鼻詰まりに効く市販薬は、風邪やアレルギーなどで起こる不快な症状を自宅で手軽にケアできる方法として知られています。
病院に行くほどではないものの、鼻詰まりで息苦しく寝付けないという悩みを持っている方もいるでしょう。
鼻の粘膜の腫れやアレルギー反応による炎症を抑える成分を含む市販薬は、つらい鼻詰まりを素早く改善するのに役立つアイテムです。
この記事では、鼻詰まりの原因から市販薬の種類・選び方、さらに市販薬以外のケア方法や受診の目安まで詳しく解説します。
鼻詰まりは一見単純な症状のように思えますが、実はさまざまな要因が組み合わさって起こります。正しい市販薬を選ぶためには、まず原因を理解しておくことが大切です。
鼻詰まりの大きな原因の一つが、鼻の粘膜の腫れです。
鼻の中にある粘膜は、風邪やアレルギー反応によって炎症を起こすと血管が拡張し、むくんで厚くなります。この腫れによって鼻腔の空気の通り道が狭くなり、空気の流れが妨げられることで息苦しさを感じるのです。
粘膜の腫れを速やかに改善する市販薬に、血管収縮剤配合の点鼻薬があります。
鼻水が大量に分泌されると、うまく排出されずに鼻腔内にたまり、粘膜に炎症を引き起こすことがあります。風邪や副鼻腔炎などの場合は特に粘度の高い鼻水がたまることで鼻の通りがふさがり、呼吸がしにくくなる原因になります。
さらに、鼻水が細菌の温床となり、炎症を悪化させるリスクもあるので注意が必要です。
鼻は外気と直接つながる器官のため、ウイルスや細菌、花粉、ほこりなどの異物が侵入しやすい構造になっています。これらの異物が鼻腔に入ると、体の防御反応として粘膜が腫れます。
これにより、さらに異物が入ってこないように体を守っているのです。この場合は、抗ヒスタミン薬などが用いられます。
鼻中隔とは、左右の鼻の穴を仕切っている壁のような部分です。鼻中隔が曲がると、鼻腔のスペースに偏りが生じ、空気の流れが悪くなって鼻詰まりが起こりやすくなります。
鼻中隔は、成長の過程で曲がる方もいれば外傷で曲がる場合もあります。この場合は、市販薬だけで完全に改善することは難しいのが現状です。根本的な治療として、手術が必要になることもあります。
鼻詰まりを改善する市販薬には、主に次の3種類があります。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
鼻詰まりに使われる市販薬で代表的なのが、血管収縮剤です。拡張した血管を収縮させ、腫れを抑えて鼻の通りを改善します。即効性が高く、5分ほどで効いてくることが多いでしょう。
ただし、長期の連続使用は粘膜に炎症を起こす原因となり、薬剤性鼻炎を引き起こす可能性があります。そのため、寝苦しいとき、どうしても鼻詰まりがひどいときなどピンポイントでの使用に限定するのをおすすめします。
抗ヒスタミン薬は、アレルギー性鼻炎などで起こる鼻水や鼻詰まりの改善に役立つ成分です。花粉やハウスダストなどのアレルゲンが体内に入ると、ヒスタミンが放出され、鼻粘膜が腫れて鼻詰まりが生じます。
抗ヒスタミン薬は、このヒスタミンの働きを抑制して症状を改善するものです。種類によっては眠気の副作用が出るものもあるため、気になる方はフェキソフェナジンやエピナスチンなどの第2世代抗ヒスタミン薬を選ぶとよいでしょう。
漢方薬は、複数の生薬の組み合わせによって体のバランスを整えるものです。鼻詰まりの原因にアプローチし、鼻詰まりを改善します。
例えば、葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)は、体にたまっている余分な水分の発散を促し、症状を改善する漢方薬です。
ここでは、鼻詰まりに使える市販の薬を5つ紹介します。自分の症状に合うものを選び、症状を改善しましょう。
血管収縮剤のナファゾリン塩酸塩、抗ヒスタミン薬のクロルフェニラミンマレイン酸塩、殺菌作用のあるベンザルコニウム塩化物が配合された点鼻薬です。
一定量の薬液を噴霧できる仕様になっています。即効性があるため、すぐに症状を緩和したい方におすすめです。
| 有効成分 | ●ナファゾリン塩酸塩 ●クロルフェニラミンマレイン酸塩 ●ベンザルコニウム塩化物 |
|---|---|
| 効能効果 | アレルギー性鼻炎、 急性鼻炎又は副鼻腔炎による鼻づまり、鼻水(鼻汁過多)、くしゃみ、頭重の緩和 |
| 用法用量 | 15歳以上及び7~14歳:1日6回を限度として鼻腔内に1~2度ずつ噴霧する |
花粉による季節性アレルギー専用の点鼻薬です。炎症を抑える効果があるベクロメタゾンプロピオン酸エステルが配合されています。
即効性はありませんが、鼻の炎症を根本的に緩和してくれることが特徴です。使用期間が1年間で3カ月を超える場合は、使い続けず耳鼻咽喉科を受診してください。
| 有効成分 | ベクロメタゾンプロピオン酸エステル |
|---|---|
| 効能効果 | 花粉による季節性アレルギーの鼻づまり、鼻みず(鼻汁過多)、くしゃみの緩和 |
| 用法用量 | 15歳以上:1日2回、左右の鼻腔内にそれぞれ1噴霧する |
眠気が出にくい第2世代の抗ヒスタミン薬であるフェキソフェナジン塩酸塩が主成分の内服薬です。花粉やハウスダストなどのアレルギー症状による鼻詰まりを緩和します。
朝と夕の2回服用するだけで効果が持続するタイプです。
| 有効成分 | フェキソフェナジン塩酸塩 |
|---|---|
| 効能効果 | 花粉、ハウスダスト(室内塵)などのアレルギー症状によるくしゃみ、鼻みず、鼻づまりの緩和 |
| 用法用量 | 15歳以上:1日2回、1回1錠を服用する |
胃で溶ける外層と腸で溶ける内核の二重構造になっており、1日1回の服用でも効果が長時間持続します。症状の程度に合わせて服用回数を調整してください。
鼻の症状だけでなく、なみだ目や頭重感などにも有効です。
| 有効成分 | ●クロルフェニラミンマレイン酸塩 ●フェニレフリン塩酸塩 ●ダツラエキス |
|---|---|
| 効能効果 | 急性またはアレルギー性鼻炎によるくしゃみ、鼻水、鼻づまり、なみだ目、頭重感の緩和 |
| 用法用量 | 15歳以上:1日1~2回、1回1錠 |
体を温める働きがある葛根湯に川芎と辛夷を加えた漢方薬です。体にたまっている水の発散を促し、鼻詰まりや慢性鼻炎などの症状を緩和します。
眠くなる成分は入っていないため、学業や仕事に影響を与えません。
| 有効成分 | 葛根湯加川キュウ辛夷エキス |
|---|---|
| 効能効果 | 比較的体力があるものの鼻づまり、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎の緩和 |
| 用法用量 |
15歳以上:1日3回、1回4錠 7歳以上15歳未満:1日3回、1回3錠 5歳以上7歳未満:1日3回、1回2錠 |
鼻詰まりは、身近にできるケアで緩和できる可能性があります。ここでは、4つの方法を見ていきましょう。
乾燥した空気は鼻の粘膜を刺激し、腫れやすくするため、鼻詰まりを悪化させる要因になります。そのため、部屋の湿度を50~60%になるように加湿しましょう。
加湿により鼻の粘膜が潤うことで、炎症の悪化を防ぐことができます。
蒸しタオルやホットパックを鼻の付け根や小鼻付近に数分当てることで血流が改善され、粘膜の腫れが引きやすくなります。リラックス効果も得られるため、寝る前のケアとして取り入れるのもおすすめです。
脇の下をペットボトルやテニスボールなど固いもので圧迫すると、鼻詰まりが一時的に軽くなることがあります。詰まっている方と反対側の脇を圧迫しましょう。脇から指3本分ほど下を圧迫すると、交感神経が活発になり、鼻の通りが良くなります。
ツボを押すのもおすすめです。首の付け根にある「天柱(てんちゅう)」は、自律神経に働きかけて鼻粘膜の炎症を抑え、詰まりを改善する効果があるといわれています。痛気持ちいいと感じる程度の力でぐっとツボを押しましょう。
次のような症状があるときは、耳鼻咽喉科を受診してください。
このような症状が見られる場合は、鼻の中に腫瘍がある可能性があるため、早めに受診しましょう。
また、市販薬を使用しても十分な効果が得られない場合、血管収縮剤の点鼻薬の使いすぎにより鼻詰まりが悪化している場合も早めに受診するようにしましょう。
鼻詰まりは風邪やアレルギーなど原因が多岐にわたるため、適切な対策を知ることが重要です。市販薬には血管収縮剤や抗ヒスタミン薬、漢方薬などさまざまな種類があります。症状に応じて適切な市販薬を選択しましょう。
また、加湿やツボ押しなどのセルフケアを併用すると、症状を改善しやすくなります。症状が長引いたり悪化したりした場合は、自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、耳鼻咽喉科での診断を受けることも大切です。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。
市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。
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