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感謝と笑顔を忘れず地域社会に必要とされるサービスを提供していきたい

感謝と笑顔を忘れず地域社会に必要とされるサービスを提供していきたい

「ひろしま国際ホテル」をはじめ、お好み焼きの「徳川」などの飲食店、福祉の「ECOL」、清掃サービスの「リースキン」など、暮らしに関わる様々な分野で地域に根付く「東洋観光グループHD」。
その代表である今井誠則さんに、長年携わってきた仕事や地域に対する思い、そしてご自身の健康法などについてお話を伺いました。

インタビュアー

長く地域と共に歴史を刻んできた企業の一つと認識しています。

今井代表

事業の始まりは戦後、私の父である先代社長がうどん店を開いたことに遡ります。
その後の事業として特に思い出深いのは、昭和29年に開いた映画館、
洋画封切館東洋名画劇場「東劇」です。
戦後の復興に伴い人々が娯楽を求めるようになってきて、
次々と興業記録を塗り替えるほど連日多くの人が詰めかけました。
広島が元気になっていくことや、
人々が笑顔で喜んでくれることを実感できて、
今の事業の根幹につながる経験になったと感じています。
 その後、テレビの普及に従い映画産業が廃れ、
映画館の跡地に建てたのが今も続く
「ひろしま国際ホテル」です。

国際ホテル竣工式

インタビュアー

広島に長く住んでいると、東洋観光というと「徳川」のCMを思い浮かべます。

今井代表

現在の徳川総本店(胡町・東劇ビル)

 「徳川」のきっかけは、大阪で訪れたお好み焼き店でした。大きな店で、中にショーが見られるステージまでありました。
広島は広島風のお好み焼きの発祥の地でしたが、自分たちで焼く関西風の店はあまりなかったので喜ばれるのではないかと考えたのです。第一号店は新天地に100坪の店を構えて、当時は大きな話題になりました。

インタビュアー

広島で、大阪風のお好み焼きで、「徳川」という店名を付けた理由も気になります。

今井代表

 これは、たまたまなんです。お好み焼き店を始める時に、今は亡き妻が「道草」か「徳川」という名前はどう?と聞いてきました。それなら、15代続いた「徳川」の方が縁起がいいだろうと思って決めました。ところが開店して数年後に、経営が悪化した時期がありました。そんな時、占い師のような不思議な女性が「〝徳川〟の名前と家紋を勝手に使用しているのが良くない」と言ってきたのです。半信半疑ながらもそれも一理あると考え、広島護国神社にお願いした紹介状を携えて日光東照宮へお参りに伺い、快く迎えていただきました。またその後たまたま徳川家の現当主の方にお会いする機会があり、その方からも屋号の使用を快諾していただきました。
 時代に合わせてメニューやサービスを見直す企業努力を続けていることもありますが、今も地域の皆さんに喜んでいただける店として続いているので、きちんと筋を通したことで徳川家のご加護に預かれたのかもしれない、と勝手に考えています(笑)。

インタビュアー

時代の様々な変化に対応して来られましたが、特にコロナ禍は厳しかったのではないですか?

今井代表

 これまで様々な事業を展開してきて、もちろん時代に乗ってうまくいったものもあれば、時代の変化によってうまくいかなかったものもあります。失敗はたくさん重ねてきました。
 なかでもコロナ禍は、これまで直面したことがないくらい厳しかったです。「観光」と「飲食」という2つの柱を直撃されましたので。しかし幸いなことに「ホールディングス」という事業形態を取っていたことで、他の分野の事業で補完し合うことができました。特に、地域に必要とされて取り組んだ福祉の分野が柱の一つに成長していたことが大きかったです。それぞれの分野にいい時もあれば悪い時もあるので、相互にカバーし合い、刺激し合い、学び合うことができるのも総合グループ企業のいいところだと改めて感じています。

インタビュアー

事業分野が多岐に渡りますが、共通して大切にしている信念がありますか? またそれを束ねるトップの立場として心がけていることは?

今井代表

 グループの理念は「感謝と笑顔でご奉仕」です。まず神様仏様、そしてご先祖様に感謝です。感謝を忘れず、笑顔で、世のため人のために喜んで動いていれば自ずと良いことが回ってくると信じています。
 経営に関しては「任せる」ということです。父の代には、各社のトップを集めて夕方から深夜まで根掘り葉掘り聞き出すような会議を設けていましたが、私の代になってしばらくしてからそれをやめました。現場の細かいことは、それぞれの現場にいる者でなければわかりません。だから、私はなるべく全体を見る。そしていい数字を出したところには、それに見合う給料を上げていく。特に給料の効果は大きいですね(笑)。

インタビュアー

最後に今井代表が健康維持のために取り組んでいることがあれば教えてください

今井代表

 たいしたことはしていないですが、一つは朝起きたらベッドの中で10分間腹筋をすることです。これは、以前に腰痛を患った時から40年くらい続けています。それからずっと調子がいいので、効果があるのだと思います。膝をついての腕立て伏せも50回くらいします。中学・高校時代に柔道をやっていた時は、片腕で200回くらい腕立て伏せをしていましたから、それに比べたら緩いものです(笑)。
 それから露地野菜を10種類以上煮込んだ野菜スープを毎朝飲むことも続けています。あとは美味しいものを食べて、美味しいお酒を飲むことですね(笑)。
 私を含めて後期高齢者がこれからますます増えていきますから、同じ後期高齢者の立場から必要と考えるサービスを提供していくことも使命だと考えています。そのためにも、これからも自身の健康維持に努めていきたいと思います。

(※後列左)

今井 誠則(いまい まさのり)

1947年広島生まれ
1965年修道高等学校卒業後、1969年立教大学経済学部卒業。
株式会社徳川 代表取締役社長、東洋観光株式会社 代表取締役社長などを経て、東洋観光グループHD 代表に就任。2018年旭日雙光章受章。
東洋観光グループHDは、東洋観光株式会社、今井観光株式会社、株式会社徳川、西日本リネンサプライ、日本基準寝具株式会社、広島セレモニー株式会社、株式会社キャッツハンズ、東光開発株式会社、株式会社スーパードライチェーン、株式会社GOGOやまぐち、有限会社アイロジクス、トーカン協同組合で構成。

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