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早期発見が大切 「脳梗塞」とはどんな病気?

2021/10/20

身体の片側に力が入らない・呂律が回らない・ふらつきやめまいがする・・・早期発見が大切な脳梗塞とは!

皆さんは脳梗塞という病気を一度は聞いたことがあると思いますが、具体的にどういった病気かご存知でしょうか?

脳梗塞とは

脳梗塞は、脳の血管が細くなったり血栓により詰まったりすることで起こります。脳の血管が詰まると脳に血液を送れなくなるため、神経細胞が壊死して様々な症状を引き起こしてしまいます。

脳梗塞の主な症状としては

  • 片側だけ手や足に力が入らない、または痺れる
  • 言葉がうまくでない、呂律が回らない
  • ふらつきやめまい、嘔吐などをする
  • 物が二重に見えたり、片目または視野の半分が見えにくくなったりする

などがあります。

脳梗塞は早期発見が大切

これらの症状を自覚した場合、程度の大小にかかわらず、まずは早期に病院やクリニックなどへの受診をお勧めいたします。
早期の受診をお勧めする理由としては、脳梗塞になると、時間とともに脳の神経細胞の壊死が進み症状が進行していくためです。したがって、神経細胞が一度壊死してしまうと再生することができないため、早めの治療が重要になります。治療開始時期が早いほど治療成績が良く、後遺症のリスクも減らすことができます。

治療方法は基本的には点滴や飲み薬による薬物治療が中心になります。しかし、発症時間や脳梗塞のタイプによって治療方法が異なるため専門医の診察は欠かせません。MRIによる画像診断も重要で、治療方針に関わる多くの情報を得ることできます。また、脳梗塞以外の病気がみつかる可能性もある為、可能ならMRIを撮影できる医療機関へ受診するようにしてください。

昨今の研究で脳梗塞の主な原因は動脈硬化であることがわかっています。動脈硬化を予防するには普段の生活から気を付けることが大切になります。
具体的には、肥満の解消、野菜を食べるようにしてバランスの良い食事をとる、適度な運動をするなどです。
公益社団法人日本脳卒中協会では「脳卒中予防十か条」を提案しており、予防に重要なことがわかりやすくまとめられていますので参考にしてみてください。

脳卒中予防十か条

01. 手始めに 高血圧から 治しましょう
02. 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
03. 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
04. 予防には たばこを止める 意志を持て
05. アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
06. 高すぎる コレステロールも 見逃すな
07. お食事の 塩分・脂肪 控えめに
08. 体力に 合った運動 続けよう
09. 万病の 引き金になる 太りすぎ
10. 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ

これらの予防方法は健康な身体を作ることにもあてはまるものが多く、是非この機会に実践してみることをお勧め致します。

まとめ

脳梗塞は早期発見と早めの治療がとても重要な病気です。症状を自覚された場合は専門医のいる病院やクリニックに速やかに受診するようにしてください。
また、脳梗塞の予防には食生活の改善や適度な運動など今日からでもできる事を積み重ねていくことが大切となります。

コラムニスト

院長  田邉 智之 

広島市安佐南区山本新町の春日野に令和元年11月1日開業いたしました田邉智之と申します。これまでは広島市民病院で脳神経外科を専門として、脳卒中・救急医療を中心に診療して参りました。その中でも、脳血管内治療(カテーテル治療)による急性期脳卒中の診療に力を注いで参りました。日々、急性期医療の重要性を感じておりましたが、また同時に、脳卒中を起こさせない予防医療の大切さも痛感いたしました。今後は地域に密着し、少しでも多くの患者様が大病にならない様、かかりつけ医として貢献したいと考えております。

たなべ春日野クリニックでは一般内科から動脈硬化のリスクである、高血圧、糖尿病、高脂血症など様々な疾患のトータルマネージメントを実践し、眩暈・頭痛・腰痛、認知症など様々な疾患に対しても“丁寧に、わかりやすく”をスタッフ一同心掛けて、診察・検査・治療を行ってまいります。

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