小学校3年生前後の子供たちは別名「ギャングエイジ」と呼ばれることがあります。なんだかちょっと穏やかでない名称ですが、どんな意味だかご存知でしょうか?
それまではひたすら「ママ、ママ」だったわが子が友達を優先するようになるなど、この時期の子供は急に言動が変化することがあり、戸惑う親御さんもいるかもしれません。
しかし、ギャングエイジは将来子供たちが社会で生きていくための大切な通過点でもあります。
今回はそんなギャングエイジの子供たちの心理と、周囲の大人のおすすめの接し方を紹介します。
「ギャング」の語源は「集団」「仲間」だといわれており、私たちがイメージするような昔のアメリカ映画に登場する犯罪集団のギャングとは少し異なります。
小学校3年生頃からの子供たちには、この「仲間」「集団」にまつわる変化が顕著になります。
もっとも特徴的なのは、それまではくっついたり離れたり好き好きに遊んでいることが多かった子供たちが、しだいにいつも固定された数人のメンバーで行動するようになること。
女の子は比較的小さいときからこの傾向がありますが、男の子はこの時期から小集団を形成しはじめることが多いようで、どこに行くにもいつものメンバーで群れて遊ぶようすが見られます。
そしてその遊びの中で、役割分担したり協力しあったり困っている子を助けたりするのを通じて、将来の人生に欠かせない「社会性」を身につけていくことができます。
また仲間内でケンカやトラブルが起きたときも、幼児期には先生や大人に助けを求めたり、ジャッジしてもらおうとする姿が見られますが、この頃からはしだいに自分たちで解決していこうとし始めます。
発達心理学では、ギャングエイジを「子どもだけの集団で行動し、家庭とは異なる価値観に出会ったり、対人関係のスキルを獲得したりする時期」と定義しています。
小さい時はママやパパの言うことが全てだったわが子が、以前は好きだったキャラクターのグッズなどをとつぜん「かっこ悪いからいらない」と言いだしたりするので、驚いてしまう人もいるかもしれませんね。
これは、仲間内で「○○がかっこいい」「○○はかっこ悪い」という共通認識ができ、子供がその新しい価値観を取り入れたことを意味します。
さらに成長すると、多様な価値観を取り入れた上で自分なりの判断や結論を出せるようになり、そうなるといよいよ大人として社会に出る準備ができたということですが、今はまだまだ小学校3~4年生。
子供の心理としては、正しい正しくないにかかわらず、仲間内のルールが一番!という時期だといえるでしょう。
ギャングエイジには個人差があり、3~4年生になってもあまり変化がない子もいれば、小学校低学年頃から早くも傾向があらわれてくる子もいます。
今までと態度が変わっても、基本的には、社会性を身につけ多様な価値観を受け入れる準備期間に入ったのだな、とゆったり見守っていればOK。
ただ、仲間が集まるとつい気が大きくなっていたずらやルールを破る行動をしてしまう可能性もあります。
そんな時は遠慮なく叱り、わが家として「しても良いこと」「いけないこと」をはっきりと伝えましょう。
ギャングエイジまっただ中のわが子には「だってみんなが…」と言い返されるかもしれません。
しかし、日常の遊びや好みは子供の意見を尊重して良いのですが、「わが家はここまではOKでこれ以上はNG」という基準に関わる部分に関しては、日頃からしっかりとおさえておき、そこだけは譲らないようにすると良いですね。
ギャングエイジを迎える年頃には、あまりにも急に言動が変わってしまう子もいて、親御さんはちょっぴり淋しい気持ちになるかもしれません。
でも、やはり子供にとって一番のベースは自分の家庭。
なかなか難しいかもしれませんが、できるなら「変化を楽しむ」くらいの気持ちで成長を見守っていけると良いですね。
私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。
娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。
親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。
しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。
まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。
より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。
現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。
かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。
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