため、時間が経つとだんだん色褪せてきて、最後は消えてしまうことも。また夏場の車の中、暖房器具の近くなど高温になる場所に置きっぱなしにすると、短時間でも消えてしまうおそれがあります。

そうならないために、まずは印刷面を内側にして熱くならない場所で保管し、長く保存したいときはコンビニの複合機などで普通紙にコピーしてしまうのがおすすめです。

何枚かコピーしておけば、パパや上の子・祖父母など、エコー写真を見慣れていない人のため、赤ちゃんの身体の輪郭をカラーペンなどでなぞって説明する……といった使い方もできます。

普通紙なら手作りアルバムに貼っても色褪せる心配がありません。自宅にスキャナのある人はスキャンしたデータをまとめ、プリントショップやインターネットで注文できる「フォトブック」を作ることもできます。

多くの小学校では、4〜5年生頃に赤ちゃん時代や妊娠中の様子を親にインタビューするという学習内容が登場します。エコー写真をアルバムに残しておけば、親子で眺めながら「お腹の中にいたときはね……」と会話がはずむかもしれません。色褪せないよう工夫して残しておけると良いですね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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