更年期の生理はどう変化するの?周期や量、仕組みなどを徹底解説


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2021/10/04

30代後半を過ぎ、生理のお悩みを抱えてはいませんか?更年期に入ると、繰り返し頻発月経や月経不順が起こり、そのうちに月経回数が減り、やがて完全に停止します。

最後の生理から生理がこない状態で1年を経過すると、閉経といわれています。
更年期による月経不順だと思っていたら、出血が不正出血だったり、病気が隠れていたりするケースもあるのです。
個人差はありますが、更年期に起こる変化をきちんと知っておくことで、婦人科系の病気や月経トラブルの発見にもつながるでしょう。

更年期とは

更年期は、女性ホルモン(エストロゲン)低下に伴う急激な体内環境の変化に、身体が慣れるまでの移行期間です。 更年期には、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)が、40代半ば頃から目に見えて低下します。
最後の生理から、1年間生理がこなかった場合を閉経といいます。 50歳前後で閉経を迎える女性が多いため、45歳~55歳あたりの約10年間を指します。 女性であれば誰もが経験するごく自然なことです。

生理以外の更年期の症状

更年期にみられる症状はたくさんあります。

・ほてり
・のぼせ
・発汗(ホットフラッシュとも)
・手足の冷え
・眠れない
・疲れやすい
・イライラ
・憂うつ
・動悸
・頭痛
・めまい
・肩こり
・記憶力の低下
など

症状のあらわれ方には個人差があるのも更年期障害の特徴です。いくつもの症状に悩まされる人もいれば、ほとんど症状を感じないままに更年期を終える人もいます。

生理周期と出血量からみる更年期に起こる変化とは?

更年期では、生理周期の長さも不規則に変化します。 また、経血の出血量が減ることや、ナプキンから漏れてしまうほどに出血量が増えること、だらだらと出血が続くことも。 生理周期と出血量が乱れることには、更年期のあいだで起こる体の仕組みが深くかかわっています。

更年期に生理が乱れる理由を解説

女性の身体のサイクル

28日~35日の周期で、卵胞期→排卵→黄体期→月経というサイクルが繰り返されています。

卵胞期

女性は本来、卵巣の中に、数十万個ほどの卵胞を持っています。
卵胞の役割は卵子を保護することです。また、生まれる前には約700万個の卵子があり、生まれた後には約200万個に、思春期には約20~30万個にまで減ります。毎月数百から千個の卵子が同時に発育をはじめ、最終的に排卵する卵子は1個になり、残りは途中で発育が止まり消失します。

排卵

成熟した卵胞から卵子が排出されます。

黄体期

卵胞から少量のエストロゲンとプロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンが分泌されます。 プロゲステロンの分泌によって、子宮内膜は成熟し、受精卵が着床し、育ちやすい環境に整えられます。 排卵後に受精が成立しなかった場合、プロゲステロンの分泌は止まります。

月経

妊娠できるように子宮内膜は厚くなり、受精卵の受け入れ態勢を整えますが、妊娠が成立しなかった場合には、古くなった子宮内膜は、剥がれて体外に排出されます。 これが月経であり、月経とは子宮内膜がリセットされることです。 更年期では、卵巣機能の衰えによってホルモンの分泌が不安定になります。そのため、子宮内膜がうまく剥がれず厚くなりすぎて、不正出血や大量出血が起こるのです。また生理がきても、排卵を伴わない無排卵月経である確率も増え、妊娠する力が少なくなります。

ただし、このような変化には個人差があります。 順調だったはずの生理が、ある日突然こなくなり、閉経を迎える人もいるのです。 誰もが同じ経過をたどるとは限りません。

更年期に起こる身体の変化

更年期は、生殖機能の変化と脳の制御が密接にかかわり、様々な症状を引き起こします。
生殖機能においては、卵胞が急速に減少し始め、消滅してしまう時期です。しかも、もともと持っていた数十万個ほどの卵胞は、毎月の排卵で減っていくだけではありません。加齢でも卵胞は減少します。30代後半から減少は急速し、50歳になると消滅してしまう卵胞がほとんど。卵胞の減少、そして卵巣機能の低下が結果として閉経をもたらします。

卵胞の減少や卵巣機能の低下は、脳でコントロールされている女性ホルモンの分泌の減少にも関連します。 脳でのコントロールがうまく行われなくなることで、自律神経の働きが乱れ、先述の症状を引き起こすのです。

年代別でみる生理の変化

30代後半~40代前半の生理

プレ更年期と呼ばれる時期です。 更年期は40代半ば頃から始まることが一般的です。
しかし、早い人では30代後半から、遅い人では50代半ばから始まるなど、大きな個人差があります。 30代後半から40代前半では、月経周期が短くなったり、出血量が少なくなったりといった変化がみられるでしょう。 また、生理の一部が無排卵月経となる確率が高まります。

40代後半の生理

更年期へ本格的に差し掛かる時期です。 月経周期が短くなったかと思えば、長くなったり、生理の回数が、2~3カ月に1回ほどに減ったります。
併せて、出血量や日数も不安定になります。 また、生理ではない日に不正出血が起こることもあるでしょう。

50代前半の生理

2~3カ月に1回ほどの月経回数が6カ月に1回となり、やがて生理がこなくなり閉経となります。
日本人女性の閉経年齢の平均は、50.5歳です。

更年期の基礎体温

基礎体温の基礎知識

基礎体温とは、生命を維持するために必要となる、最小限のエネルギーしか消費していない安静状態にあるときの体温です。基礎体温は、安静状態である就寝時の体温で測ります。 朝、目覚めてすぐ・活動をする前に口腔内で測るのが一般的です。 正常な排卵が行われている女性の場合、基礎体温は排卵日を境に、低温期と高温期の二相に分かれています。1ヶ月で低温期と高温期が一定のサイクルで繰り返されています。

更年期の基礎体温に起こる変化とは

更年期が近づくと、卵巣の機能が少しずつ低下します。
それに伴って、月経周期や基礎体温も変化します。排卵できないとプロゲステロンが分泌されず、高温期が形成されません。基本的に閉経を迎えた後の基礎体温は、高温期がなく、低温期だけが続く状態です。

更年期に向けたオススメの対策

対策が必要な理由

30代後半から40代半ばにかけては、更年期ほどに急激ではありませんが、閉経に向けて徐々に女性ホルモンの分泌が減っていくため、対策が必要です。 女性ホルモンは、肌や粘膜、血管、骨、脳など身体のさまざまな機能に影響しています。
そのため「やる気が出ない」「めまいがする」「イライラしがち」「疲れやすい」など更年期特有の症状を感じ始める人もいるでしょう。
また、具体的な症状はないものの、今までとは何か違っているような違和感を覚える人もいます。 これから更年期を迎える女性にとって、このような症状や違和感は、不安に感じるかもしれません。 女性であれば誰もが経験する更年期について、早いうちから意識しておきましょう。そうすれば、更年期をポジティブに明るく過ごし、閉経してもよりよい人生を過ごすことができます。 そのためには、女性ホルモンの役割や仕組みをきちんと理解し、自分の身体に関心を持つことが大切です。

体内環境の整備

過度のストレスは、卵胞の数や質の低下につながります。 ストレスをため込まないように注意しましょう。 また、喫煙は、卵胞の数や質の低下につながります。
更年期を機会に、喫煙習慣を改めてみてはいかがでしょうか。 そして、卵巣がいきいきと働けるような体内環境をつくることも重要です。 下腹部を温めて血流を良くするように心掛けましょう。 自律神経系や免疫系などは、体内環境を整えることで、良い働きをしてくれます。

基礎体温の変化

基礎体温の記録を行いましょう。
朝一に基礎体温を記録することで、ホルモンバランスが良好かどうかを確認できます。

適正体重の維持

適正体重を維持しましょう。 痩せ過ぎや肥満に注意が必要です。 日本肥満学会は、健康な生活を送るためにBMI22を基準に適正体重としています。 BMIとはBody Mass Indexの略で、国際的に用いられている肥満度を表す指標です。
BMIは、身長と体重から計算します。

(BMI)=(体重)kg ÷{(身長)mの2乗}

BMI18.5未満は「やせ」に、18.5~25未満は「普通」に、そして25以上は「肥満」に分類されます。
目標とするBMIは年齢によって異なりますが、更年期の時期では、20.0~24.9を目標にするといいでしょう。
また、適正体重は、基準であるBMI指数22と自身の身長を用いて計算します。

(適正体重)={(身長)mの2乗}×22

更年期に増える内臓脂肪は、生活習慣病の原因にもなりかねません。
健康のためにも食生活の見直しや適度な運動を心掛けましょう。

脳の活性化が大切

ワクワクするような楽しいことを生活に取り入れてみましょう。
しっかり身体を動かすことも脳の活性化につながります。
脳の活性化は、女性ホルモンの分泌を促します。

定期的な婦人科検診

定期的に婦人科検診を受け、子宮や卵巣の病気予防や早期発見に努めましょう。
また、婦人科やヘルスケアアドバイザーなど、更年期の心身の変化について相談できる窓口を持っておくこともオススメです。

更年期後の人生を充実させるポイント

更年期の症状に他の病気が隠れていることも

30代後半を過ぎると、ホルモンバランスが大きく変化するため、卵巣がんや子宮体がんのリスクも高まります。
また、更年期の症状だと思っていたものが「実は関節リウマチや甲状腺の病気、うつ、メニエール病など、他の病気が隠れていた」というケースもあります。

生理だけでなく包括的に相談できる婦人科のかかりつけ医を

更年期には月経周期の乱れや出血量の変化、閉経だけでなく、さまざまな症状があらわれることをご紹介しました。
更年期のさまざまな症状は、女性ホルモンの減少と分泌の波が原因です。
加えて、ストレスも影響します。
女性ホルモンの分泌の波を抑え、自律神経のバランスを整えるためには、規則正しい生活を送ることが重要です。 適度な運動、栄養バランスのとれた食事、良質な睡眠を心掛けましょう。
また、更年期の症状を悪化させないためにも、ストレスや自分を追い詰めるような考えは避けましょう。
自分を優しくいたわることも大切です。
更年期の月経トラブルはもちろん、女性の身体を総合的に相談できる婦人科のかかりつけ医を持っておくことがオススメです。

まとめ

女性であれば誰もが経験する更年期は、新たな人生のステージに続く入り口です。
今後の人生にどう向き合っていくのかを考える大切な期間。今回の記事でご紹介した対策を用いて工夫し、明るく乗り切っていくことで、更年期後の人生も充実していくはずです。

 コラムニスト紹介

さくらウィメンズクリニック 院長  大下 孝史 


「女性の生涯を支える診療科」として、2016年11月1日に、広島 五日市に開院いたしました。
さくらウィメンズクリニックは、婦人科・産科のクリニックです。
一般産婦人科をはじめ、がんの診断・フォロー・小手術まで、幅広く、そして丁寧に対応してまいります。

私たちは、「身近で気軽に相談できる存在であること」「女性の生涯を支える診療科であること」を大切にしています。
そして、地域の皆さまのお役にたてるよう、
丁寧な説明と笑顔を忘れずに、患者さま一人ひとりと真摯に向き合っていきたいと考えています。

地域の皆さまが健やかな日常生活を過ごすうえでの、お手伝いができればと考えております。
気になることは、何でもお気軽に相談いただき、お役に立てることができれば幸いです。
今後とも、当クリニックをよろしくお願い致します。

【経歴・資格・所属学会】
2001年4月
• 国立大竹病院産婦人科医師
   (現 広島西医療センター)
2002年10月
• 国立病院四国がんセンター産婦人科医師(現 四国がんセンター)
2006年4月
• 広島大学病院産婦人科助教
2007年4月
• 安佐市民病院産婦人科医師、副部長
2010年4月
• 市立三次中央病院産婦人科医長
2014年4月
• JA広島総合病院産婦人科部長
2016年11月
さくらウィメンズクリニック院長

「資格」
日本産科婦人科学会産婦人科専門医
がん治療認定医機構がん治療認定医
日本産婦人科医会母体保護指定医

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