太っていないのにお腹だけぽっこり出ている原因

2022/06/29

これから薄着になる季節、そんなに体重は増えていないのに、お腹だけぽっこりと出てきていませんか。

ぽっこりお腹は腹筋を鍛えるだけでは変わらないことが多いです。
今回はぽっこりお腹を改善させるためのセルフチェックの方法と自宅で出来る運動を紹介します。

ぽっこりお腹の改善には背骨の動きが重要

ぽっこりお腹を改善させるには「腹筋を鍛える!」と思われがちですが、その前に骨盤や背骨を動かすことが出来るかどうかということも重要です。

以前、当院で担当させていただいた30代の患者さまで

「産後にお腹が出たのが気になって、腹筋運動を色々とやったけど変わらなかった。腹筋以外の運動が必要だとは考えてなかった。呼吸運動でお腹が引っ込むなんて思わなかった。」

と言われていた方がいらっしゃいました。

腹筋を鍛えなくても自然と腹筋に力が入るように背骨を動かせるようになると、腹筋運動を頑張らなくてもぽっこりお腹を改善しやすくなります。

自宅で出来るセルフチェックを3つ紹介します。

チェックポイント① 肩関節の動き

ぽっこりお腹になる原因は色々とあるのですが、巻き肩の姿勢や猫背、スマホ首といった、頭を前方に突き出す姿勢が習慣化されている場合は要注意です。

頭が前方にあることで首や背中の筋肉が硬くなり、その結果内臓が下がることで腹筋に力が入りにくくなります。

自宅でできるチェック方法としては、仰向けに寝て腰から肩を床にピッタリ付けた状態でバンザイをしてみましょう。肘が伸びた状態で耳の横に腕がつけばOK。腕が上がりにくかったり、左右差があったりしないか、反り腰になっていないかをチェックします。

腕をまっすぐ挙げられない場合は、下記のように腕を後ろへ動かすストレッチをやってみましょう。胸の筋肉が伸びたり(大胸筋)腕の筋肉が伸びたり(上腕二頭筋)しますでしょうか。伸びる場合は筋肉が縮こまっている状態なので心地の良い程度に伸ばしてみてください。

また、肩関節の動きに制限がある方は前回のコラム【「はぁ~」と、ため息ついていますか?~肩こりについて~】も参考にしてみてください。

チェックポイント② 深呼吸したときの肋骨の動き

呼吸活動の約7割近くを担っているのは“横隔膜”です。横隔膜を下げて肺を拡げることで吸気を吸い込むことができます。横隔膜は腹横筋と連動し、腹横筋は骨盤底筋と連動しています。つまり、深呼吸をする際に横隔膜を意識して動かすことで腹横筋や骨盤底筋を鍛えることができます。

自宅でできるチェック方法としては、肋骨に手を当てて呼吸をしたときに肋骨が動いているかをみてみましょう。

呼吸運動については、【正しい呼吸、意識してみませんか?】に詳細を記載しています。
また、“1か月間 呼吸トレーニングを行いぽっこりお腹が改善した” こちらのコラム 【仰向けに寝るだけで鍛えることが出来る!横隔膜呼吸トレーニング】も参考にしてみてください。

チェックポイント③ 日々の生活

実は座りすぎが原因かもしれません。

週末に運動している方でも、それ以外の時間を座ったまま過ごしていては改善されないことが明らかになっています。大切なのは「座り続けないこと」 30分に1回、少なくとも1時間に1回立ち上がってその場で足踏みをする、背伸びをする程度で良いので動くことが大切です。何度も立ち上がれない人は、両手を組んで伸ばしたり足首を動かしたりなど座った状態で出来る体操をやってみましょう。

日々の生活の中に運動を取り入れてみましょう

ジムなどに通って筋トレやストレッチをすることはハードルが高いかもしれませんが、階段を昇るときに太ももを高く上げるようにしたり、歩く時に背すじを伸ばして大股で歩くようにしたり、生活の中で現在やっている事に運動を取り入れるだけで腹筋に力が入りやすくなります。

ながらトレーニングを取り入れるとメリットいっぱい!

日常生活の中で姿勢に気を付けたり、ちょっとした運動を取り入れたりすることでお腹周りの筋肉はもちろん骨盤周りや足首の筋肉が鍛えられます。 日々、少しずつ無理をしないことが大切です。ご自身のカラダと向き合う時間が体を整えるための第一歩です。

コラムニスト

理学療法士  上野 恵理 

私は、小・中・高校時代はサッカー部に所属していました。
高校時代は、平日は練習をして週末は試合や遠征へ行く、というスケジュールでサッカー漬けの生活だったため、怪我をすることも多くその都度病院にお世話になっていました。そのときに日々のケアや怪我をしない体づくりが大切であることを知り、人間の身体に興味を持つようになりました。
身体に不調があると人生楽しくありません。
年齢を重ねるとどこかに不調が出てくるものですが、それでも「どうすれば心豊かに楽しく過ごすことができるようになるの?」をモットーとして個々人にあった運動方法が提供できるよう努めています。

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