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思わず使ってしまう「赤ちゃん言葉」メリットとデメリットは

2023/01/25

赤ちゃんのつぶらな瞳やぷくぷくのほっぺを見ると、思わず「かわいいでちゅね~」「楽ちいね~」などの赤ちゃん言葉で話しかけてしまう……という人は多いと思います。

しかし「赤ちゃんには始めから大人と同じように話しかけたほうが知能の発達によい」といった話を耳にすることも。赤ちゃんに良くないの?と心配になってしまいますよね。

今回は、赤ちゃん言葉で話すことにメリット・デメリットはあるのか、先輩ママやパパがいつまで赤ちゃん言葉でわが子に話しかけていたのかなどを、アンケートや体験談に基づいて紹介します。

赤ちゃん言葉・幼児語は子供の発達に悪いって本当?

朝になったら「おっきしようね(起きましょう)」
お昼ご飯には「ちゅるちゅるたべようね(うどんを食べましょう)」
夜になったら「ねんねしようね(寝ましょう)」

赤ちゃんや幼児に話しかけるとき、私たち大人は必ずと言っていいほど、上記のような赤ちゃん言葉や幼児語を織り交ぜているのではないでしょうか。

しかし、こういった言葉遣いに対しては、

「赤ちゃん言葉で話しかけていると、正しい言葉を覚えられない」
「知能や言語の発達が遅れる」
「成長したら正しい言葉を教え直さないといけないから二度手間だ」

……といった批判的な意見もときどき見かけます。

そう言われると「大切な赤ちゃんや子供の発達の妨げになるのなら、やめないといけないのでは?」と不安になってしまいますよね。

実は、今から100年以上前に書かれ世界中で愛されている『赤毛のアン』シリーズの中にも登場しているほど、この問題は古今東西、人類共通のようです。

大人になったアンは、専門家の書いた育児書に感銘を受け「わが子の健全な発達のため、絶対に赤ちゃん言葉を使わず大人と同じように話しかける」と宣言したにもかかわらず、生まれた赤ちゃんをひと目見た瞬間から誓いを破って「かわいい子でちゅね~!」と叫びます。

筆者も含め、世の中のママや大人で、あどけない赤ちゃんや幼児を抱っこしているときにたとえば犬を見つけたとして、「あっ、ワンワンいるねえ」ではなく「ほら、犬がいますよ」とどんな時でも言える人はどのくらいいるでしょう?

果たして、赤ちゃん言葉は本当に子供の脳の発達によくないのでしょうか?

参考
『アンの夢の家』ルーシー・モード・モンゴメリ著/村岡花子訳/新潮社

赤ちゃん言葉にはメリットも

実は最近の研究では、赤ちゃん言葉で話しかけても言葉の発達は遅れるどころか、むしろ豊かになる可能性が示されています。

2013年にアメリカの大学で行われた研究では、「赤ちゃん言葉を使って話しかけた子どもたち」と「大人の言葉だけで育てられた子どもたち」が2歳の時点でどのくらいの単語を知っているかを比較したところ、なんと前者の方が2倍以上多くの言葉を知っていたというのです。

参考

そのほか、赤ちゃん言葉や幼児語には、音の響きで言葉の意味を理解しやすいというメリットもあります。「吐き出しなさい」より、「ペッしようね」の方が直感的に意味が分かりやすいですよね。

また「ブーブー(車)」や「ナイナイ(片付け)」など、赤ちゃん言葉には同じ音を2回繰り返すパターンが多いですが、この繰り返しは言語学的に「強調」の効果があり、たくさんの言葉にはじめて触れている途中の赤ちゃんにも聞き分けやすく、意味が通じやすいと考えられます。

赤ちゃん言葉はいつまでならOK?

赤ちゃん言葉で話しかけるのは、どうやら悪いことではなさそう……とはいえ、いつかは「マンマ」を「ごはん」、「くっく」を「靴」と言えるように教えなければいけませんよね。

そこで、過去に小学校低学年のママたち50人に実施したアンケートの結果を見てみると、赤ちゃん言葉や幼児語を使わなくなった時期は以下のようになっています。

  • 1歳未満…0人
  • 1歳のころ…2人
  • 2歳のころ…4人
  • 3歳のころ…18人
  • 4歳のころ…9人
  • 5歳以上…3人
  • 覚えていない…14人
(アンケート時期:2020年6月/アンケート対象:小学校1~2年生のお子さんがいる女性50人/アンケート手段:インターネット)

もっとも多いのは「3歳のころ」続いて「4歳のころ」と、多くのお子さんが日常会話ができるようになり、どんどん新しいことばを覚え「これなに?」「なんで?」と聞いてくる時期と重なります。

さらに面白いことには、三分の一近いママは「覚えていない」と回答しています。

多くの親は、ある日突然赤ちゃん言葉や幼児語を止めるわけではなく「おもちゃをお片付け、ナイナイね」のように、赤ちゃん言葉をまじえながら子供の理解度をみて少しずつステップアップしていくからでしょう。

毎日子供と過ごしている保護者にとってはこういった自然な移行は難しいことではないはず。「いつか大人の言葉に直さなくてはいけないのに…」といった批判はあまり的を射ていないのかもしれませんね。

おわりに

赤ちゃん言葉や幼児語で子供に話す時期は、振り返ってみればほんの数年間というところ。

幼稚園や保育園に通い、少しお兄さんお姉さんになった子が「ママ、お手々とか言わないで!赤ちゃんみたい」と抗議することだってあります。

あまり悩まず、かわいい赤ちゃん言葉の時期を親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。

 コラムニスト紹介

認定子育てアドバイザー/育児教育ライター  高谷みえこ 


私が結婚・出産を経験したのは今から20年前の2000年。当時は今のようにインターネットやSNSが発達しておらず、育児書以外での情報源は雑誌くらいという限られたものでした。

娘たちが小さい頃はいわゆる「ワンオペ育児(核家族で平日は母親が1人で家事や育児を担うこと)」で、娘たちには喘息やアレルギーなどの持病もあり、当時は本当に毎日大変でした。

親にとって、妊娠~出産から赤ちゃんのお世話や成長発達・幼児の「イヤイヤ期」やトイレトレーニング・園や学校でのトラブル・ママ友付き合いまで、育児の悩みや苦労はその時々で大変大きなものだと思います。

しかし、せっかく工夫してその時期を乗り越えても、子どもの成長ステージにつれ受験や教育費など次々と新しい課題が現れ、過去の悩みは記憶の隅に追いやられがち。次の世代に伝えていく機会はなかなか得られません。

まさに今、かつての自分のように悩んでいるママ・パパがいたなら、自分の経験と知識から少しでも役に立ちたい…という思いから、お役立ち情報や先輩たちの体験談をもとにした解決のヒントなどを、WEBメディアでライターとして発信するようになりました。

より的確で悩みに寄り添ったアドバイスができるよう、NPO法人日本子育てアドバイザー協会の「認定子育てアドバイザー」資格も取得。発達心理学や医学・行政支援などに関する幅広い知識を身につけています。

現在は、育児教育ライターとして子育て情報やコラムを年間100本以上連載中。

かつての自分のように子育てで悩むママやパパへ、正しい知識に基づき心がふわっと軽くなるようなあたたかみのある記事をお届けしていきたいと思います。

【経歴・資格・所属学会】
英文科大学卒業後、大手旅行代理店で企画・海外旅行添乗などを担当。
結婚・出産で退職後、フリーランスライターとして活動開始。
育児のかたわら、ライターと兼業で幅広い業界で働く。
2018年に独立。出版社育児メディアやライフスタイルメディアを中心に連載を多数持ち、育児ポータルサイト悩み相談コーナーの回答も担当。
NPO法人日本子育てアドバイザー協会「認定子育てアドバイザー」。

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