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睡眠薬は何年も飲み続けて大丈夫?効かないときの対策や睡眠の質を上げる方法を解説

2022/06/17

日本人の5人に1人が不眠症だと言われています。寝付きが悪い、途中で目覚めてしまうなど症状は人それぞれです。

睡眠薬(睡眠導入剤)は不眠症の治療でよく用いられるものですが、人によって「だんだん効かなくなってきた」「服用しても夜中に目が覚めてしまう」といった問題を抱えている方もいます。とくに数年にわたり同じ薬を服用していると、このまま飲み続けて大丈夫なのか心配になってしまいますよね。

そこで今回は、睡眠薬を飲み続けても問題ないのか、効かないときはどうしたらよいのかなどの対策方法を解説します。

参考

不眠症とは?

不眠症とは、睡眠に関する問題が1か月以上続いている状態のことです。国民病とも言われており、多くの方が不眠症に悩まされています。

不眠症になる原因

不眠症になる原因は一つではありません。人それぞれ複雑に原因が絡み合っています。

  • ストレス
  • 体の病気
  • 心の病気
  • 生活リズムの乱れ
  • 生活環境

ストレスは神経の緊張状態を持続させるため、不眠を引き起こす原因です。高血圧や心臓病、呼吸器疾患や糖尿病、前立腺肥大症なども不眠の原因になります。この場合は、不眠症そのものよりも疾患の治療を行うことが優先です。

ほかにうつ病やパニック障害などの心の病気、薬の副作用や生活リズムの乱れなども睡眠と大きな関係があります。騒音や室温、湿度などの生活環境も睡眠の質を左右する要因の一つです。

不眠症タイプ

不眠症には、次の4つのタイプがあります。

  • 入眠障害
  • 中途覚醒
  • 早朝覚醒
  • 熟眠障害

入眠障害とは、寝付きが悪くてなかなか眠れないことです。寝付くまでに30分~1時間以上かかります。不眠症の方のなかでもとくに困っている方が多い症状です。中途覚醒とは、眠りが浅くて途中で目覚めてしまうこと。中高年や高齢者でよく見られます。

早朝覚醒とは、起きようと思っていた時間よりも2時間以上早く起きてしまうものです。こちらは高齢者やうつ病の患者でよく見られます。熟眠障害は、睡眠時間は十分に取れているのにぐっすり眠った感じが得られないものです。

昼間に強い眠気が起きるようであれば、睡眠の質が低下している可能性があります。

睡眠薬を何年も飲み続けると何か影響はあるの?

同じ薬を何年も飲み続けており、さらに効果が不十分な場合は治療法を見直したほうがよいでしょう。飲み続けることで依存が形成されたり、処方薬が症状に合っていなかったりする可能性があります。

実は、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、用法用量を守って服用しても身体的依存や精神的依存を形成することがあるのです。長期にわたる服用が依存の大きな原因だと言われています。

睡眠薬を飲まないと寝られなくなる「身体的依存」

ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を飲み続けると、薬がある状態に体が慣れてしまうため注意が必要です。飲まないと眠れない状態になってしまうことがあります。自己判断で服用を止めたり量を減らしたりすると、不眠やイライラ、不安などの症状が出やすくなるので注意しましょう。

睡眠薬を飲まないと不安感が出てくる「精神的依存」

自分に合う睡眠薬を飲むと、これまで不眠症で悩んでいたことが嘘のようにぐっすり眠れるようになる方もいます。しかし、「睡眠薬を飲まないと眠れないのでは」と、飲まないことへの恐怖心を抱いてしまう方もいるものです。

睡眠薬を使うと簡単に眠れるようになる一方で、その快適さがかえって眠れないときの恐怖心や不安感を増強させる恐れがあります。

不眠症の改善に使われる薬の種類

不眠症の治療には、①ベンゾジアゼピン系、②非ベンゾジアゼピン系、③漢方薬が使用されることが一般的です。

ベンゾジアゼピン系

ベンゾジアゼピン系は、脳の興奮を抑える働きを強めることで眠気を催します。薬がどのくらいの時間効くかが種類によって違うため、不眠症の症状に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。

薬の種類効果の持続時間治療に使用される不眠症の種類
超短時間作用型1~3時間入眠障害
短時間作用型7~10時間中途覚醒
中時間作用型19~27時間中途覚醒、早朝覚醒
長時間作用型15~72時間中途覚醒、早朝覚醒

睡眠薬を飲んでも途中で目が覚めてしまうような場合は、薬の種類が合っていないのかもしれません。十分な効果が得られない場合は漫然と飲み続けず、担当医に相談するようにしてください。

非ベンゾジアゼピン系

脳の覚醒を司る部分の働きを抑えるベルソムラ、体内時計を調節する働き原因があるロゼレム、セロトニンの量を増やして心を落ち着かせるトラゾドンなどがあります。依存性がまったくないわけではありませんが、ベンゾジアゼピン系と比べて依存形成がされにくいことが特徴です。

漢方薬

睡眠薬の使用に抵抗がある方や、体質に合った治療を行いたいという方には漢方薬が使われることもあります。体のバランスを整えることで、不眠の原因を取り除くことが可能です。体質に合わせて半夏厚朴湯や加味逍遙散、抑肝散加陳皮半夏などが使用されます。

市販で購入できる睡眠薬

市販には、ベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系のように、不眠症の治療によく使用されている薬の扱いはありません。しかし、一時的な不眠に用いる睡眠改善薬や一部の漢方薬でしたら購入できます。

睡眠改善薬

医療機関で処方される睡眠導入剤とは違い、市販では睡眠改善薬というものが購入可能です。長期間にわたる不眠症に使うものではなく、旅行や不規則な生活による一時的な不眠にのみ使用できます。ドリエルやネオデイなどの商品が代表的です。

漢方薬

高ぶった神経を鎮めたり、イライラを抑えたりすることで眠りやすい環境を作ります。ストレスやイライラが原因で眠れない方には柴胡加竜骨牡蛎湯、気分がふさぎこみがちでのどのつかえ感がある方には半夏厚朴湯が使われることが多いでしょう。

睡眠の質を上げる方法

睡眠薬を使うと眠れるようになることが多いと思いますが、不眠の根本的な解決にはなっていません。不眠の症状がある方は、まずは生活習慣の見直しから行ってみましょう。運動や入浴、光を浴びる時間に気を遣うことでどなたでも睡眠の質を高められます。

参考

適度な運動を行う

運動習慣がある方では、不眠の症状が少ないことが明らかです。習慣的な運動を行うことで、寝付きをよくしたり深く眠ったりできるようになります。ウォーキングやジョギングなどの軽い運動を夕方から夜に行うと効果的です。

ただし、激しい運動はかえって睡眠を邪魔してしまうので、軽く体を動かす程度にしてください。また、寝る直前の運動も逆効果ですので避けましょう。

就寝の2~3時間前に入浴を済ませる

入浴は就寝の2~3時間前に行います。熱めのお湯につかって体温を上げることで、寝付きをよくできます。就寝直前に入浴すると、人によっては逆に寝られなくなることがあるため、入浴の時間には気をつけてください。

朝起きたら太陽光を浴びる

体内時計を整えるためには、朝日を浴びることが大切です。1日は24時間ですが、人の体内時計は25時間サイクルで動いています。この1時間のズレを修正するのに朝の太陽光を浴びることが効果的なのです。起きたらまずはカーテンを開けて日光を浴びる習慣をつけましょう。

夜に強い光を浴びない

朝に光を浴びることは睡眠によい働きをしてくれますが、夜に強い光を浴びるのはNGです。夜に強い光を浴びると体内時計が遅れてしまうため、眠りづらくなってしまいます。

白っぽい蛍光灯は体内時計を遅らせる働きがあるため、夜になったら暖色系の明かりに変えるようにしましょう。

睡眠薬を飲んでも寝られない場合は相談しよう

「睡眠薬を数年飲んでいるけど、あまり効いている気がしない」という方は、まずはその旨をしっかりと担当医に伝えてください。

睡眠薬は入眠障害なのか中途覚醒なのか、それとも早朝覚醒なのかなど症状によって使うべきものが変わります。それぞれの症状に合ったものを使わなければ不眠の症状は改善されません。

また、長年にわたり不眠症が続いている場合は、眠れない原因をしっかり探ることも大切です。ほかの疾患が原因で不眠になっていることもあるため、漫然と睡眠薬を飲み続けるのはおすすめできません。

まとめ

不眠症は決して珍しい病気ではありません。しかし、効果が不十分な睡眠薬を飲み続けるのは避けてください。薬の種類が合っていない可能性が高いため、睡眠薬を飲んでも途中で目が覚めたり早朝に起きてしまったりする場合は、担当医にそのことを伝えて薬の調整をしてもらうようにしましょう。

また、薬だけに頼るのではなく運動を行ったり朝起きてから日光を浴びる習慣をつけたりすることも大切です。自分に合う薬を見つけ、よい睡眠を取れるように生活習慣を見直していきましょう。

 コラムニスト紹介

薬剤師ライター  岡本 妃香里 


薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。

「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」

こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。

市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。

そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。

【経歴・資格・所属学会】
薬学部薬学科を卒業後、大手ドラッグストアで薬剤師として勤務。調剤やOTC医薬品を担当する。2018年にフリーランスとして独立し、現在は育児をしながら執筆業に専念。医薬品や健康食品、サプリメントから美容系まで、暮らしを健康にする情報を発信している。化粧品検定1級、スポーツファーマシストの資格も取得。

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