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また、胃バリウム検査についても簡単にお話しします。
胃カメラとは先端に小さなカメラがついた細い管をお口から挿入し、食道、胃、十二指腸を観察する検査です。後にも述べますが、大きく分けて2種類、太さ10mm程度の通常のカメラ、鼻から挿入することも可能な太さ5mm程度の細いカメラがあります。検査をすることで、ポリープやがん、潰瘍や出血を診断することができます。また、病変の一部を採取し、顕微鏡で詳しく調べることも可能です。
さらに、多くの場合、入院での対応が多いですが、出血箇所を止血したり、ポリープやごく早期のがんの切除を行い、内視鏡治療で治癒切除(根治)することも可能です。
なお、2016年2月に厚生労働省が示した「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」から、胃がん検診において胃バリウム検査と同様に胃カメラも推奨したことを受けて、50歳以上を対象に胃バリウム検査だけではなく胃カメラも多くの市町村や会社が取り入れています。費用は胃バリウムより胃カメラがやや高めに設定されていることが多いようです。
胃がんに関しては、以前より緩やかに減少傾向にありますが、全がんの中で、男女ともに死亡数や罹患数の順位が高く、2019年の死亡数は男女計3位、2017年の罹患数は2位と未だ高い状況です。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 肺 | 胃 | 大腸 | 膵臓 | 肝臓 |
大腸と結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸7位 | |||||
女性 | 大腸 | 肺 | 膵臓 | 胃 | 乳房 |
大腸と結腸と直腸に分けた場合、結腸3位、直腸9位 | |||||
男女計 | 肺 | 大腸 | 胃 | 膵臓 | 肝臓 |
大腸と結腸と直腸に分けた場合、結腸4位、直腸7位 |
検査は胃の中に食べたものがあっては観察できませんので、おおよそ前日の夜、夕食後から絶食になります。当日は絶食で来院していただき、検査を受けていただくことになります。通常、検査時間は5〜10分程度で終わりますが、精密検査や内視鏡治療となると検査時間は長くなります。先ほど述べたように、カメラは2種類あり、従来からある太さ10mm程度の通常のカメラ、鼻から挿入することも可能な(口から挿入することも可能です)太さ5mm程度の細いカメラがあります。以前は細いカメラは画質が劣っていましたが、昨今は技術の進歩で画質は通常のカメラに近づいています。
その細いカメラを鼻から挿入するカメラを経鼻内視鏡といいます。経鼻内視鏡は鼻からカメラを挿入することで舌の付け根に内視鏡が触れないため、嘔吐感が殆どありませんので、口からの検査がご負担であった方には有用です。また、鎮静剤を使用することが少なく、車やバイクなどで来院可能なことが多いです。一方、鼻の穴が狭い方は検査困難であったり、鼻出血が起きたり、鼻が痛くなったりする方もおられますのでご注意です。
以上、メリットが多い検査ですが、胃バリウム検査に比べるとカメラの方が苦しいと感じることが多いようです。鎮静剤を使用することで楽にできることが多いですが、車やバイクでの受診で鎮静剤を使用できない場合は体へのご負担が多少なりともあります。
バリウムとは造影剤の1つで、レントゲンで撮影すると白く映ります。胃はレントゲンではX線が通過してしまい、そのままでは観察できませんが、バリウムを用いることで胃の凹凸に溜まり、胃の性状を評価することが可能になります。
メリットとしては、短時間に検査可能で、費用も安い点が挙げられます。非常に稀にバリウムが腸に詰まり腸閉塞やそれによる穿孔(穴があくこと)のリスクがありますが、基本的には出血や穿孔といった合併症は殆どありません。
デメリットとしては、僅かな医療被曝があり、その他、病変が疑われても、組織検査ができませんので正確な診断ができません。
よって、バリウム検査で異常が見つかっても、精密検査として必ず「胃カメラ」が必要となりますが、スクリーニング検査としては有用であり、まだまだ広く行われています。
以上、胃カメラと胃バリウム検査についてご紹介させていただきました。胃がんは緩やかに減ってきているものの、罹患数や死亡数は高いため、胃カメラか胃バリウム検査のいずれかを利用した定期チェックをお勧めします。では、どちらがおすすめか、といったご質問もよくあります。検査間隔はピロリ菌の有無や除菌治療歴で患者さんごとに異なりますが、個人的には一度で詳しく調べることが可能な胃カメラをお勧めします。一方、胃カメラは体へのご負担、費用のこともありますので、迷われるようであれば担当医と相談していただき、選択していただけたらと思います。
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