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難しそうなメニューも基本的なことを知っていれば意外に簡単です。チャレンジしてみませんか?|広島の健康・子育て情報|ファミリードクター

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難しそうなメニューも基本的なことを知っていれば意外に簡単です。チャレンジしてみませんか?

難しそうなメニューも基本的なことを知っていれば意外に簡単です。チャレンジしてみませんか?

2024.03.08

大学生の頃、イタリアンのお店ができて初めてピザを食べました。何しろ『女の子は外で食事をしたらはしたない』と言われるような家庭環境でしたから、随分大人になったような気がしました。夏休みに神戸の北野町にある風見鶏の館近くの家に居候をして、当時珍しかった輸入食品のお店でアルバイトをしてから、私はすっかり洋食にかぶれてあれこれとチャレンジしました。今でもケチャップはHeinzのものを使っています。今回懐かしくてHeinzのデミグラスソースを使ってみました。
少しハードルが高そうな料理も一度作ってみれば案外簡単にできるものです。あとは自己流でどうぞ!
(材料は特記がない限り2人分です)
(使用しているめんつゆは2倍濃縮のものです)

前回:春から一人暮らしをする人は少しづつ料理を始めてみませんか?季節を感じる簡単メニューです。

POINT

  • 一見難しそうな料理にチャレンジ! 案外簡単なんです。
  • 調理工程は少なく、材料の無駄を省き、短時間で調理を済ませます。
  • 調味料は単純にして、できるだけ手間を省いた節約レシピです。でも時々奮発します!
  • 時々出てくる調理用語は意味が分かれば簡単です。分かりやすく解説します。

画像をタップするとレシピに移動します。

月曜日の献立

厚揚げ入りぶり大根

冬は魚の煮物がおいしい季節です。脂がのった鰤(ぶり)も身がたくさんついたあらを買えば安上がりです。鰤の他には鯛のあらなどもおいしいです。大きめに切った大根も味が滲みておいしい。ショウガを効かせて。

  • 大根 1/3本(葉っぱ側の太い部分)
  • ぶりのあら(ひと盛り)
  • 厚揚げ 2丁
  • 昆布 10㎝
  • ショウガ 大きめをひとかけ(皮付きのままスライスしておく)
  • 飾り用ショウガ ひとかけ(小さめのショウガを針ショウガに切っておく)
    ※針ショウガはごく細い千切りで、繊維に沿って切ると良い。
  • 調味料:めんつゆ大さじ4、酒100㏄、みりん大さじ3
  1. 大根は太い側が辛くなくて煮物用に向くので、2㎝厚さの半月に切って、厚めに皮をむいて切り口を面取りしておくと荷崩れしにくい。片面に隠し包丁を一本入れておくと味が染みやすい。大根は水から茹でて、沸騰したら5分ほど茹でておきます。
    ※面取りは切った素材の角の部分を包丁でそぎ落として、丸く形を整える事。煮込んだ時に煮崩れしにくい。
    ※隠し包丁は火の通りをよくしたり、味をしみやすくしたり、また食べやすくするために材料の裏側に入れる切り目のことです。
  2. 昆布は表面をぬれ布巾で拭いて、大きめの鍋にカップ3の水を入れて昆布をつけておきます。
  3. ぶりのあらはしっかり洗ってざるに並べ、1の大根のゆで汁を沸騰させて回しかけて、湯通ししておきます。
    ※湯通しは材料に熱湯を回しかけたり、さっと熱湯の中につけたりすることです。殺菌効果や、表面を固めて旨味を逃さない効果があります。
  4. 厚揚げは湯通しをして、盛り付けやすい大きさに切っておきます。
  5. 昆布の入った鍋に大根を入れて、中火で煮ます。煮立ってきたらショウガと調味料を加えて、同時にぶりと厚揚げを入れて落しぶたをし、煮立つまで中火、煮立ってきたら弱火で煮ます。
    ※落としぶたは煮物を作るときに、鍋の中に落として直接材料の上にかぶせるふたのことで、煮汁が全体によく回り味が付きやすく、また材料が動きにくいので荷崩れも防ぎます。小さめのふたがなければ、アルミ箔を鍋の大きさに切り真ん中に穴をあけて落とし込んでも良い。
  6. 大根に串を刺してみて、すっと通れば煮えています。味をみてよければ火を止めて少し冷めるまで置いて味が入れば、針ショウガを天盛りにして盛り付けます。
    ※天盛りとは香りや味・彩のアクセントのために、料理の一番上に盛るもののことです。
鰤(ぶり)は出世魚と呼ばれる魚で、成長するにつれて呼び名が変わる戦国武将に起因します。地方によって呼び名も違うようです。よく魚屋さんで見るのが『はまち』で40㎝前後のものを呼びます。はまちより小さいものは『つばす』と呼び、お刺身にしても味は淡白です。はまちより大きいものをぶりと呼びます。特に冬のぶりは寒ぶりと呼ばれ、脂がのっておいしいです。近年はかなりの量が養殖されています。

さつま芋と鶏肉の炒めもの

さつま芋は寒さに弱いので、使い残りも冷蔵庫に保存しないでさっさと使ってしまいましょう。

  • さつま芋 1本
  • 鶏むね肉 100g
  • 酒 大さじ1
  • かたくり粉 大さじ1
  • サラダ油 大さじ1
  • 調味料:めんつゆ大さじ1と1/2、砂糖小さじ2
  1. さつま芋は皮をむいて1㎝厚さの半月に切って、5分程度水につけておきます。
  2. 鶏むね肉は一口大に切って酒をもみ込んで、かたくり粉をまぶしておきます。
  3. フライパンに油を熱したら、水けを拭いたさつま芋と2の胸肉を入れて中火でしっかり火を通します。
  4. さつま芋に火が通ったら調味料を合わせ混ぜて、絡めながら焼き付ければ出来上がりです。
さつま芋は1cm以上厚いと火が通りにくいし、薄すぎると割れてしまいます。さつま芋が太いようならさらに半分のいちょう切りにします。切ったさつま芋は放置しておくとアクが出て切り口が黒くなるので、水につけましょう。

にらの甘酢あえ

北海道や東北など寒い地方では、体が温まり精がつく野菜として古くから食べられていたようです。

  • にら 1/2束
  • 調味料:市販の甘酢大さじ1
  1. にらは根元の端を輪ゴムで束ねたまま洗って、熱湯でゆでます。
  2. 鮮やかな色に変わったら、引き上げて冷水にとり3~4㎝に切ります。
  3. 軽く絞って甘酢で和えて小鉢に盛り付けます。
甘酢は酢が大さじ3、砂糖が大さじ1と1/2、みりんが大さじ1、塩少々です。甘味が強い酢なので魚介類やきゅうり、かぶ、大根などに合います。昔と比べると酢のものが全体的に甘くなっているような気がします。
にらはもやしなどと合わせて炒めたり、卵でとじたり、レバーと炒めたりするとおいしいです。もつ鍋などにもおいしい食材です。

火曜日の献立

豚カツ(ミルフィーユ風)

薄切り肉しかなくても大丈夫! 重ねてしまえば豚カツができます。軟らかいので、子供から高齢者までおいしく食べられます。

  • 豚薄切り肉 200g(6枚)
  • 調味料:塩、コショウ少々
  • 小麦粉 大さじ4
  • 溶き卵 1個分
  • パン粉 大さじ4
  • 揚げ油 適宜
  • 付け合わせ:レタス適量、ミニトマト6個
  • 調味料:ケチャップ大さじ1、お好みソース大さじ1、粒マスタード適宜(なければ練がらし)
  1. 豚肉を広げ、全体に塩、コショウを軽く振っておきます。

  2. 豚肉は3枚づつ重ねて厚切り肉のように形を整えます。まとまらない時は、爪楊枝で止めておくと良い。
  3. 豚肉の両面に小麦粉、溶き卵、パン粉の順につけて両手で軽く押さえて形を整えます。
  4. 揚げ油を中温に熱して、3の豚肉を静かに油の中へ滑らせるように入れます。
  5. 両面がきつね色に揚がったら、取り出して油を切ります。
  6. 食べやすいように切って、付け合わせと共に盛り付けます。調味料は混ぜ合わせて小さな小鉢で手元に添えます。(写真はぐい飲みです。使わなくなったぐい飲みは調味料や薬味入れに重宝します。)
揚げ物のコツは材料の水けをしっかり拭いて衣をつけることと、材料によって適切な温度を守ること。まだ十分に温度が上がっていないのに材料を入れないようにしましょう。中火にかけて2分~3分で100度を超えます。乾いた菜箸を入れてみて、箸から細かい泡がゆっくり上がってくる時が低温(150度)で、大きい泡が直ぐに揚がったら中温(160度)、大量の泡が勢いよく上がってきたら高温(170度)です。
※使い終わった油は量が多くなければ2~3回は再使用できますが、使い終わったら揚げかすなどを除いてオイルポットなどに保管し、早いうちに使い切りましょう。古い油は直接流しに捨てることのないように、油処理用凝固剤などで処理して捨てましょう。

切り干し大根の煮物

切り干し大根は生の大根にはない乾物特有の独特のうまみがあります。保存がきくので買っておくと重宝します。戻してあえ物にしてもおいしいです。

  • 切り干し大根 20g
  • にんじん 40g
  • さつま揚げ(小)1枚(油揚げなどでも良い)
  • 調味料:酒大さじ1、めんつゆ1と1/2、砂糖小さじ2
  1. 切り干し大根はサッと洗って、かぶるくらいの水につけて戻す。
  2. にんじんは切り干し大根の形に合わせて切っておきます。(千切りの場合は千切りに。)
  3. さつま揚げは食べやすい大きさに切っておきます。
  4. 鍋に切り干し大根、にんじんを入れて材料が浸かるくらいの水を入れて火にかけます。
  5. 煮立ってきたら、さつま揚げと調味料を加えて弱火にして煮ます。
切り干し大根はビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富です。昔のように土や石などが混入することもないので洗いすぎないようにしましょう。うま味が抜けてしまいます。千切りのものは長い場合があるので、戻してからザクザク切っておくと良いでしょう。
※乾物は保存がききますが、夏を超すと茶色く変色してしまいますので早めに使ってしまいましょう。

赤だし

病院勤務の折に豚カツと赤だしの給食の献立を立てたら『大好物です』と言ってくださる先生がいて、それから何となく『赤だし』が似合う気がしています。

  • なめこ 1/2袋
  • 青ネギの小口切り 適宜
  • 赤みそ 大さじ2弱
  • だし汁 2カップ(市販のだしの素を使っても良い)
  1. 鍋にだし汁を煮立てて、だし汁でのばしながら赤みそを加え、沸騰しないように弱火にして、軽く洗ったなめこを加える。
  2. 沸騰させないようにして、椀に盛る直前に青ネギを散らす。
みそ汁1人分の味噌の量は大体梅干し1個分の量です。みそを加えてから沸騰させると風味が損なわれるのでぐらぐら煮ないようにしましょう。また、薄味にしても1g程度の塩分を摂取することになりますから、献立の味のバランスを考えながら作ってください。
※料理の基本だし:2人分のだしを取る時は、鍋に2と1/2カップの水を入れて、市販のティーバッグにカツオ節と昆布を入れて強火にかけ、煮立ったら弱火にして5分ほどすればおいしいだしが取れます。しかし、あまり気負わず、だしの素を使えば良いと思います。(だしの素の塩分には気をつけてください)

水曜日の献立

カリフラワーのグラタン

グラタンはフランス南東部の郷土料理だとか。市販の簡単にできる商品や冷凍食品が売られるようになって、この20年位ですっかり日本の献立中に仲間入りしました。実はとても簡単にできるので、具材を変えて作ってみませんか?

  • カリフラワ― 1/2株
  • 玉ねぎ(小)1/2個
  • 鶏こま切れ肉 60g
  • 調味料:塩・コショウ 各少々
  • バター 大さじ2
  • 小麦粉 大さじ2
  • 牛乳 1カップ
  • 粉チーズ・パン粉 各大さじ1 (粉チーズはなければピザ用のチーズでも良い)
  1. カリフラワーは小房に分けて硬めに茹でておきます。
  2. 玉ねぎは3㎝長さの薄切りにします。

  3. フライパンにバター大さじ1を中火で熱し、小麦粉を振り入れて焦がさないように、木べらなどを使ってしっかり炒めます。弱火にして、牛乳を少しづつ加えてとろみをつけます。この時泡立て器で混ぜるとだまになりにくいです。それでも心配な時は火から外して混ぜてみてください。
  4. 3以外のフライパンに(フライパンが一つしかない時は鍋で)バター大さじ1を熱して、玉ねぎと鶏肉を加えて炒め、塩コショウをします。鶏肉に火が通って玉ねぎが透き通ってきたら火を止めます。
  5. 4の中にカリフラワーも加え、3のホワイトソースを半量加えて混ぜておきます。
  6. 2個の耐熱の器に4を入れて、残りのホワイトソースを広げてかけ、粉チーズとパン粉をかけます。
  7. オーブントースターに入れて、10分位焼きます。材料に火は通っているのでぐつぐつして、焦げ色が付けば出来上がりです。
ホワイトソースができれば、クリームシチューも市販のルーなしで作れます。グラタンはほうれん草やベーコン、ゆで卵、または魚介類などを入れれば主菜になりますし、マカロニやじゃが芋を入れれば主食にもなります。市販のルーで作った料理を食べた後、食器に脂肪の筋が入っていて驚きませんか?自分で作れば自由に脂肪の量が調整できます。
※木べらや泡だて器はいろんな使い方ができるので、あると便利です。安いものでも問題ないので購入をお勧めします。

サーモンのマリネ

前日から玉ねぎの薄切りと共に漬け込んでおけば、らくらくメニューです。生食用を使ってください。

  • 刺身用のサーモン 1さく(200g位)
  • 調味料:塩・砂糖各小さじ1/2・コショウ少々、オリーブオイル(今回はレモン入りを使用)・ワインビネガー各大さじ1と1/2、(レモンがあれば1/2個分をワインビネガーの代わりに使用する)
  • 紅芯大根 1/2本(なければ普通の大根10㎝)
  • 紫玉ねぎ(小)1/2個(なければ普通の玉ねぎ(小)1/2個)
  • イタリアンパセリ 適宜
  1. サーモンは塩、コショウと砂糖を振りかけて、キッチンペーパーにつつんで30分くらい置いておきます。
  2. 紅芯大根、玉ねぎは薄く切ってそれぞれ水にさらしておきます。
  3. 1のサーモンはキッチンペーパーをはがして、薄く切ります。
  4. 盛り皿に水を切った紅芯大根を並べ、その上にサーモンを並べて玉ねぎの薄切りを散らします。
  5. 1で使った以外の調味料を混ぜ合わせて全体に回しかけます。上からパセリのみじん切りを振りかけます。
  6. 各自が大根や玉ねぎと一緒に取り皿に取り分けていただきます。
鮭のピンク色はサーモンピンクっていう色の名前があるように、赤い色はカロチノイド色素の一種であるアスタキサンチンによるものです。アスタキサンチンは抗酸化作用が強く、老化や免疫力の低下、動脈硬化の予防にも効果が期待される色素です。

焼きかぼちゃ

かぼちゃは産地がいろいろ変わりながら一年中売られています。今のシーズンはほとんどカットされたものが売られていますので、購入したらワタと種をスプーンでこそげ取ってから、ラップをして冷蔵庫の野菜室へ保存しておきましょう。

  • かぼちゃ 1/6切れ程度
  • サラダ油 小さじ1
  • 調味料:めんつゆ・酒 各小さじ1
  1. かぼちゃはワタと種を取って縦半分に切り、5㎜幅に切っておきます。
  2. フライパンに油をひいて熱し、かぼちゃを並べて焼きます。
  3. かぼちゃを裏返して両面がこんがり焼けたら調味料を混ぜて回しかけて、火を止めます。
かぼちゃのオレンジ色はβ-カロテンの色です。β-カロテンは粘膜や皮膚を丈夫にするので、風邪予防や肌の健康を保つためにお勧めです。またかぼちゃに含まれるビタミンⅭは熱に強く調理しても壊れにくいので効率よく摂取できます。皮が硬くなければ栄養が豊富な部分なので、皮ごと調理しましょう。

木曜日の献立

肉じゃが

昔、『肉じゃがをおいしく作れたら男性に喜ばれる』という時代がありましたが、現代はあまりに食生活が多様化してしまって、そのような話も聞きません。でもやはり肉じゃがはおいしいです。コクのあるおいしい肉じゃがを作ってみましょう。

  • 豚バラのブロック肉(薄切り肉でも可)100g
  • じゃが芋 3個(大きければ2個)
  • にんじん 1/2本
  • しらたき 1袋(あく抜きが必要なものは塩でもんで、水洗いしたのち沸騰した湯で5分茹でておく)
  • サラダ油 小さじ2
  • 調味料:砂糖・酒各大さじ1、めんつゆ大さじ2
  • スナップエンドウ 3個(さやいんげんやさやえんどうでも良い。)
  • ※メ―クイーンより男爵芋の方がホクホクして肉じゃがに向きますが、煮くずれしやすい。
  • ※しらたきなどのコンニャク類はコンニャクを固める時に石灰などを入れることや、本来持つアクを取るため、軽く塩もみをして2~3分熱湯で茹でてアク抜きをすると良い。
  1. じゃが芋は皮をむいて、4等分位に切り、にんじんはそれより少し小さめの乱切りに切っておきます。
  2. 豚肉は5㎜幅くらいに切っておきます。しらたきは5~6㎝長さに切っておきます。
  3. スナップエンドウは彩に使いたいので、筋を取って茹でておく
  4. 鍋に油を熱して、中火で豚肉を炒めて、じゃが芋、にんじん、しらたきを加えてさらに炒めて酒を振ります。
  5. 4に、水1カップを加えて煮立て、砂糖を加えてふたをして8分位弱火で煮ます。
  6. 8分したら、めんつゆを加えてさらに弱火のまま8分ほど煮ます。最後にスナップエンドウを加えて、じゃが芋が煮崩れないようにざっくり混ぜます。
肉じゃがは牛肉でも豚肉でも好みで良いと思いますが、牛肉も高いので少し厚みのある豚バラを使ってみました。タマネギや白菜を入れてしまうと、べちゃべちゃしたすき焼き風の煮ものになってしまいます。水分はできるだけ少なくすると、こっくりした美味しいじゃが芋の煮ものができます。また、砂糖の甘味を先にしみこませて、最後にしょうゆ味を入れたほうが味がしみこみやすいです。

分葱(わけぎ)のぬた

分葱は今が旬です。病院給食に分葱とかまぼこを酢味噌で和えた献立を入れていました。「久しぶりに食べた。おいしいねえ。」と言ってくださる方がたくさんおられました。それくらい懐かしいお料理になってしまったんでしょうね。

  • 分葱 1把
  • あさりのむき身 50g(なければむきエビやホタテ貝などでも良い)
  • 酒 大さじ1/2
  • 調味料:白みそ50g、練りからし小さじ1、砂糖小さじ1、酢大さじ1(子供が食べる場合はからし抜きで)
  • (調味料のからし酢味噌は市販の出来たものが、数種類販売されています)
  1. 分葱は根元を切り取りよく洗って3~4㎝長さに切って、鍋に湯を沸騰させた中に根元の方から順番に入れて茹で、ざるに広げて冷まします。
  2. あさりのむき身は酒を振りかけて、熱湯をくぐらせます。(煮ると硬くなるので注意)
  3. 調味料を合わせて、ボウルに分葱とあさりを入れて、少し控えめにからし酢味噌を加えて混ぜ合わせます。
分葱は2月~4月が旬です。ねぎの変種でねぎよりも葉の部分が細い。根元の部分が多くの株に分かれるので、分け取るねぎという意味で分葱となったとか。実際はねぎと同じように薬味やなべ物、汁の実などにも使えばよいと思います。一度にたくさん買ったら茹でて冷凍しておけば和え物に使えます。

豆乳スープ

豆乳は豆腐製造の副産物として古くからあって、随分前に某製薬会社が豆乳を大々的に売り出しましたが、価格も安いとは言えず、一般的ではありませんでした。しかし最近飲みやすい豆乳が沢山販売されています。植物性のたんぱく質が足りない方は是非豆乳を使ってください。

  • 豆乳 2カップ
  • 絹ごし豆腐 1パック(150g)
  • ねぎ 少々
  • 調味料:コンソメ顆粒小さじ1、好みでコショウ少々
  1. 鍋に豆乳とコンソメを入れて火にかけ、煮立ってきたら豆腐をさいの目に切って加える。
  2. 弱火にして吹きこぼれないように5~6分煮て火を切ったらねぎを加えます。好みで、コショウを振る。
豆乳スープは朝のたんぱく質摂取には最適です。カップ1杯で7g位のたんぱく質が取れます。豆乳の中にショウガ汁を加えたり、味噌汁の中にカップ1/2位加えてもおいしいです。大豆固形分8%以上のものが豆乳で、豆乳に植物油脂、砂糖類、塩などの調味料を加えたもので大豆固形分6%以上のものが調整豆乳。大豆固形分4%以下のものと果汁や野菜汁、乳製品などを加えたものは豆乳飲料と呼ばれます。

金曜日の献立

ビーフシチュー

ハッシュドビーフは作ってもビーフシチューはちょっと大変そうな気がしたり、クリームシチューは作ってもビーフシチューは苦手と言う方が多いのかもしれません。市販のルーを使わないで挑戦してみましょう!

  • (せっかく長時間煮込むので4人分作ります)
  • 牛もも肉(シチュー用)600g
  • 牛肉用:塩・コショウ適宜、薄力粉、サラダ油各適量
  • 玉ねぎ(大)1個 300g
  • にんじん(小)2本
  • きのこ (マッシュルーム、しめじ、しいたけ、マイタケ、エリンギ等どれでも可)
  • さやいんげん12本(冷凍でも可)茹でておきます。
  • ニンニク 1片(スライスしておく)
  • サラダ油 大さじ2
  • 調味料:赤ワイン1と1/2カップ、トマトピューレ1カップ、砂糖小さじ1、デミグラスソース1缶290g
  • ローリエ2枚、塩小さじ1/2、粗挽き黒コショウ少々
  • バター20g
  • 生クリーム適宜(コーヒー用生クリームでも可)
  1. 玉ねぎは2~3㎝幅のくし形に切ります。ニンニクは包丁で押さえてつぶし、粗みじんに切ります。にんじんは大きめの乱切りにします。きのこは石づきを切り落とし、小房に分けたり大きいものは半分に切っておきます。牛肉はブロックの場合は繊維を断ち切るように一口大に切り分けて塩、コショウを振っておきます。

  2. フライパンに油を引いて熱し、小麦粉を軽くまぶした牛肉を並べて全体をこんがり焼きます。
  3. 大きめの鍋にワインとトマトピューレ、砂糖を入れて中火で煮立て、沸騰してきたら2の肉を加え、再び沸騰したら水2カップを加え、ローリエを入れて中火で煮込みます。30分タイマーをかけておきます。
  4. 2のフライパンをペーパータオルで軽く拭いて、油大さじ1を入れて火にかけ、ニンニクを炒めて玉ねぎとにんじん、きのこを加えて1~2分炒めておきます。
  5. 30分経ったら、3の鍋に水1カップを足して、4の野菜を加えて沸騰するまで中火で煮て、その後弱火で1時間、時々アクをすくいながら煮込みます。この時も1時間タイマーをかけておきます。
  6. 1時間経ったら、デミグラスソースを加えて30分ほど煮ます。30分タイマーをかけます。
  7. 茹でておいたさやいんげんを加え、バター20gを加えてひと混ぜしてできあがり、仕上げに生クリームを回しかけます。
ビーフシチューはイギリス発祥のシチューのようですが、シチューは肉や魚介を入れて野菜と共に煮込めば良いのです。電子レンジなどを活用して時短調理も良いのですが、時間をかけてゆっくり煮込み出来上がりをわくわくしながら待つのも良いと思いませんか?本を読んだり、片づけ物をしながら待ちましょう。その際必ずタイマーをかけて、お鍋を忘れないように。
※料理初心者にとっては、初めは調理時間や量を正確に測ることも大切です。先ず計量カップ(200㏄で、熱に強いものが良い)・計量スプーン(大さじ15㏄、小さじ5㏄、2.5㏄の3本があると便利)。キッチンスケールもコンパクトなものがあるのでそろえてほしいものです。キッチンタイマーは安価で良いので、2個あると便利です。

ブロッコリーとゆで卵のサラダ

ブロッコリーは今が旬です。100g食べれば1日分のビタミンⅭが取れます。

  • ブロッコリー 1/2株
  • 卵 1個
  • 調味料:マヨネーズ適量、カレー粉少々
  1. ブロッコリーは小房に分け洗ってから、耐熱容器に入れてラップをして電子レンジで2分加熱します。硬ければ調整してください。
  2. 卵は1個茹でるのはもったいないので、朝食分も合わせて3個茹でます。水は卵に被るくらいまで入れて、
  3. お箸でコロコロかき混ぜながら、沸騰してきたら弱火にして3分ほど茹でて冷水にとり殻をむきます。
  4. 調味料のマヨネーズに少しカレー粉を加え、混ぜておくとスパイシーなソースになります。
  5. ブロッコリーと縦に切り分けた卵を飾り、ソースを添えて勧めます。
ブロッコリーも卵も扱いやすい食材です。私はたんぱく質と、ビタミンⅭ、β-カロテン、食物繊維の補給にほぼ毎朝のように食べています。人数が少ない場合は卵もついでに2日分づつ茹でておいてはどうでしょうか?忙しい朝も余裕で朝食準備ができます。
※ブロッコリーは小房に分けて600wで100g・2分の目安で加熱してください。湯を沸かさなくて良いし、ビタミンⅭ、カリウムなどが水に溶けだすのを防ぐことができ一石二鳥です。ブロッコリーの茎は捨てずに、皮をむいて加熱しサラダにしたり、にんじんと合わせてごま油で炒めてきんぴら風にしてみましょう。

キウイフルーツのヨーグルトかけ

キウイを初めて見た時は茶色の毛にびっくり。キウイフルーツはキウイと言うニュージーランドの飛べない鳥の名前に因んでつけられました。丸くて茶色の羽がよく似ています。ビタミンⅭがたっぷりのフルーツです。

  • キウイフルーツ1個
  • プレーンヨーグルト150g
  • ハチミツ小さじ1
  1. ヨーグルトはハチミツを混ぜておきます。
  2. キウイフルーツは皮をむいて、縦半分に切り1㎝弱の幅に切っておきます。
  3. 器にキウイを盛り付けて、ヨーグルトをかけます。
キウイはビタミンⅭだけでなく食物繊維やたんぱく質分解酵素も含みます。これは皮の近くに含まれているので、あまり皮を分厚く向かないほうが良いです。肉料理の後には、消化を助けるのでぴったりのデザートです。キウイは収穫するときはまだ未熟で硬く食べられません。追熟をして売られています。触ってみて少し弾力を感じる頃が食べごろです。

土曜日の献立

焼売(皮が30枚入りなので、2人分に関係なく作ります)

餃子は作っても焼売は作ったことがない人が多いでしょう。豚肉がたっぷり入るので、かなりボリュームがあります。でも蒸すのであっさりと食べられます。

  • 焼売の皮 1袋(30枚入り)
  • 豚ひき肉 500g
  • 玉ねぎ 1/2個
  • ショウガのみじん切り 大さじ2
  • ミックスビーンズ 30粒(市販の蒸したもの)なくてもよい
  • レタス 外側の大きな葉を6枚
  • 下味用調味料:酒・片栗粉各大さじ2、ごま油・しょう油各小さじ2、コショウ少々
  • つけだれ用調味料:ポン酢しょう油、黒コショウ各適宜
  • 練りからし 適宜
  1. 玉ねぎはみじん切りにして、豚ひき肉、しょうがのみじん切りと共に大きめのボウルに入れて、下味用の調味料を加え、粘りが出るまでしっかり混ぜる。

  2. 1の焼売の具を平らにならして、3等分して大体焼売1個分の量を決め、左の親指と他の指とで輪っかを作り、焼売の皮を挟んで、空いた右手のスプーンで具を丸めるようにして皮の穴に入れる。

  3. 蒸し器に水を入れて火にかけ、蒸気が上がってきたら洗ったレタスの水けをふいて敷き詰め、2の焼売をその上に並べる。焼売のグリンピースの真似をして、豆をのせてみました。あまりぎゅうぎゅうに詰めると皮がくっつくので、気をつけましょう。
  4. 強火で10分程度蒸して出来上がりです。
  5. レタスと一緒に盛り付けて、たれを添えて勧めます。たれは好みで色々混ぜて食べればよいと思います。
焼き肉やなべ物等々たれなどの調味料はいちいち買えばきりがないと思います。一つ一つの料理の頻度はそう多くはないので、その内いつ開けたものだか分からなくなって、冷蔵庫のポケットを占領してしまいます。
※料理の味付けの順番『さしすせそ』のが砂糖と酒・が塩・が酢・がしょう油(取り敢えず濃い口を買っておけばよいでしょう)・が味噌です中味噌のチューブタイプが使いやすいでしょう。最低、めんつゆと砂糖、コショウ、甘酢があれば大丈夫です。3か月位を目安にチェックしましょう。1年を超えたら処分するようにしましょう。

きのこのガーリックソテー

最近きのこは年中売っているし、安価で手に入るので、ついつい買ってしまうという事はありませんか?少しづつ残ったきのこをまとめてニンニク味で炒めてみました。

  • きのこいろいろ(しめじ、まいたけ、生しいたけ)200g
  • ほうれん草 1/2把
  • サラダ油 小さじ1
  • 調味料:ニンニク1片、めんつゆ大さじ1と1/2、コショウ適宜
  1. きのこは石づきの部分を切り落として、小房に分けておきます。
  2. ほうれん草は硬めに茹でて、4㎝長さに切っておきます。
  3. フライパンに油を熱して、ニンニクをスライスしたものを加えて香りを出します。
  4. 3の中にきのこを加えて炒め、しんなりしたらめんつゆ、コショウを加えて水気が無くなってきたらほうれん草を加えて1分位炒め合わせて出来上がりです。
きのこは一つ一つは案外くせのある味です。ニンニクを加えることで、それぞれの味がまとまります。
きのこは旨味が強いですが、低カロリーで食物繊維、ビタミンⅮ(まいたけに多い)が多いのでかさ増しにもなり体にも役立つ優れものです。買い過ぎたらパックのまま保存せずに、ざるに広げておくと乾いて旨味が凝縮します。

卵スープ

味付けが濃い献立や塩分の多い食材がある時は汁物は控えておきましょう。

  • 卵 1個
  • 青ねぎ 10㎝(好みに刻んでおく)
  • 調味料:鶏がらスープの素小さじ2、コショウ適宜、しょう油適宜
  • かたくり粉 小さじ2(大さじ2の水で溶いておく)
  1. 鍋に2カップを火にかけ、鶏がらスープの素を入れ沸騰したら水で溶いた片栗粉を入れ、再度沸騰させる。
  2. 卵を良くかき混ぜて溶き、ふわっと湧き上がってきたらねぎを入れ、最後にコショウと、しょう油を2滴加えて香りをつけ火を止める。
    ※かたくり粉はとろみ具合が分からないうちは、水溶きしたものを少しづつ、鍋の中身を混ぜながら加えます。
    ※溶き卵を加える場合は、スープが沸騰していないと濁った汁になってしまいます。
高血圧でない人も厚労省の推奨する食塩量は男性7.5g/日、女性6.5g/日です。1食2g以下を目安に食事をしましょう。市販のコンソメや鶏がらスープ、中華だしの素などの調味料は規定通りだと1人分で1.3g位の塩分を摂ることになります。少し控えめにしてその分しょう油の香りやコショウの辛味でカバーしましょう。

今まで家庭内で何不自由なく食事が出てきて食べさせてもらえた人は、春から一人暮らしをするとなると本当に大変だと思います。私が若い頃のようにお母さんは家にいて専業主婦で、いたれりつくせりという家庭は少ないのかもしれません。コンビニがどこにでもありますが、自分で食材を調達したり、パン一つも自分で買って来なければ食べるものがないというのは本当に大変です。簡単に食べられるレトルト食品や冷凍のものがたくさんありますが、組み合わせ方が間違っていて、食べやすいものだけを食べている人がなんと多いことでしょう。肥満がもたらす生活習慣病が若年化しています。昔は若い人のお腹が出ているのを見たことがありませんでした。ジムに通うのも良いとは思いますが、まず基本的な三度の食事を見直してみませんか?朝食は一日の始まりのエネルギー源になります。朝食で良質な筋肉が作られます。朝からたんぱく質をしっかり摂って元気に一日をスタートしましょう。次回も調理の基本的なことを盛り込みながら、献立を立ててみたいと思います。

この記事の監修

管理栄養士 伊藤 教子

長年、管理栄養士として病院の給食管理・栄養管理に従事後、現在、内科糖尿病専門医院にて糖尿病を中心とする生活習慣病、高齢者の低栄養等の栄養食事指導をしています。
ライフワークとして「あなたの体は、あなたの食べたものでできている」ということを意識した「食」の啓発活動を行なっています。
【経歴・資格・所属学会】
※経歴
広島大学大学院保健学研究科修士課程修了
介護施設、病院勤務を経て、現在内科糖尿病専門医院にて栄養食事指導に従事。

※資格
管理栄養士 / 日本糖尿病療養指導士
高血圧循環器予防療養指導士 / 栄養相談専門指導士

※所属学会
日本病態栄養学会 / 日本糖尿病学会
日本高血圧学会 / 臨床栄養協会
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