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亜急性甲状腺炎 | 症状から調べる | ファミリードクター

亜急性甲状腺炎

亜急性甲状腺炎とは、喉仏の下にある甲状腺という臓器がウイルスによって炎症を起こし、痛みや発熱といった症状が引き起こされる病気です。
甲状腺の炎症によって甲状腺組織が破壊され、組織内に溜められていた甲状腺ホルモンが血液に流れ出ることで血液中の甲状腺ホルモンが上昇し、動悸等の症状が出る甲状腺中毒症を併発します。
男性よりも女性に多く、主に30~40代での発症が報告されています。再発する可能性もありますが、慢性的に続く訳ではありません。

亜急性甲状腺炎の原因

亜急性甲状腺炎の原因は、現段階では未だ分かっていません。しかし、甲状腺が炎症を起こす原因はウイルスによるものと考えられています。

亜急性甲状腺炎の症状

亜急性甲状腺炎の症状は一過性のもので、治癒まで一般的に2~3ヶ月程度の時間は掛かり、炎症が落ち着くと共に症状も改善します。また、この病気の症状は「甲状腺の炎症によるもの」と「甲状腺ホルモンの上昇による、甲状腺中毒症の症状」とで2つに分類されます。

甲状腺の炎症による症状

甲状腺の痛み

甲状腺の痛みは、食べ物や飲み物を飲み込む際や、触った時に痛みを感じる程度の軽いものから、前頸部の疼くような痛さが下顎や耳に等甲状腺近辺のさまざまな場所に放散するものまで多数あります。

甲状腺の腫れ

甲状腺の腫れが、全体、もしくは左右の片側のみに現れます。
腫れの位置や痛みの場所も、時間の経過とともに少しずつ移動する特徴があります。

発熱

甲状腺の炎症に伴い発熱する場合もあり、微熱から高熱までさまざまなものがあります。

甲状腺中毒症による症状

甲状腺の炎症によって甲状腺組織が破壊され、甲状腺ホルモンが血液に流れ出すことで甲状腺中毒症を引き起こした場合、全身の倦怠感、動悸、息切れ等の症状が現れます。一時的にホルモン値が上昇した後は一旦減少し、それに伴い症状も改善します。
病初期では甲状腺機能低下も見られ、これもまた一時的な症状ではありますが、甲状腺組織の濾胞破壊が広範囲だった場合等は、稀に甲状腺機能低下が恒久的に続いてしまう人もいます。

亜急性甲状腺炎の治療

亜急性甲状腺炎の検査

血液検査

炎症を数値化するCRPの数値を確認します。その他にも、甲状腺組織の破壊により血液中に流れ出た甲状腺ホルモンや、サイログロブリン値が高くないかを確認します。

超音波検査

甲状腺の腫れや炎症の具合を超音波で確認します。

アイソトープ(放射性ヨウ素)検査

この検査により、甲状腺ホルモンが別の病気によって高くなっている可能性がないかを調べます。

発熱や痛みに使用する薬剤

発熱や痛みといった症状には、NSAIDと呼ばれる非ステロイド性抗炎症薬一般的に使用されます。症状に応じてコルチコステロイド等の経口薬を用いて炎症を鎮める場合もあります。

甲状腺中毒症に使用する薬剤

甲状腺中毒症により甲状腺機能の著しい亢進が見られるβブロッカー等を使用し動悸、頻脈を整えます。
また、甲状腺機能低下症が持続してしまう場合には、甲状腺ホルモン補充治療が必要になります。

亜急性甲状腺炎の予防

体質によっては10~30年後に再発する可能性もある病気なので、完治後にまた同じ症状を感じた場合は、亜急性甲状腺炎の発症歴があることを医師に告げ、早めに相談しましょう。

この記事の監修

みやがわ小児科医院 院長宮河 真一郎

当院は私の父である院長 宮河 定が1966年1月に廿日市市本町に小児科医院を開業し、廿日市で小児の地域医療にたずさわってまいりました。2015年夏より私 宮河真一郎が加わり引き続き廿日市地区、広島西地区において皆様の手助けになりますよう頑張って参りますのでよろしくお願いいたします。

私は廿日市出身(廿日市小学校・中学校卒業)、広島の高校を経て愛媛で医学を学び、広島の地で小児医療に関わって参りました。これまでは大学病院をはじめとしたいわゆる入院設備のある病院で勤務し様々な病気を経験させていただきました。たくさんの患者さん、そしてご家族との出会いがあり、貴重な経験と多くのことを学ばせていただきました。これからはこの経験を生かして、さらに未来を背負った子どもたちとそのご家族のために長く地に足をつけてサポートさせていただけたらと思っております。

【経歴・資格・所属学会】

※経歴

廿日市小学校 廿日市中学校卒業 広島城北高校
平成 3年愛媛大学医学部 卒業
平成 3年広島大学小児科 入局
平成 4年広島赤十字原爆病院 小児科
平成 6年至誠会梅田病院小児科勤務
平成 7年県立広島病院 小児科、新生児科
平成 8年広島大学 勤務 医員、助手、病棟医長
平成18年国立行政法人 独立行政法人呉医療センター小児科 医長、科長
平成27年宮河小児科医院 勤務

[免許]
医師免許 337546号 医学博士
日本小児科学会認定医/専門医
認定小児科指導医
地域総合小児医療認定医

[所属学会]
小児内分泌学会 評議員、日本糖尿病学会、日本マススクリーニング学会、日本新生児成育医学会、周産期新生児学会、日本小児感染免疫学会、日本小児科医会

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