朝食が大事


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2019/04/22

時間栄養学の観点からも、生活習慣病予防のためにも朝食は大事です。

朝食を食べておられますか?

「食事はきちんと食べておられますか?」と聞かれたら皆さんは何と答えられるでしょうか。
『食べてるよ』『まあまあね』『夜が遅いから野菜ジュースだけ』中には『起きてすぐは食欲がなくて』という方もおられるでしょう。 食事というのはとても個人的なことなので、それぞれの生活スタイルによっていろいろなイメージがあると思います。試しに広辞苑を引いてみました。

【食事】
生存に必要な栄養分をとるために、毎日の習慣として物を食べること。また、その食物。とあります。
食事は生存するために必要な栄養分をとるための行為なのです。

江戸時代前期の儒学者であり、本草学者でもある貝原益軒(かいばら えきけん)の著した『養生訓』の中に

『凡そ我が身を愛し過すべからず。美味をくひ過し、ほううんをのみ過し・・・』という行があり、『自分を可愛がりすぎて、美味しいものを食べ過ぎ、うまい酒を飲み過ぎ、病気でもないのに、薬をやたら飲んで、かえって体の毒になっている』

ということを言っています。

また、『食は半飽に食ひて、十分にみつべからず。酒食ともに限を定めて、節にこゆべからず』ともあり。
食事は満腹の半分くらいが良く、酒食とも限度をきめて、節度を超えないようにとあります。300年も前にこのようなことが書かれているのです。ちなみにこの貝原益軒先生は84歳までご存命で、仕事をされました。

私たちは食事をすることをおろそかに考えてはいないでしょうか?
自分の好き嫌いだけで食事を考えていないでしょうか?

朝食は食べたほうが良いのでしょうか? 食べなくて良いという人もあります。
どちらでも好みで考えればよいのでしょうか?

戦後、小柄な日本人は欧米人に追いつけとばかりに、「たくさん食べることが良いこと」とされてきました。私の子供のころはとにかく、朝からしっかりご飯を食べるのが良いこととされていました。夕食が日暮れと同時でしたから、朝はお腹が空いて目覚め、朝ごはん抜きは考えられませんでした。定番はお茶碗いっぱいのご飯とお味噌汁とめざしの焼いたのや季節ごとの常備菜でした。春にはわらびの炊いたのの次は、たけのこという具合です。

長い歴史の中では1日2食の時代があったり、食糧がなくて1食しか食べられない時代があったかと思います。私の記憶では1970年ごろまでは朝食を食べないという人はそんなにいなかったと思います。大阪で万国博覧会が開催され急速に経済が発展し、いろいろな働き方をする人ができ、猛烈サラリーマンがもてはやされ、深夜の食事が尾を引いて、朝はギリギリまで寝ているといった調子ではなかったでしょうか。
よく引き合いに出されるのが、車や家電製品の普及と糖尿病患者が急速に増えた時代であったということです。

現在の朝食欠食率を見てみると、20歳代がもっとも多く、男性は3人に1人、女性はほぼ4人に1人が食べていません。次に多いのが30歳代です。(平成27年の国民健康・栄養調査結果による)
『現代人は栄養の摂り過ぎだから、朝くらい抜いたほうが良い』という人や、『人の生理機能では午前4時~正午までは排泄の時間であるから、十分に排泄をするためには朝食は抜いたほうが良い』ともっともらしい説もあります。

しかし朝食をとらない人は夕食の時間が不規則で、その内容も偏りがち。夕食後の間食も多く、1日の食生活のリズムが不規則になっているといわれています。
糖尿病学会でも『3食規則正しく食べましょう』というのがガイドラインに沿った指導方法であり、厚労省の食育のための具体的な指導要領でも『1日のスタートは朝ごはんから』としています。

欧米では『朝食は王様のごとく、昼食は王子のように、夕食は貧民のように食べよ』と言い、
中国では「朝食は豪華に食べ、昼食はお腹いっぱいに食べ、夕食は少なめに食べ」と言います。

このような言葉があるように、朝食を食べるということは、体内時計がリセットされ、日々ずれていく体の抹消時計のスィッチを入れることになります。そして体は消化、吸収、代謝を活発に始めるスタートを切るのです。
『朝食抜きダイエット』という言葉もありますが、1万人の児童対象の調査では朝食を毎日食べている群に比べ、時々食べるや全く食べない群は肥満が多いという調査結果があります。同様な研究結果は国内外で多数報告されています。

成功談や、自分に都合の良い結果ばかりを見ていませんか?
自分の生活スタイルを考えていますか。

朝食抜きで調子が良いという人は夜の食事がとても遅い人や、活動時間帯が夜中心である場合があります。こういう夜遅い食事を摂る人は、普通の朝食の時間にはまだ十分に消化・吸収ができていなくて、昼頃の食事が実質的には普通の人の朝食と同じことになります。
全体の生活スタイルがずれ込んでいると考えると、納得がいきませんか?
夕食後初めての食事を朝食と考えれば良いというわけです。
絶食後初めての食事は、絶食を破る食事ということでBreakfastブレックファーストと言います。
生活スタイルのずれを直していくためには、夕食を軽めに済ませて部屋を暗くし、十分に睡眠を取り、太陽の光とともに爽やかに目覚めることです。

朝食には何を食べるのが良いのでしょうか?

朝起きて直ぐに脳を動かし活動できるようにするためには、糖質は欠かせません。しかし、スィーツなどの単純糖質では血糖値を急激に上げてしまうことになります。そこで食べていただきたいのは糖質+食物繊維を含んだ炭水化物です。これは主食となるご飯であったり、パンであったりします。また、血圧は夜低く、朝高くなるので朝ごはんに塩分を多く摂ると日中の血圧が高くなります。血糖や血圧を上げ過ぎないためにも野菜の食物繊維は必要ですし、上質な筋肉合成ができるという朝にもたんぱく質が必要です。

次回は朝ご飯に最適なメニューのご紹介をします。
前日にコンビニで、買い置きするもよし、作り置きをして冷凍するのも良いでしょう。
きっと、これならできそうという方法が見つかるはずです。

 コラムニスト紹介

管理栄養士  伊藤 教子 


長年、管理栄養士として病院の給食管理・栄養管理に従事後、現在、内科糖尿病専門医院にて糖尿病を中心とする生活習慣病、高齢者の低栄養等の栄養食事指導をしています。
ライフワークとして「あなたの体は、あなたの食べたものでてきている」ということを意識した「食」の啓発活動を行なっています。

【経歴・資格・所属学会】
※経歴
広島大学大学院保健学研究科修士課程修了
特別養護老人ホーム勤務を経て厚生堂長崎病院にて20年間給食管理・栄養管理に従事。
現在内科糖尿病専門医院にて栄養指導に従事。

※資格
管理栄養士 / 日本糖尿病療養指導士
高血圧循環器予防療養指導士 / 栄養相談専門指導士

※所属学会
日本病態栄養学会 / 日本糖尿病学会
日本高血圧学会 / 日本公衆衛生学会
臨床栄養協会

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