市販で睡眠薬は買える?病院でもらえる薬との違いを解説


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2021/11/15

国民病とも言われている不眠症。日本人の約5人に1人が睡眠に対して悩みをもっていると言われています。

眠りたいのに寝付けなかったり、途中で目覚めてしまったりと悩みは人それぞれです。
残念ながら病院で貰える睡眠薬と同じ物を市販で購入することはできません。しかし「睡眠改善薬」と呼ばれるものなら購入できます。ただ、この睡眠改善薬は不眠症の方を対象としたものではなく、一時的な不眠に悩まされている方が対象です。

今回は病院で貰える睡眠薬と市販の睡眠改善薬の違いをご紹介します。使うときの注意点やぐっすり眠りやすくするコツも解説しているので参考にしてみてください。

不眠症状の種類

不眠症の代表的な症状には次の3つがあります。

入眠障害

眠りたくてもなかなか寝付けないのが入眠障害です。目をつぶってベッドで横になっているのに何時間も眠りにつけません。

中途覚醒

まだ起きる時間ではないのに、眠りが浅いために何度も目覚めてしまうことです。寝てもなかなか疲れが取れません。

早朝覚醒

起きようと思っている時間より何時間も早く目が覚めてしまいます。再び寝ようと思っても寝付けないことが多いでしょう。

市販薬と病院で貰える薬の違い

一般に病院で貰える薬は睡眠薬、市販で購入できるものは睡眠改善薬と呼ばれています。どちらも同じもののように見えますが、実はまったく違うものです。

市販で購入できる睡眠改善薬とは

睡眠改善薬は、一時的な不眠に対して使うお薬として販売されています。寝付きが悪かったり途中で起きてしまったりする場合に有効です。

睡眠改善薬の主成分には抗ヒスタミン薬が使われています。睡眠改善薬を飲むと眠くなる原理は、風邪薬や花粉症の薬を飲むと眠くなるのと同じです。抗ヒスタミン薬は脳の覚醒を司っている部分の働きを抑えることで眠気を催します。
つまり、抗ヒスタミン薬の副作用である眠気を利用したのが市販の睡眠改善薬なのです。

病院で処方してもらえる睡眠薬とは

脳の活動を抑えて眠気を誘発するものが睡眠薬です。睡眠導入剤と呼ばれることもあります。睡眠薬は、薬の効果が持続する時間によって超短時間作用型、短時間作用型、中間作用型などいくつか種類があることが特徴です。

入眠障害なのか中途覚醒なのか、それとも早朝覚醒に悩んでいるのかによって適切な種類の睡眠薬が処方されます。症状や悩みに合わせて薬の持続時間を調整して使っていくことが基本です。そのほか、睡眠サイクルを整える薬を使うこともあります。

市販で購入できる睡眠改善薬

市販にはいくつか睡眠改善薬があります。次に紹介する4つの製品のうち、ドリエルとネオデイ、リポスミンはどれも抗ヒスタミン薬を主成分として使ったものです。商品名は違いますが、効果に大きな差はありません。ユクリズムは生薬を使った製品です。

ドリエル

ドリエルには、主成分として抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミン塩酸塩が配合されています。効き始めるまでに30分くらいかかるので、就寝30分前に飲んでおくと調度いいタイミングで寝付けるでしょう。ラベンダーのアロマが配合された「ドリエルEX」も販売されています。

公式サイト:https://www.ssp.co.jp/

ネオデイ

ネオデイもドリエルと同様に抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミン塩酸塩が配合されているお薬です。錠剤がフィルムコーティングされており小粒なので、錠剤を飲み込むのが苦手な方も飲みやすいでしょう。

リポスミン

抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミン塩酸塩が配合されています。ドリエルやネオデイよりも比較的安く手に入ることが多いでしょう。

公式サイト:https://www.kokando.co.jp/

ユクリズム

ユクリズムは一般的な睡眠改善薬とは違い、生薬を使って寝付きをよくするお薬です。加味帰脾湯(かみきひとう)という漢方薬を使ったもので、自律神経に働いて緊張をほぐすことで不眠の症状を改善します。イライラや不安で睡眠の質が下がっている方に向いているお薬です。

公式サイト:https://jp.rohto.com/

市販の睡眠改善薬を使うときの注意点

一時的な不眠症状がある場合、市販の睡眠改善薬は気軽に購入できるためとても便利です。たとえば旅行で時差のある国に行ったとき、夜勤で睡眠サイクルが乱れたときなどに使えます。医師の診察なしに気軽に購入できるものですが、服用にはいくつか注意が必要です。

便秘になりやすくなる

睡眠改善薬に使われている抗ヒスタミン薬は、副作用で便秘の症状を起こしやすくなります。抗ヒスタミン薬は消化管の働きを鈍らせてしまうため便秘しやすくなるのです。普段から便秘しやすい方やほかにも副作用で便秘しやすくなるお薬を飲んでいる方は症状の悪化に注意しましょう。

眠気が翌朝まで残ることがある

ドリエルやネオデイなどの抗ヒスタミン薬が配合された睡眠改善薬は、7時間ほど効果が持続します。お薬の代謝スピードには個人差があるので人によって早まることもあれば遅くなることもありますが、起きた後も眠気が残ってしまうかもしれません。

眠気が残ったまま乗り物の運転をすると危険です。翌朝に何か用事がある方は飲むタイミングを調節して使いましょう。

排尿困難や尿閉になることがある

抗ヒスタミン薬を飲むと、尿の出が悪くなります。これは膀胱の筋肉がうまく収縮しなくなることが原因です。健康な方では大きな問題になることはありませんが、前立腺肥大症がある方だと尿がまったく出なくなる尿閉を起こす可能性があります。

もともと尿の出が悪い方や何か疾患がある方は担当医に市販の睡眠改善薬を飲んでいいか必ず確認してください。

眼圧を上げる可能性がある

抗ヒスタミン薬は房水の排出を悪くしてしまうため、眼圧が上がる可能性があります。緑内障の治療をしている方は、睡眠改善薬を使用できないことがあるため注意が必要です。

ただし、緑内障でも「開放隅角緑内障」の方はとくに問題ありません。「閉塞隅角緑内障」の方は眼圧が上がる恐れがあるので使用を避けてください。緑内障がどちらのタイプがわからない方は担当医に相談してから使用しましょう。

ぐっすり眠るために日常生活でできること

長く睡眠時間を取れればそれでいい、というわけではありませんよね。寝る時間になったらすっと入眠し、途中で起きることなく朝までぐっすり眠ることが大切です。そのため睡眠時間の長さよりも睡眠の質を高めるように日頃から心がけましょう。

睡眠サイクルを一定にする

私たちの体には体内時計があります。体温やホルモンの分泌を調整することで睡眠サイクルを調節しているのです。夜になったら眠気を催すように体内時計を働かせるためには、できるだけ毎日同じ時間に起きて同じ時間に寝ることが大切だと言われています。

なかなか寝付けないこともあるとは思いますが、まずは寝る時間にベッドに入る習慣から始めてみてください。

寝る前にスマートフォンやパソコンを見ない

ついつい見てしまうスマートフォン。寝る前にスマートフォンやパソコンのような明るい画面を見ると、まだお昼だと脳が勘違いし眠気を催すホルモンの分泌が悪くなってしまいます。

ベッドに入ったらスマートフォンは見ないように心がけましょう。また、部屋の電気を暗くしておくことも大切です。照明が明るいと睡眠の質が低下することがわかっています。

朝起きたら日光を浴びる

起きたらまずカーテンを開けて日光を浴びましょう。日光には体内時計を調節する働きがあります。浴びてから14時間ほどすると眠気が出てくるようになっているため、日光を浴びる習慣をつけるだけで夜に眠りやすくなります。

このようなときは受診しよう

市販の睡眠改善薬が有効なのは、一時的な不眠症状のみです。「不眠症」だと診断されている場合や、不眠の症状が3か月以上続いている場合は市販薬では対応できない可能性が高いと考えられます。また、精神疾患が原因の場合も市販薬では対応が難しくなるため、適切な治療を行うためにも医療機関を受診するようにしましょう。

まとめ

病院で貰うのと同じ睡眠薬は市販されていないため購入することができません。その代わり、市販には睡眠改善薬と呼ばれるものがあります。睡眠改善薬は、抗ヒスタミン薬を服用すると眠気が出ることを利用したもので、寝付きをよくしたり途中で目が覚めるのを改善したりします。

慢性的な不眠症状や精神疾患が原因で起こる不眠症には向いていないので、これらに当てはまるときは医療機関を受診して自分に合った治療を始めましょう。

 コラムニスト紹介

薬剤師ライター  岡本 妃香里 


薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。

「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」

こんなことを思わずにはいられないくらい、CMやパッケージの印象だけで薬を選ばれている方がほとんどでした。

市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。

そんな方たちの助けになりたいと思い、WEBで情報を発信するようになりました。この症状にはどの市販薬がいいのか、どんな症状があったら病院に行くべきなのか、記事を通して少しでも参考にしていただけたら幸いです。

【経歴・資格・所属学会】
薬学部薬学科を卒業後、大手ドラッグストアで薬剤師として勤務。調剤やOTC医薬品を担当する。2018年にフリーランスとして独立し、現在は育児をしながら執筆業に専念。医薬品や健康食品、サプリメントから美容系まで、暮らしを健康にする情報を発信している。化粧品検定1級、スポーツファーマシストの資格も取得。

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