これって更年期障害?気になる症状と対処法をチェック


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2021/09/24

最近、イライラしやすくなったり、疲れやすかったり、いろいろなことに敏感になったり……。心と身体が以前と違う、と感じることはありませんか?

これらの不調は、もしかすると更年期のせいかもしれません。女性の身体は40歳を過ぎたころから、規則的だった月経周期が不規則になり、やがて閉経を迎えます。この閉経を挟んだ前後10年間を「更年期」といいます。そして「更年期」=「更年期障害」と思われがちですが、更年期に日常生活が送れなくなるほどの症状が出る状態が、更年期障害です。本記事では、どのような症状が更年期にあらわれるのか説明します。更年期を正しく理解し、うまく変化と向き合いましょう。

更年期とは?

更年期とは、閉経を迎える50歳を挟んだ、前後10年間のことです。女性には、ホルモンの変化によって、4つのライフステージがあります。月経を迎える思春期、月経があり妊娠・出産可能な成熟期、閉経前後の更年期、閉経後の高齢期。女性ホルモンは全身に作用するため、その変化が心と身体へ大きな影響を与えます。更年期になると、徐々に卵巣の機能が低下し、女性ホルモン(エストロゲン)分泌が減少。その結果、ホルモンバランスの乱れに身体がついていけず、心身にさまざまな不調や変化が起こります。
更年期に起こるさまざまな不調を「更年期症状」といい、仕事や家庭生活に支障が出るものを「更年期障害」といいます。

更年期障害が起きる原因は?

女性ホルモンの減少

閉経にともなう卵巣機能の低下により、女性ホルモンのエストロゲンが急激に減少し、ホルモンバランスの乱れにつながります。エストロゲンとは、月経や妊娠などの女性機能のほか、乳房の成長、肌や髪の艶やかさなど、女性特有の身体づくりをサポートする重要なホルモンです。今までエストロゲンによって調節されていた、さまざまな機能がエストロゲンの減少でうまく働かなくなります。また、ホルモンバランスの乱れにより、自律神経の調節も乱れ、身体にさまざまな不調があらわれます。

女性ホルモンと脳の関係

女性ホルモンは、脳の視床下部によってコントロールされています。女性ホルモンのエストロゲンが減ると「もっと女性ホルモンを分泌させよう」と視床下部が卵巣に指令を送ります。しかし、卵巣の機能が低下しているため、十分なエストロゲンが分泌されません。すると、脳がパニックを引き起こし、自律神経や免疫機能のバランスをくずします。そして、急なのぼせや発汗など、さまざまな不調につながるのです。

性格や環境の変化によるストレス

そのほかにも、社会的要因や環境的要因なども関係しています。年齢的に子育てや親の介護などのストレスが多いため、身体的ストレスだけでなく精神的ストレスが加わることも原因のひとつです。また、真面目や几帳面といった性格や気質も複雑に絡み合って、更年期症状や更年期障害が引き起こされます。

更年期の症状とは

更年期の兆候(プレ更年期)

エストロゲンの減少は急にはじまるものではなく、女性の一生の中で、分泌が波のように変化しています。エストロゲンの分泌が30代後半から徐々にゆらぎはじめるため、生理周期の乱れや月経量の変化など、さまざまな不調があらわれだします。「月経の周期が遅れた」「1回の月経が短くなった」などの変化が続くようになれば、女性ホルモンのエストロゲンが減少してきているサインかもしれません。

更年期にあらわれる、さまざまな症状

更年期にあらわれる症状は、人によってさまざまです。ひとつの症状が続く場合もあれば、同時にいくつも出現することもあります。心にあらわれる人もいれば、身体にあらわれる人も。症状が多岐にわたることも、更年期症状の特徴です。そのため、更年期とわからず、ひとりで思い悩む女性も多くはありません。
下記で更年期によくある症状をあげてみましょう。

のぼせ・ほてり

いわゆる「ホットフラッシュ」と呼ばれるものです。のぼせやほてりは、更年期症状の代表的な症状のひとつで、女性の6割程度が経験すると言われています。「突然身体が熱くなる」「急に顔が紅潮する」「涼しいのに汗が止まらない」などの症状があります。
自律神経が乱れ、血管の収縮・拡張をコントロールできなくなることが原因です。

手足の冷え

冷えも更年期によく見られる症状です。女性ホルモンの低下と、自律神経の乱れによる血行不良が原因です。「上半身は汗をかいているのに足が冷たい」「夏でも指先が冷たい」という症状があります。もともと女性に多い冷えですが、更年期になると症状がきつくなる人も多いようです。ただし、冷えがあまりに強い場合は、子宮筋腫や心臓に関係しているかもしれません。医療機関に受診することをおすすめいたします。

疲労感・倦怠感

「疲れやすくなった」「寝ても疲れがとれない」「身体が重くて、やる気が出ない」そんな疲労感や倦怠感も、更年期の女性がよく経験し、感じている症状です。更年期の疲れやだるさには更年期における女性の体が関わっています。というのも、女性ホルモンが低下すると、自律神経が不安定になるためです。睡眠不足や精神的なストレスも原因になります。更年期は一時的なものと考え、思い切って休むのも良いでしょう。

めまい・立ちくらみ

「椅子から立ち上がるときクラッとする」「突然目がまわる」「身体が揺れているように感じる」などの、めまいや立ちくらみ。よくある加齢の症状でもありますが、更年期による自律神経の乱れが原因で起こることもあります。疲労や睡眠不足、ストレスなどが引き金になることもあります。仕事中や外出中に起きた場合は、慌てず腰掛けるか、休むようにしましょう。

頭痛

「頻繁に頭痛がある」「いつも頭が思い」「頭の片側がズキズキする」など、頭痛は女性に多い症状です。上記の症状が更年期になってから出てきたり、悪化したりする場合もあります。更年期の頭痛の多くは、緊張型頭痛と片頭痛です。緊張型頭痛は、頭全体が締め付けられるような痛みで肩こりを伴います。一方、片頭痛は頭の片側がズキズキ痛み、ときには吐き気も。これらは、女性ホルモンの低下による脳血管壁の痙攣・収縮が原因と考えられています。

不眠・寝付きの悪さ

「夜中なかなか寝られない」「眠りが浅い」「寝ても熟睡感がない」などの不眠や寝付きの悪さがあらわれることも更年期症状のひとつ。女性ホルモンの分泌が減少し、自律神経が不安定になることが、睡眠をつかさどる間脳に影響すると考えられています。また更年期の体の変化や、環境変化によるストレスが不調の原因になっていることも。対策として身体を動かし、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かってみてはいかがでしょうか。

動悸・息切れ

「急に胸がドキドキする」「少し歩いただけなのに息切れする」「何もしていないのに脈が早くなる」などの症状はありませんか?このように、運動の後ではないのに、きっかけもなく起きる動悸・息切れも更年期の症状です。原因は、女性ホルモン分泌の急激な減少によって、呼吸や心臓をつかさどる自律神経が乱れ、コントロールが不安定になるためです。動悸を感じた時は、まず深く深呼吸してみましょう。また、日頃の対策として、自律神経を整えるために、生活リズムを見直してみることも有効です。

イライラや不安感

「とにかくイライラする」「すぐ声を荒だててしまう」「感情の起伏が激しく、怒りっぽい」など、以前は気にしなかった些細なことにイライラし、怒ってしまうことがあります。また「訳もなく涙が出る」「いつも憂鬱」など不安感に苛まれることも。女性ホルモンの減少が原因です。なぜなら、女性ホルモンは、ノルアドレナリンをコントロールすることや、精神を落ち着かせるセロトニンを生成することに深く関わっているためです。また家庭や職場で受ける、さまざまなストレスも要因です。ストレスを避け、リラックスすることを心がけましょう。セロトニンの分泌をよくするために、朝日を浴びることも効果的です。

更年期症状かも?不調を感じたら受診

更年期は人によって症状がさまざまです。何よりも、今まで普通にできていたことが、できなくなると辛いですよね。更年期症状はバランスのとれた食事、適度な運動、休養などで、ある程度は改善可能です。それでも症状が改善しない場合や、日常生活に支障が出る不調を感じたら、ひとりで悩まず、婦人科受診をしてみてはいかがでしょうか。また、更年期を専門とする「更年期外来」や女性の心身をトータルでケアしてくれる「女性外来」もあります。

更年期障害の治療方法は?

更年期障害は、身体的要因と、心理的要因、社会的要因が複雑に絡み合って発症します。例えば、以下のような病気の疑いが挙げられます。

・めまい:メニエール病や脳疾患の可能性
・頭痛:脳外科的疾患や高血圧の可能性
・動悸:甲状腺機能亢進症や貧血、心臓疾患
・関節痛:関節リウマチ

まず不調を感じたら、婦人科でみてもらいましょう。婦人科といえば、女性特有の病気の際に受診するイメージですが、更年期障害の治療や症状の緩和も、婦人科の役割のひとつです。原因を特定するために他の診療科を含めた検診や問診を受け、自分にあった最適な治療方法を決定しましょう。治療方法には、以下の種類があります。

薬物療法

ホルモン補充療法(HRT)

更年期障害の主な原因であるエストロゲンの減少を補う治療法。ホルモン補充療法はHRTと略します。HRTは、ほてりや発汗、息切れ、動悸などの血管運動神経症状改善の手助けになると言われています。これに加え、イライラ、不眠、憂鬱などの精神症状も緩和します。HRTに用いるホルモン剤は、飲み薬、塗り薬、貼り薬などいくつかのタイプがあり、投与方法もさまざまです。しかし、HRTもすべての症状に万能なわけではありません。「寝つきが悪い」「眠りが浅い」「手足が冷える」などは改善しにくい症状です。

漢方療法

全体的な心と体のバランスを整え体質改善につながります。漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせで作られています。どの漢方薬を使うかは、自分の体質や、体格、自覚症状などを総合的に判断して決定。更年期における女性の多くは、婦人科三大処方と呼ばれる、当帰芍薬散・加味逍遙散・桂枝茯苓丸を中心に、それぞれに合ったものを処方されます。冷え性、貧血、やせ型の人は当帰芍薬散が処方、また、疲労しやすく、不眠、のぼせ、ほてりが強く、イライラなどの精神症状などの強い人は加味逍遙散が処方され、のぼせや下腹部痛、体がむくむ、下腹部がぽってりとしたがっちり型また整理商状の強い人は桂枝茯苓丸が処方されます。ただし、西洋薬と比較すると、一般的に効きはじめるまで時間がかかる場合があります。

その他の薬物・サプリメント療法

気分の落ち込みや、意欲低下、イライラ、情緒不安定がひどい場合には、抗うつ薬や抗不安薬などの向精神薬が用いられます。新規抗うつ薬は副作用も少なく、また、ほてりや発汗などの血管運動神経症状にも処方されます。
また近年の研究で、イソフラボンが腸内細菌によって作り変えられるエクオールが、女性ホルモンと似た働きをしてくれることがわかりました。エクオールには、エストロゲンが減少してくる更年期の女性をサポートする働きが期待されます。ただし、エクオールを腸内で作ることができるのは、日本人の約半分だと言われています。腸内で作成できない場合はサプリメントで摂取することもおすすめで、HRTの代替療法の位置づけです。

心理療法

更年期障害の要因は、加齢に伴う身体的要因、ストレスなどの心理的要因、家庭や職場での社会的要因が複雑に絡み合っています。そのほかに、些細なことが気になる、几帳面といった気質や性格が要因にも。そのため、薬物療法だけでなく心身のあらゆる症状について、医師や専門医によるカウンセリング・心理療法が必要になる場合があります。婦人科だけでなく、心療内科とも連携しながら対応します。

食事療法

更年期は、女性ホルモンが減少するため、自律神経の乱れを引き起こします。さらに、不規則な食生活は、自律神経のバランスをより不安定にします。さらに、加齢で必要なエネルギーと脂質の代謝も変化し、また悪玉コレステロール、中性脂肪も上昇してきます。結果、栄養過多や・栄養不足を引き起こし、心身の健康バランスをくずします。そのため、更年期にどんな食事をするかはとても重要です。魔法のように、ひとつだけを食べて健康になる食べ物はありません。あらためて、健康に必要な栄養素を考えると、バランスのよい食事がいかに重要かわかるでしょう。

運動療法

更年期症状の重症度を減少させるのに、ゆるく続けられるウォーキングや有酸素運動が有効であるとわかってきました。近年の研究では、更年期障害を有する女性にサイクリングやウォーキング、水中歩行を行ったところ「更年期症状の重症度を表す指数が、運動前に比べて明らかに下がった」と報告されています。更年期症状改善のためには、酸素を十分に取り入れ、全身の筋肉を収縮するウォーキングや水泳、サイクリングなどの有酸素運動を行います。さらに追加で、ストレッチやウェイトトレーニングをするのがおすすめです。そして、あまり無理せず、長く続けられることが重要です。運動を継続することで、脂肪の上昇、骨粗鬆症の進行を抑える効果も期待できます。

まとめ

更年期は、心身ともに大きな変化を迎える時期です。更年期症状は人それぞれですが、女性の約9割が少なからず不調を抱えています。しかし、それらも適切な治療や生活習慣で軽減できます。
また、更年期だけでなく、エストロゲンの減少は身体機能にも多く関係するため、さまざまな病気のリスクもあります。気になることがあれば、ひとりで悩まず、病院での適切な診察を受けましょう。そして、年齢を重ねることをポジティブに捉えながら、大切な日々を明るく健康的に過ごすことも重要です。

 コラムニスト紹介

さくらウィメンズクリニック 院長  大下 孝史 


「女性の生涯を支える診療科」として、2016年11月1日に、広島 五日市に開院いたしました。
さくらウィメンズクリニックは、婦人科・産科のクリニックです。
一般産婦人科をはじめ、がんの診断・フォロー・小手術まで、幅広く、そして丁寧に対応してまいります。

私たちは、「身近で気軽に相談できる存在であること」「女性の生涯を支える診療科であること」を大切にしています。
そして、地域の皆さまのお役にたてるよう、
丁寧な説明と笑顔を忘れずに、患者さま一人ひとりと真摯に向き合っていきたいと考えています。

地域の皆さまが健やかな日常生活を過ごすうえでの、お手伝いができればと考えております。
気になることは、何でもお気軽に相談いただき、お役に立てることができれば幸いです。
今後とも、当クリニックをよろしくお願い致します。

【経歴・資格・所属学会】
2001年4月
• 国立大竹病院産婦人科医師
   (現 広島西医療センター)
2002年10月
• 国立病院四国がんセンター産婦人科医師(現 四国がんセンター)
2006年4月
• 広島大学病院産婦人科助教
2007年4月
• 安佐市民病院産婦人科医師、副部長
2010年4月
• 市立三次中央病院産婦人科医長
2014年4月
• JA広島総合病院産婦人科部長
2016年11月
さくらウィメンズクリニック院長

「資格」
日本産科婦人科学会産婦人科専門医
がん治療認定医機構がん治療認定医
日本産婦人科医会母体保護指定医

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