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突発性難聴 | 症状から調べる | ファミリードクター

突発性難聴

「突発性難聴」とは、突然左右どちらか一方の耳の聴力が低下する疾患です。まれに両耳とも聞こえが悪くなる人もいます。また、耳鳴りやめまいなどを伴うこともあります。30~60歳代を中心に、性別に関係なく発症しており、日本における患者数は約35,000人と推定されています。

突発性難聴の原因

原因不明の疾患ですが、以下のものが関係しているとされています。

突発性難聴の原因をされている項目

  • 循環障害や内耳のウイルス感染
  • 肉体的または精神的ストレス
  • 過労
  • 睡眠不足
  • 糖尿病

内耳のウイルス感染は、片側の高度難聴を発症します。突発性難聴の約7%は不顕性感染(*)と言われていますが、正確な原因は不明です。

ストレスを感じると、交感神経が活発化して血管が収縮し、内耳の血流が不足します。血流不足になると、酸素などの必要な成分が十分に内耳に運ばれず、内耳機能に悪影響を及ぼすことで突発性難聴を発症すると考えられます。また、ストレスからウイルスに感染し発症することもあります。しかし、ストレスとの関連性や割合などがはっきりと検証しにくい面があるため、明確な原因であるとは断言できない現状にあります。

*不顕性感染=ウイルスに感染しているものの、症状が現れていない感染状態

突発性難聴の症状

突発性難聴は、耳に関する疾患歴を持たない人が、突然聴力を発症します。

難聴の主な症状は、難聴に伴う耳鳴りやめまいなどの症状です。難聴は一般的には左右片側のみに生じます。発症から数日以内に治療を開始しなければ難聴が残存する可能性が高くなります。

内耳には聞こえを担当する「蝸牛(かぎゅう)」、身体の平衡感覚を感知する「三半規管」や「前庭」などの機能があります。突発性難聴になることで、内耳内にある神経が興奮状態となり、耳鳴りが生じることがあります。また、症状が強く表れるとめまいを起こすこともあり、特にめまいが生じた場合には速やかに受診することをおすすめします。

突発性難聴の治療

主に純音聴力の検査を行います。
検査結果により重症度がわかり、治療を決定することができます。

原因が明確ではありませんが、一般的に治療では、ステロイドホルモン剤や血管拡張剤を使用します。これらの治療で効果が見られなかった場合には、星状神経節ブロック・ステロイドホルモン剤の鼓室内投与・高圧酸素療法など、症状や重症度に応じた治療を追加します。

また、治療を受けても後遺症なく完治する方は30%程度で、70%の人は治療後も日常生活に障害をきたす恐れがありますが、治療により発症時に比べると難聴は改善しています。

一方で、発症前の聴力に戻るケースは30%程度、治療を施しても改善反応が見られないケースが30%程度と言われており、残念なことに難聴が残る方も少なくありません。

突発性難聴の後遺症として代表的なものは耳鳴りです。耳鳴りは脳内で常に音が鳴り続け、日常生活に支障が出ることも少なくありません。後遺症を残さず完治を望むなら、発症後1週間以内に治療を始めることです。突発性難聴の症状が見られたら、直ちに受診してください。早めの受診で完治する可能性は高くなります。

突発性難聴の予防

原因に不明点がおおいため、突発性難聴に対する確実な予防法はありません。

ただし、突発性難聴はウイルス感染とストレスが原因である可能性が大きいため、これらの予防が突発性難聴の予防にもなると考えられます。

まず、ウイルス感染予防には、規則正しい生活を送り免疫力を高めることです。特に食生活には注意し、アルコールを控え、栄養バランスの良い食事を摂取するよう心がけましょう。

また、ストレスを溜め過ぎず、十分な休養をとり、適度な運動を行い、ストレスを発散させてください。ストレスの予防はウイルス感染対策にも繋がります。

この記事の監修

うした耳鼻咽喉科クリニック 院長片桐 佳明

地域の皆様に信頼していただけるクリニックを目指し平成30年10月に開院しました。
当院では患者さんの苦痛・不安をよく聞いて、病状や治療方法を丁寧に説明し、治療を進めていくことを大切にしています。
また、必要であれば近隣もしくはご希望の総合病院などにご紹介させていただきます。
めまい、いびき、睡眠時無呼吸、耳、鼻、のどに関するお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。

【経歴・資格・所属学会】

※経歴
平成18年3月
東京医科大学医学部医学科卒業
平成18年4月
県立広島病院
平成25年7月
広島大学医学部附属病院
平成27年6月
JA尾道総合病院
平成30年4月
堀病院
平成30年10月
うした耳鼻咽喉科クリニック開院

※資格
医学博士
日本耳鼻咽喉科学会 専門医
身体障害者福祉法指定医師
日本めまい平衡医学会 めまい相談医

※所属学会
日本耳鼻咽喉科学会
日本めまい平衡医学会

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