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いつからやるべき?妊娠線におすすめのボディケア

2024/02/13

妊娠中のマイナートラブルの1つである「妊娠線」。別名ストレッチマークや肉割れともいい、妊娠中期~後期を中心に、お腹周りや太もも、お尻、バストなどに裂け目のような跡が残ってしまいます。

自分では見えにくい箇所によくできるため、気付いた時にはしっかりできてしまっていた…という話もよく聞きますが、あらかじめケアをおこなって予防することはできるのでしょうか。

現在子育て中のママたちはいつから妊娠線のケアをしていたのか、アンケートで教えてもらいました。

妊娠線ができる人・できない人

出産を経験した人には必ず妊娠線ができるのかというと実はそうではなく、個人差があります。

筆者が以前、100人のママを対象に実施したアンケートでは「妊娠線ができた」「妊娠線がまったくできなかった」という人が約半分ずつでした。

妊娠線ができる人とできない人の違いは完全には分かっていませんが、おもに以下のような理由が考えられます。

肌質

生まれつき真皮の密度や水分量には個人差があり、どちらかというと乾燥肌の人に妊娠線ができやすいと考えられています。

季節

秋から冬にかけては空気が乾燥し、自分自身の汗で肌が潤うことも減るため、妊娠線ができやすい環境となります。また寒い時期には衣服で身体が隠れ、着替えもサッと済ませるなどの理由からじっくり肌を見る機会も少なくなるので、できかけた妊娠線に気付かないことも増えるでしょう。

初産か2人目以降か

2人目以降の経産婦さんは、前回の妊娠で損傷した部分が再び引っ張られると容易に裂けてしまうため、より妊娠線ができやすいと考えられています。また妊娠時の年齢も上がっているため、皮膚の水分量や柔軟性が減っている可能性もあります。

体重増加のペース

いくら体重管理に気をつけていても妊娠に伴うホルモンバランスの変化で妊娠線ができることもあるため、妊娠線ができたからといって一概に「体重が増えすぎ」という訳ではないのですが、やはり急激に体重が増えたりお腹が大きくなった場合は、そうでない場合より妊娠線ができやすくなります。

【ママにアンケート】妊娠線のケアや予防はいつから始めた?

ママ100人に対して行ったアンケートでは、妊娠線のケアをしていたかどうか、していた人にはいつ頃の時期から行っていたのかをたずねてみました。

すると結果はこんな風に。

  • 妊娠線の対策やケアはしていなかった…29人
  • 妊娠初期(0~3ヶ月)…5人
  • 妊娠中期(4~6ヶ月)…21人
  • 妊娠後期(7~9ヶ月)…35人
  • 出産後…11人

3人に1人は特にケアをしていなかったとのことですが、さらに「その結果、妊娠線はできましたか?」という問いには「できた」13人「できなかった」16人と、若干できなかった人が多いものの、ケアをしないと絶対に妊娠線ができてしまう……というわけではないことが分かります。

初期からケアを始めた人が少ない理由としては「つわりがひどく、それどころではなかった」「お腹が大きくなってこないと実感がない」「初産で妊娠線のことをよく知らなかった」などの声がありました。どれも納得ですね。

中期からケアを始めた人からは、「できてしまってから消すことは難しいので、先に少しでも肌を柔軟にしておこうと思った」「1人目で何もせず妊娠線ができたので、2人目は早めに対策しておこうと思った」などの声が。

後期からケアを始めた人の声には「妊娠8ヶ月頃から薄着の季節になり、明るい場所でお腹を見てびっくり。あわててクリームを塗り始めましたが、遅かったかな……」などがあり、妊娠線に気付いてからケアを始めた人が多いようです。

出産後という人からは「おなかの下側は妊娠中には見えないので気付かなかったんですが、産後見えるようになったら妊娠線を発見して…」という体験談もありました。

産後、できてしまった妊娠線のケアは

いま妊娠中の方は、妊娠線ができたら、産後に消えるのかどうか気になっているかもしれません。

皮膚組織のなかでも一番外側の「表皮」は比較的伸びやすく身体の変化についていけますが、その下にある「真皮」はそれほど柔軟性がなく、引っぱられることで真皮組織が裂けてしまい、さらにその下にある筋肉などが表皮を透かして赤紫色に見えます。

産後は伸びていた表皮が縮み妊娠線は白く薄くなりますが、一度裂けてしまった真皮組織が元通りにつながることはなく、完全には消えないことがほとんどです。

しかし、適度なマッサージは肌にも身体にも良い影響を与えます。保湿力の高いクリームやボディオイルなどを塗布し、手のひらを使って心地よいと感じる強さで円を描くようにマッサージしましょう。

使うクリームやオイルは高価なものでなくても構いませんが、精油(アロマオイル)の中には、妊娠中や授乳中には使用を避けた方がよいものがあります。その意味では妊娠線のケア専用の製品や、赤ちゃんにも使えると記載のある製品を選ぶと安心です。

おわりに

妊娠線は、妊娠出産にともなう自然な身体の変化であり、妊娠線があるからといってその人の価値や美しさが損なわれるわけでは全くありません。

でも、それはそれとして、適切なケアで産前産後の身体や肌をいたわってあげるのはとても良いことですね。

特に産後は赤ちゃんのお世話で本当に忙しい毎日ですが、ちょっとした隙間時間に、ママの身体へ「ご苦労さま」のねぎらいを込めてマッサージしてみてはいかがでしょうか。

コラムニスト

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 

私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

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