ある日突然ものもらいができ、「早く治したい」「市販の目薬でも対処できる?」と悩んでいませんか?
ものもらいは、ある程度の症状であれば市販薬でも対応できます。
しかし、市販の目薬は種類がとても多いので、どれを選んだら良いのか迷ってしまうことも多いでしょう。
そこで今回は、ものもらいに使える目薬5選を紹介します。ものもらいの原因や受診の目安も解説しているので参考にしてみてください。
ものもらいは「めばちこ」や「めいぼ」と呼ばれることもありますが、医学的な正式名称は「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」です。
麦粒腫といわれてもあまり馴染みがないかもしれないので、ここで詳しく見ていきましょう。
麦粒腫は、まぶたにある脂や汗を出す腺が細菌に感染して起こる病気です。目の周りを不潔にしていたり、汚れた手で目をこすったりすることで発症します。
ものもらいと聞くと「人にうつるもの」と思われている方もいるかもしれませんが、麦粒腫はうつる病気ではありません。
人にうつる可能性があるのは、「はやり目」です。こちらは正式には流行性角結膜炎と呼ばれており、ウイルス感染によって起こります。ものもらいとはやり目は別物ですのでしっかり覚えておきましょう。
参考:麦粒腫 日本眼科学会
麦粒腫では、次のような症状が見られます。
まぶたの一部が腫れて痛みを伴うのはよくある症状です。腫れがひどくなると、膿が溜まった部分が破れて膿が出てくる場合もあります。
ものもらいを市販薬で治療したい場合は、以下の成分に着目して選ぶとよいでしょう。
ものもらいによるかゆみには、抗ヒスタミン薬が有効です。抗ヒスタミン薬は、かゆみの原因となるヒスタミンの働きを抑えて症状を緩和します。「クロルフェニラミンマレイン酸塩」などが配合された目薬を選ぶとよいでしょう。
赤みや腫れなどの炎症が強いときは、抗炎症薬が効果を発揮します。「イプシロン-アミノカプロン酸」や「グリチルリチン酸」などが代表的な成分です。炎症を抑え、赤みや腫れを緩和してくれます。
ものもらいを根本的に治すためには、抗菌成分が含まれた目薬が役に立ちます。発症の原因となった菌を殺菌し、症状を改善することが可能です。市販薬の目薬には「スルファメトキサゾール」が配合されています。
ものもらいができたときに市販薬で対処する場合は、抗菌目薬を使うことが基本です。ここでは、5種類の抗菌目薬を紹介します。
1回分ずつ小分けになっている抗菌目薬です。抗菌成分であるスルファメトキサゾールの他、抗炎症成分のグリチルリチン酸二カリウム、目の組織代謝を活発にするタウリンとビタミンB6が配合されています。防腐剤無添加で1歳以上の子どもから使用可能です。
有効成分 ●スルファメトキサゾール
●グリチルリチン酸二カリウム
●タウリン
●ビタミンB6効能効果 ものもらい、結膜炎(はやり目)、眼瞼炎(まぶたのただれ)、目のかゆみ 用法用量 1日3~5回、1回1滴を点眼する 公式サイト:サンテメディカル抗菌
抗菌成分のスルファメトキサゾールナトリウム、抗炎症成分のグリチルリチン酸二カリウム、かゆみ止めのクロルフェニラミンマレイン酸塩などが配合された抗菌目薬です。しっかり効かせるために、患部にとどまりやすい処方となっています。
有効成分 ●スルファメトキサゾールナトリウム
●グリチルリチン酸二カリウム
●クロルフェニラミンマレイン酸塩
●酢酸d-α-トコフェロール効能効果 ものもらい、結膜炎(はやり目)、目のかゆみ、眼瞼炎(まぶたのただれ) 用法用量 1日5~6回、1回2~3滴を点眼する 公式サイト:ロート 抗菌目薬EX
患部にとどまりやすいよう、2種類の粘稠剤が配合された使い切りタイプの抗菌目薬です。抗菌成分、抗炎症成分、抗ヒスタミン成分の3種類が配合されています。清涼感があるので、かゆみが気になる方にも向いているでしょう。
有効成分 ●スルファメトキサゾールナトリウム
●グリチルリチン酸二カリウム
●クロルフェニラミンマレイン酸塩
●イプシロン-アミノカプロン酸効能効果 ものもらい、結膜炎(はやり目)、目のかゆみ、眼瞼炎(まぶたのただれ) 用法用量 1日5~6回、1回1~3滴を点眼する 公式サイト:ロート クリニカル抗菌目薬i
抗炎症成分が2種類配合された使い切りタイプの抗菌目薬です。ものもらいの原因菌の繁殖を抑制し、かゆみや炎症を抑えます。滞留設計となっており、抗菌成分のスルファメトキサゾールが目に長く留まりやすいことが特徴です。
有効成分 ●ススルファメトキサゾール
●グリチルリチン酸二カリウム
●イプシロン-アミノカプロン酸
●ピリドキシン塩酸塩効能効果 ものもらい、結膜炎(はやり目)、眼瞼炎(まぶたのただれ)、目のかゆみ 用法用量 1日3~6回、1回2~3滴を点眼する 公式サイト:抗菌アイリス使いきり
生後3カ月から使用できる抗菌目薬です。1回分ずつ小分けになっているので、雑菌が繁殖する心配がありません。抗菌成分のスルファメトキサゾール、抗炎症成分のグリチルリチン酸二カリウムとイプシロン-アミノカプロン酸が配合されています。
有効成分 ●スルファメトキサゾール
●グリチルリチン酸二カリウム
●イプシロン-アミノカプロン酸
効能効果 ものもらい、結膜炎(はやり目)、目のかゆみ、眼瞼炎(まぶたのただれ) 用法用量 1日5~6回、1回2~3滴を点眼する 公式サイト:こどもティアーレ抗菌
目薬は、正しい方法で使用しなければかえって症状を悪化させる可能性があります。特に、ものもらいができているときは、清潔を保ちながら使用することが大切です。
目薬をさす前に、必ず手を洗浄してください。汚れた手で目薬を扱うと、目に雑菌が入る可能性があります。
目薬をさすときは、容器の先がまつげに触れないように気をつけましょう。まつげには雑菌やまつげダニ、化粧品などが付着していることがあり、清潔ではありません。
1回2~3滴点眼するようにと使用方法に記載がある市販薬もありますが、基本は1滴で十分です。目薬1滴は薬0.04~0.05mlですが、1回の点眼で結膜嚢に入るのは0.02mlしかありません。そのため、1滴でも十分だと考えられます。
点眼後に目をパチパチさせる必要はありません。パチパチすると、目薬の成分が鼻や喉に流れやすくなります。また、目薬が全身に作用するのを防ぐため、点眼後は目頭の辺りを軽く抑えましょう。
ものもらいを発症し、次のような症状が出た場合は市販の目薬で対処せず早めに眼科を受診してください。
市販薬の目薬でものもらいを対処する場合は、抗菌成分のスルファメトキサゾールが配合された抗菌目薬を使用する方法が一般的です。
かゆみがある場合はクロルフェニラミンマレイン酸塩、赤みや腫れなど炎症がある場合はイプシロン-アミノカプロン酸やグリチルリチン酸などが配合されたものを選ぶとよいでしょう。
市販の抗菌目薬を3~4日程度使っても症状が改善しない場合は、早めに眼科を受診してください。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
いざというときに家にあると便利なのが常備薬。突然のケガや体調不良でも、常備薬があれば慌てて病院や薬局にかけこまなくて済みます。
しかし、いったいどのような薬を常備しておけばいいのか悩んでしまいますよね。そこで今回は、万が一のときにあると便利な常備薬を3つのパターンにわけて紹介します。 ...続きを読む
数時間から数日程度で消えることが多いものの、かゆみが気になってどうしようもなくなることがありますよね。いつの間にかできているケースが多く、不安になってしまうこと...続きを読む
ドラッグストアや薬局に行くと、名前の似た消毒用アルコールがいくつも並んでいます。そのため、どれを選んだら良いのかわからず悩んでいる方も多いはずです。 そこ...続きを読む
健康診断などで「血糖値が高めですね」と言われた方も多くいるのではないでしょうか。
平成9年度と少し古い調査ではありますが、厚生労働省が行った「糖尿病実態調査」によると、糖尿病の可能性を否定できない方は日本全国に1,370万人もいるそうです。 ...続きを読む