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忘れ物が多いわが子にイライラ…どうすれば治る?

2023/09/15

小学校って、教科書以外にもドリルに筆箱、体操服に給食袋、リコーダーに書道セットと毎日の持ち物がいっぱいですよね。

「うちの子、何回言っても忘れ物ばかりで、本当にイライラするんです」というママ・パパはいないでしょうか?

今回は、忘れ物が多い子への対策について、よく言われる方法がほんとうに効果があるのかどうか、また親がイライラすることなく忘れ物を減らす方法について考えてみました。

「忘れ物は叱られれば反省して治る」は本当か

「うちの子、本当に忘れ物が多くて…なにかいい方法ないかな」

と悩んでいるママやパパに対して昔からよく言われるのが、

「忘れ物が多い子は自分が困ったり叱られたりして、反省すれば忘れないようになる」

という意見です。

もちろん、数回忘れ物をしてみんなの前で叱られ、「恥ずかしいからもう二度と忘れ物をしないようにしよう」と心に誓い、本当に効果がある子もいることでしょう。

しかし、忘れ物の多さが問題になってくる子というのは、その段階になるまでにすでにたくさん困ったり、叱られたりしているもの。それで治るならとっくに治っているはずなんです。

それよりも、体操服がなくて体育ができないとか、夏に水筒を忘れてお茶が飲めないといった弊害も大きいですし、習字道具や絵の具を忘れる子がクラスに多いと授業の進度を揃えるために予定変更して延期することもあり、全体に迷惑をかけてしまう可能性もあります。

2~3回、あえて忘れ物をさせて様子を見るのは良いですが、それ以上続けても効果がないばかりか、子供自身「こんなに叱られるのにまた忘れてしまった」と自信をなくしてしまう(一見そうは見えなくても)おそれもあるため、「叱られたら治る」「自分が困れば治る」という期待は捨てた方が良いでしょう。

忘れ物が多いのは個性、それとも育て方?

同じ学年クラスでも、忘れ物ばかりの子とそうでない子がいます。

きちんとしている他の子を見て「自分の育て方が悪かったから、こんなにだらしない子になってしまったのか…」と落ち込んでしまうママやパパもいるかもしれません。

しかし、子供はたしかに家庭の生活習慣を見て育ち影響を受けますが、忘れ物に関しては必ずしもそうとばかりは限りません。

なぜなら、同じように育てていても、上の子は念入りに時間割を見て持ち物を揃えるのに下の子は全然できない(またはその逆)…という家庭もたくさんあるからです。

個人差なのであれば、きちんとした子を基準に「どうしてちゃんとできないの!」と叱るのはあまり意味がありません。

それよりも、その子の特性に合わせて工夫してあげる方が親子の関係も良好でいられるのではないでしょうか。

特に高学年から中学校にかけて思春期になると、学校でのちょっとしたトラブルや悩みに早めに気付いてあげられるよう、良好な親子の関係(少しダメなところも含め安心して自分を出せる、親子で本音の話ができる)は非常に重要になってきます。

小学生の時間割、何年生まで一緒にやるべき?

小学校の時間割は、入学当初は親子で揃えるように学校からも言われますし、手伝ってあげる親御さんがほとんどかと思います。

慣れてくればしだいに1人でできるようになりますが、いったいいつ頃まで手伝うべきなのでしょうか?

実は以前に小学校の先生にたずねたことがあります。

すると、なんと答えは……「決まっていません」でした!

早い子は小学校1年生でもほぼ1人でできるようになり、親は最終チェックだけですむようになることも。

一方で「時間割した?」と聞くと「した」と答えるのに、実は適当に教科書を入れ替えただけで、裁縫セットや水着、提出期限のあるプリントといったイレギュラーな持ち物はスルーという子も少なくありません。

「もう3年生なのに…」と嘆きたくなる気持ちは痛いほど分かりますが(わが家もそうでしたので・笑)、こればかりは個人差なので仕方ないと考えて、その子に合ったレベルで手伝ってあげるのが正解だといえるでしょう。

おわりに

小学校時代に忘れ物が多い子も、中学校・高校と進むにつれて少しずつですが忘れ物が減ったり、学校に置いておけるものは置いてきたり、時には友だちに借りたりと、自分なりの「困らない方法」を身につけていく印象です。

それまでは、あまり他の子と比べることなく見守ってあげられると良いですね。

毎日叱ってせっかくの子供時代を憂鬱なものにするよりは、持ち物チェックなど、親が手伝えることはきげんよく手伝ってあげても良いのではないかと思います。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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