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なんの症状もないのに健康診断で膵臓に嚢胞があるって言われました!と心配される方がいらっしゃいます。膵臓がんだったら怖いなと不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。今回はそんな膵臓の嚢胞についてお話します。
以前膵がんについてお話させていただきましたが、膵がんになりやすい要因で家族歴(ご家族が膵臓がんにかかった)や遺伝性疾患の他に合併疾患を挙げさせていただきました。その合併疾患の1つに膵嚢胞があります。
膵嚢胞は大きく分けて腫瘍性膵嚢胞と非腫瘍性膵嚢胞に分けられます。主な嚢胞の種類を下記に示します。
全くピンときませんねぇ。すみません。
非腫瘍性嚢胞と言われるものは嚢胞自体に悪性度、つまりがん(癌)化の危険はありません。しかし慢性膵炎の場合はそれ自体に膵がんのリスクがあるので専門の先生にちゃんと診てもらったほうが良いでしょう。
健診でたまたま見つかる嚢胞で圧倒的に多いのが腫瘍性嚢胞の膵管内乳頭粘液腫瘍、通称IPMNと言われるものです。その名の通り腫瘍の一種です。ただそれにも種類があります。膵臓のなかには膵管という膵液の通り道があり、幹に相当する「主膵管」から、枝に相当する「分枝膵管」が分かれています。主膵管から発生する腫瘍が主膵管型IPMN、分枝膵管から発生するものが分枝型IPMNです。
主膵管型IPMNは癌になる可能性が高いため早めの手術が必要です。
健診で指摘される場合、圧倒的に頻度が高いのは分枝型IPMNです。分枝型IPMNの多くはがんになる可能性が10年間でも2〜3%程度とされているため定期的に経過をみていくことになります。分枝型IPMNでもその形や大きさによって悪性度が異なるので専門医の判断が必要です。またその経過観察中に嚢胞ががん化したり、嚢胞とはちがう膵臓の部位にがんが発生することもあるため定期的な精密検査(CTやMRI、内視鏡検査など)が推奨されています。いずれのIPMNの場合でもちゃんと専門の先生に相談された方が良いでしょう。
忘れてはいけない嚢胞ですが、既に膵がんができていてその影響で嚢胞ができることがあります。健診で行う腹部超音波(エコー)検査では嚢胞はわかるけど、小さな膵がんは見つからないということもあります。膵がんの恐ろしさを考えると、嚢胞を指摘された患者さんは専門医への相談と1度は精密検査を受けられるべきだと思われます。
やっぱり膵臓の話はわかりにくいなぁと思われた方。嚢胞を指摘されたら消化器の専門医にご相談ください。いやいや膵臓の検査もしたことないけどなんだか心配だなという方、まずは腹部超音波(エコー)をお勧めします。心配だからしっかり調べたいという方は人間ドックで腹部のCT(造影剤を用いた方が正確です)やMRIといった検査をご相談されてはいかがでしょうか?
どうしたら良いかわからない方は、かかりつけの内科の先生に是非ご相談くださいね。
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