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授業参観で「落ち着きのないわが子」「誰とも話さずポツン」…落ち込む気持ちの立て直し方

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2024/05/15

小学校の授業参観は、わが子が学校でどんな風に過ごしているのかを垣間見る貴重な機会ですよね。

ただ、せっかく授業参観に行ったのに「落ち込んで帰ってきた…」というママの声を時々耳にします。

なぜ授業参観に行って落ち込んでしまうのか、先輩ママたちはどうやって気持ちを立て直していたのか、体験談もまじえて紹介します。

「うちの子、落ち着きなさすぎ…!」で落ち込む

今回は「授業参観で落ち込むことがある」という人を対象にアンケートで状況を聞いてみました。どうやら理由は2種類あるようで、1つめはお子さんに関する理由です。

Mさん・小学校1年生の男の子のママ

「他の子は前を向いてまっすぐ座っているのに、うちの子だけ手足が通路にはみ出していて、消しゴムは落とすし、机の上は散らかすし、よく見ると机の中もぐちゃぐちゃ。帰りの会のためにロッカーからランドセルを持ってきて荷物を詰めるのですが、みんなが終わりかけた頃にランドセルを取りに行く始末で。もちろんズボンからはシャツが出てます(泣)」

Fさん・小学校3年生の男の子のママ

「ハイハイと挙手するのは良いのですが、当てられてないのに勝手に発言しちゃうんです。ママ友からは、参観で興奮しちゃったんだよ!となぐさめられましたが、帰ってから子供に聞くと、それが日常みたいで」

かと思えば、

Kさん・小学校2年生の女の子のママ

「積極的に手を挙げてハキハキ発言する子もたくさんいる中で、娘は1回も手を挙げず…答えはおそらく分かっていて、家なら解ける問題なのに…と、消極的なわが子にモヤモヤしました」

と、つい他の子と比べて「もっときちんと授業を受けてほしい」「手を挙げて活躍してほしい」という願望が芽生え、それが叶わないとがっかりしたりイライラしたりでどっと疲れてしまうようです。

「誰とも話さず孤独…」で落ち込む

一方、お子さんは楽しく授業を受けているものの、自分自身が「まわりはワイワイ盛り上がっている中で、1人でいるのが辛かった」という人も少なくないようです。

Kさん・小学校1年生の女の子のママ

「マスク着用・私語厳禁のコロナの時の方が、私には正直楽だったかも。今は保育園時代からの仲間なのか、休み時間は楽しそうに談笑する人たちばかりで、居場所がないです」

Eさん・小学校4年生の女の子のママ

「子供にうちのお母さんだけ一人ぼっちと思われたくなくて、がんばって話しかけたりするのですが…話が続かず沈黙になったり、変なこと言ったんじゃないかと帰宅後も1人で悶々としたりで、めちゃくちゃ疲れます」

Hさん・小学校2年生の男の子のママ

「息子も引っ込み思案で…私に似たのかと申し訳なくて、本当は参観行きたくないのですが、子供は楽しみにしているので行かないわけにも行かず。気が重いです」

先輩ママの体験談「そんな時はこうしましょ!」

このようなママたちの悩みに対し、今回はすでにお子さんが小学校を卒業した人にもアンケートを実施してみたところ、実体験に基づいたアドバイスがたくさん寄せられました。

Uさん・中学3年生と1年生の男の子のママ

「本当にまったく授業についていけてないようなら先生に相談した方が良いです。そのための授業参観でもあるので。でも、気恥ずかしくて手を挙げない程度なら、個性と思うしかないですよね。どっちみち、高学年になると全員そうなってきますよ」

Nさん・高校1年生の女の子のママ

「色々言いたくなってきたら、心の中で”待て待て、私はダメ出しするために来たの?”と自分に言い聞かせてました。かわりに帰ってから子供と楽しく話せるネタをなにか1つ探しておくと良いですよ」

そして中にはこんな言葉も。

Tさん・中学2年生の女の子のママ

「ある時ふと気付いたのですが、子供の出来不出来がこんなに気になるのって、もちろん子供への心配もありますが、同時に親である自分も評価されている気がしてたんですよね。私がどこか子育てに自信がなかったのかも。でも子供は子供、私の作品じゃない。そう思うとかなり気にならなくなりました」

一方、親同士の交流や孤独が苦痛という人には、こんな体験談も。

Yさん・高校1年生の双子のママ

「ギリギリに行って、さっさと帰る!これで誰とも話さず、子供だけを見て帰れます」

Fさん・高校3年生の男の子のママ

「盛り上がっている人たちが目立つだけで、よく見ると1人でサラッときて帰る人もけっこういますよ。私もそうだし、逆に授業が始まってもおしゃべりしている人たちって、子供から見て恥ずかしいんじゃないかと思います」

また、

Iさん・高校1年生と中学2年生のママ

「夫の転勤でまったく知り合いがいなかったので、あえて参観後の懇談会まで参加するようにしてました。高学年になると参加者も減るので、あまり緊張せずに近くの人と情報交換できます」

と、知り合いがいなくても思い切って懇談に参加することでなんとかなったという声もあります。

そして、

「5年生くらいから子供が参観に来られるのを嫌がるようになったので、そこからほとんど行っていません。行けるときにまわりを気にせずわが子を見ておけばよかったです」

という声も何人かから寄せられました。

なお、今回はママの声が中心になりましたが、これからの時代は夫婦ともに参観に行ける社会になっていくことが予想されます。

そうなると、パパも同じく「うちの子はなんであんな風なんだ…」と落ち込むことがあるかもしれません。そんな時はぜひ本記事も参考にしてくださいね。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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