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栄養素は組み合わせが大切?

2022/03/16

栄養素の組み合わせを考えて食事を摂ったことはありますか?

実は、栄養素には効果を高めたり吸収を妨げたりする組み合わせがあります。

栄養素は単独で働くのではなく、栄養素同士が複雑に関係し合って役割を果たしています。栄誉絵を効率よく吸収したり利用したりするためには、多くの栄養素をバランスよく食べることが大切です。 たとえば、貧血を予防する効果がある鉄は、ビタミンCと組み合わせと体内での吸収率が高まります。鉄を多く含むのは動物性の食品が多いので、ビタミンCの多い野菜や果物を一緒に取ることでバランスが取れ、栄養の効率も上がるというわけです。また、骨を強くする働きのあるカルシウムは、ビタミンDによって吸収率が高まります。ビタミンDを多く含む魚やきのこを合わせましょう。

ほかにも、吸収率を上げ、体内での働きを高め合う栄養素の組み合わせはたくさんあります。とはいっても、様々な食材を使った食事を楽しんでいれば自然と栄養バランスはとれていきます!栄養素を効率よくとるためにもバランスの良い食事が大切なのです。

効果を高め合う栄養素の組み合わせ

貧血解消効果

鉄分×ビタミンC
多く含まれる食べ物
  • 鉄分・・・牛肉・豚肉・鶏肉・しじみ・あさり・小松菜・ほうれん草・青のり等
  • ビタミンC・・・キウイ・レモン・いちご・オレンジ・パプリカ・ブロッコリー・じゃがいも・さつまいも・ルッコラ・ゴーヤ等

骨強化効果

カルシウム×ビタミンD・マグネシウム
多く含まれる食べ物
  • カルシウム・・・牛乳・チーズ・ヨーグルト・豆腐・しらす・干し海老・モロヘイヤ・小松菜・切り干し大根等
  • ビタミンD・・・マイワシ・イクラ・紅鮭・ニシン・サンマ・シラス・まいたけ・干し椎茸・干しきくらげ等
  • マグネシウム・・・玄米・そば・乾燥わかめ・刻み昆布・マイワシ・アサリ等

疲労回復効果

ビタミンB1×アリシン
多く含まれる食べ物
  • ビタミンB1・・・豚肉・うなぎ・たい・シマアジ・玄米・カシューナッツ・えのきたけ・えんどうまめ等
  • アリシン・・・ねぎ・にんにく・ニラ・らっきょう等

抗酸化作用効果(老化防止)

ビタミンE×ビタミンC
多く含まれる食べ物
  • ビタミンE・・・ひまわり油・サフラワー油・アーモンド・ピーナッツ・モロヘイヤ・かぼちゃ・イクラ・ツナ・うなぎ・明太子等
  • ビタミンC・・・キウイ・レモン・いちご・オレンジ・パプリカ・ブロッコリー・じゃがいも・さつまいも・ルッコラ・ゴーヤ等

効果を高め合う組み合わせがある一方で、吸収を阻害するものもあります。リンは、人体に必須の栄養素ですが、過剰に摂るとカルシウムの吸収を妨げます。カップ麺やハム・ソーセージなど加工品に多く含まれるので、摂りすぎには注意が必要です。コーヒーなどに含まれるカフェイン、ほうれん草などに含まれるシュウ酸も、カルシウムの吸収を阻害すると考えられています。
緑茶や紅茶に含まれているタンニンは、鉄の吸収を阻害します。鉄不足が気になる方はタンニンの少ない玄米茶やほうじ茶、タンニンの含まない麦茶にするとよいでしょう!

鉄不足解消!鉄分×ビタミンC組み合わせレシピ
牛肉のレモンソースかけ

材料

牛もも肉 100g
塩胡椒 少々
サラダ油 適量
*レモン果汁 大さじ2
*乾燥バジル 適量
*オリーブ油 大さじ1

栄養価

エネルギー 354kcal
タンパク質 21.8g
脂質 28.8g
炭水化物 5.5g
3.1mg

作り方

  1. 常温にした牛肉にしっかり塩胡椒をする。
  2. サラダ油をひいたフライパンで表面を焼く。火を消し、5分置いておく。
  3. 火をもう一度つけ、混ぜ合わせた*を(2)にいれ絡める。

鶏肉とじゃがいものハニーマスタードソース炒め

材料

鶏胸肉 100g
じゃがいも 60g
玉ねぎ 20g
塩胡椒 適量
サラダ油 適量
*マスタード 大さじ1
*はちみつ 小さじ2
*レモン果汁 小さじ1

栄養価

エネルギー 372kcal
タンパク質 26.0g
脂質 22.9g
炭水化物 20.6g
1.1mg

作り方

  1. じゃがいも、玉ねぎ、鶏肉を一口大に切る。鶏肉に塩胡椒をしておく。
  2. サラダ油の引いたフライパンに鶏肉、じゃがいも、玉ねぎをいれ少し炒め、蓋をして10分〜弱火で蒸し焼きにする。
  3. (2)に*を入れ混ぜ合わせる。

豚しゃぶサラダ

材料

豚肉 薄切り 70g
レタス 30g
パプリカ 20g
ミニトマト 2個
(ドレッシング)
醤油 大さじ1
穀物酢 小さじ2
玉ねぎ 10g
リーブ油 大さじ1

栄養価

エネルギー 342kcal
タンパク質 15.5g
脂質 28.7g
炭水化物 6.1g
1.0mg

作り方

  1. レタスを一口大、パプリカは半分に切って薄切り、トマトは4等分に切る。
  2. 鍋にお湯を沸かし豚肉を入れ、火が通ったら氷水に入れる。
  3. お皿に水分を切った豚肉と野菜をのせ、*を混ぜ合わせたドレッシングをかける。

カルシウム不足、鉄不足だなと感じる時など、何をどうやって食べるかを気にして食べてみてください!

コラムニスト

管理栄養士  天野 裕葵 

給食委託会社で病院の献立作成や厨房業務に携わった後、フリーランス管理栄養士として栄養コラム執筆やレシピ開発、栄養価計算などを行なっています。
私は、管理栄養士が国家資格にも関わらず社会的地位が低いことに疑問を感じています。もっと世の中に貢献できることがあるはずです。管理栄養士の活躍が人々の毎日を健康にすると信じております。
私は、管理栄養士の専門性を活かし、栄養学の楽しさを知ってもらう、興味を持ってもらうことが大切だと感じております。
そして、栄養学を通して「食の大切さ」を伝えてゆき、「健康な毎日」の実現に繋げていきたいと思っております。


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