鼻づまりや頭重感など、副鼻腔炎(蓄膿症)の不快な症状を市販薬でやわらげたいと考えている方は多いものです。
しかし、薬の種類が多く「どれが本当に効くの?」「病院に行かずに治せるの?」と迷ってしまうこともあるでしょう。また、自己判断で選ぶのは不安という方も少なくありません。
この記事では、副鼻腔炎に効果が期待できる市販薬の特徴や選び方、症状をやわらげるセルフケアなどについて詳しく解説します。市販薬で少しでも快適に過ごしたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
副鼻腔炎とは、鼻の奥にある「副鼻腔」と呼ばれる空洞に炎症が生じる病気です。副鼻腔は鼻の周囲に左右対称に4つずつ存在する空洞で、健康な状態では空気で満たされています。
副鼻腔炎には「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」があります。慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎が長引いたり繰り返し起こったりするもののことです。
副鼻腔炎の原因には、以下のようにさまざまなものがあります。
最も一般的なのは、風邪をきっかけとした発症です。風邪によって起こった鼻の炎症が副鼻腔にまで広がることがあるのです。また、風邪の原因となるウイルスが副鼻腔内に侵入して発症するケースもあります。
副鼻腔炎の症状としては、次のものが代表的です。
副鼻腔炎の主な症状には、粘り気のある黄色や緑色の鼻水、鼻づまりなどがあります。人によっては、頭や顔の重だるさを感じることもあるでしょう。特に頬骨や眉間、目の奥が重く感じるのが特徴です。
鼻声や口臭、集中力の低下など日常生活に支障をきたすこともあるため、症状を放置せず早めに対策をすることが重要です。
副鼻腔炎と蓄膿症は、いずれも副鼻腔と呼ばれる鼻の奥の空洞に炎症が起きる疾患です。一般的に「副鼻腔炎」は医学的な病名として使われています。
一方で「蓄膿症」という言葉は、俗名です。多くは、慢性副鼻腔炎のことを指します。
しかし、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の線引きが曖昧なため、蓄膿症=副鼻腔炎として使われることも少なくありません。
ここからは、副鼻腔炎に効果が期待できる市販薬を7つ紹介します。子どもが使用できる市販薬も紹介しているので参考にご覧ください。
チクナインは、9種類の生薬から成る辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)が主成分の漢方薬です。錠剤と顆粒の2種類があり、錠剤は5歳から、顆粒は2歳から服用できます。
辛夷清肺湯は、副鼻腔炎の原因となる菌を減らし、さらに膿の排出を促します。朝と夜の2回服用すれば良いため、学校や職場で昼間に服用する必要がありません。
有効成分 ●シンイ
●オウゴン
●チモ
●サンシシ
●ショウマ
●ビャクゴウ
●バクモンドウ
●ビワヨウ
●セッコウ効能効果 体力中等度以上で、濃い鼻汁が出て、ときに熱感を伴うものの次の諸症:鼻づまり、慢性鼻炎、蓄膿症(副鼻腔炎) 用法用量 〈錠剤〉
15歳以上:1日2回、1回4錠
7歳以上15歳未満:1日2回、1回3錠
5歳以上7歳未満:1日2回、1回2錠
〈顆粒〉
15歳以上:1日2回、1回1包
7歳以上15歳未満:1日2回、1回2/3包
4歳以上7歳未満:1日2回、1回1/2包
2歳以上4歳未満:1日2回、1回1/3包公式サイト:チクナイン
副鼻腔炎の他、アレルギー性鼻炎や急性鼻炎などにも効果がある飲み薬です。
抗アレルギー作用と抗ヒスタミン作用を持つメキタジン、鼻づまりを改善する塩酸プソイドエフェドリンやdl-メチルエフェドリン、頭重感を改善する無水カフェインなど全部で6種類の有効成分が配合されています。
眠気が出ることがあるので、服用後の運転や高所での作業は避けてください。
有効成分 ●メキタジン
●塩酸プソイドエフェドリン
●dl-メチルエフェドリン塩酸塩
●ベラドンナ総アルカロイド
●シンイエキス
●無水カフェイン
効能効果 急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による次の諸症状の緩和:くしゃみ、鼻水(鼻汁過多)、鼻づまり、なみだ目、のどの痛み、頭重(頭が重い) 用法用量 15歳以上:1日3回、1回1カプセル 公式サイト:ロート アルガード鼻炎内服薬ゴールドZ
5歳から服用できる飲み薬です。荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)という漢方薬のみを使っており、眠くなる成分は含まれていません。
余分な熱を冷やして体の外に逃がし、さらに気をめぐらせて鼻づまりを改善します。副鼻腔炎の他に、慢性扁桃炎やニキビにも有効です。
有効成分 ●トウキ
●シャクヤク
●センキュウ
●ジオウ
●オウレン
●オウゴン
●オウバク
●サンシシ
●レンギョウ
●ケイガイ
●ボウフウ
●ハッカ
●キジツ
●カンゾウ
●キジツ
●ビャクシ
●キキョウ
●サイコ効能効果 体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症:蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび 用法用量 15歳以上:1日3回、1回4錠
7歳以上15歳未満:1日3回、1回3錠
5歳以上7歳未満:1日3回、1回2錠公式サイト:ベルエムピL錠
5歳から服用できる漢方薬です。荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は、アレルギーやハウスダストなどの刺激に反応しやすい体質の方に向いています。
解毒効果のある処方となっており、鼻の通りを良くしたり膿の排出を促したりする効果があります。慢性鼻炎やニキビにも効果があるのが特徴です。
有効成分 ●ケイガイ
●レンギョウ
●トウキ
●シャクヤク
●センキュウ
●ジオウ
●オウレン
●オウゴン
●オウバク
●サンシシ
●ボウフウ
●キジツ
●カンゾウ
●ハッカ
●サイコ
●キキョウ
●ビャクシ効能効果 体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく腹壁が緊張しているものの次の諸症:蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきび 用法用量 15歳以上:1日3回、1回4錠
7歳以上15歳未満:1日3回、1回3錠
5歳以上7歳未満:1日3回、1回2錠公式サイト:荊芥連翹湯エキス錠F
1日2回の服用で効く鼻炎薬です。副鼻腔炎はもちろん、急性鼻炎やアレルギー性鼻炎の諸症状にも効果を発揮します。
鼻粘膜の充血を抑える塩酸プソイドエフェドリン、抗ヒスタミン薬のマレイン酸カルビノキサミンなどが配合されており、気になる症状を総合的に緩和します。
有効成分 ●塩酸プソイドエフェドリン
●マレイン酸カルビノキサミン
●ベラドンナ総アルカロイド
●無水カフェイン効能効果 急性鼻炎、アレルギー性鼻炎又は副鼻腔炎による次の諸症状の緩和:くしゃみ、鼻水(鼻汁過多)、鼻づまり、なみだ目、のどの痛み、頭重(頭が重い) 用法用量 15歳以上:1日2回、1回2カプセル 公式サイト:パブロン鼻炎カプセルSα
副鼻腔炎による頭痛の症状を軽減する鎮痛薬です。副鼻腔炎そのものを改善するものではありませんが、一時的に症状をやわらげられます。
基本は1日2回までの服用となりますが、症状が再度あらわれた場合は1日3回まで服用可能です。続けて服用するときは、4時間以上あけてください。
有効成分 ロキソプロフェンナトリウム水和物 効能効果 ●頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛
●悪寒・発熱時の解熱用法用量 15歳以上:1日2回、1回1錠
※症状が再度あらわれた場合は1日3回まで服用可公式サイト:ロキソニンS
副鼻腔炎による鼻づまりを軽減する薬です。7歳以上から使用できます。鼻粘膜の充血や腫れを軽減するナファゾリン塩酸塩が主成分です。
1日最大6回まで使用できますが、続けて使用する場合は3時間以上あけてください。3日ほど使用しても症状が改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。
有効成分 ●ナファゾリン塩酸塩
●クロルフェニラミンマレイン酸塩
●ベンザルコニウム塩化物効能効果 アレルギー性鼻炎、 急性鼻炎又は副鼻腔炎による次の諸症状の緩和:鼻づまり、鼻水(鼻汁過多)、くしゃみ、頭重 用法用量 15歳以上、7歳以上15歳未満:1日6回を限度として1回に1~2度ずつ鼻腔内に噴霧 公式サイト:ナザール「スプレー」
副鼻腔炎の不快な症状をやわらげるには、日常的なセルフケアも重要です。ここでは、自宅で簡単に取り入れられるセルフケア方法を3つ紹介します。
副鼻腔炎による鼻づまりや頭重感には、蒸しタオルを使った温熱療法が効果的です。温かいタオルを目や頬の周辺に数分間あてることで血行が促進され、副鼻腔内の膿が排出されやすくなります。また、鼻の通りが良くなり、痛みや不快感の緩和につながることもあります。
温かい飲み物を摂取すると、血行が促進されるため鼻の通りを良くする効果が期待できます。副鼻腔炎の症状が出ているときは、冷たい飲み物を避け、温かい飲み物を摂るように心がけましょう。
鼻うがいは、副鼻腔炎による鼻づまりや膿の排出を助ける効果が期待できます。専用の洗浄液や生理食塩水を使って鼻腔内を洗浄することで、膿やアレルゲン、ホコリなどの異物を取り除くことが可能です。
水道水を使うと刺激を感じることがあるため、必ず専用の洗浄液や生理食塩水を使用してください。
最後に、副鼻腔炎に使える市販薬に関するよくある質問にお答えします。
抗生物質は市販では取り扱いがなく、医師の処方箋が必要です。市販薬はあくまでも炎症や痛みの緩和を目的とした成分が中心となります。副鼻腔炎が長引く場合や症状が激しい場合は、耳鼻科などの医療機関を受診しましょう。
副鼻腔炎による痛みを緩和するのにロキソニンが使用できます。ただし、ロキソニン自体には原因となる感染を根本的に治す効果はありません。一時的に症状を緩和したいときに使用しましょう。
副鼻腔炎がアレルギーをきっかけに発症している場合、アレグラを用いることがあります。ただし、膿がたまっているような細菌性の副鼻腔炎には直接的な効果は期待できません。
副鼻腔炎に効果がある市販薬には、チクナインやロキソニンS、ナザール「スプレー」などがあります。細菌を殺菌・抑制する働きがある抗生物質は市販では取り扱いがないので注意してください。
また、副鼻腔炎の症状が長引いていたり、良くなったり悪くなったりを繰り返している場合は耳鼻科などの医療機関を受診しましょう。悪化すると顔の腫れや痛み、視力低下などの症状が出ることもあるため、早めに適切な治療を受けることが大切です。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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