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新しい技術で介護の仕事をサポートし、イメージを変えていきたい|矢野 勝公さん

新しい技術で介護の仕事をサポートし、イメージを変えていきたい

  • 介護現場に役立つ各種用具の普及・啓発に携わる「日本福祉用具供給協会」。中国支部 広島県ブロックでは、最新技術を活用した介護ロボットを、それぞれの現場に適した導入に結びつけてもらうためのプラットフォーム事業に力を入れています。ブロック長を務める矢野さんに、介護をとりまく環境への思いを聞きました。

介護機器に携わるようになった経緯を聞かせてください。

今の会社に入った当初は、病院などの寝具のクリーニングやリースに携わる仕事をしていました。多くの高齢者が病院に長期入院していた時代を経て、介護保険制度の確立へと国が舵取りを始めた時期と並行して、介護用具の事業に携わるようになりました。その後、加入した日本福祉用具供給協会の運営に関わり、広島県ブロック長を任されて20年以上経過します。長く介護の現場を見てきたからこそ、業界のために役立つ働きかけをしたいとの思いで、協会のネットワーク、情報、補助金の制度などを活用して積極的な活動を行ってきました。広島県ブロックは全国の協会の中でも特に活発に新しい取り組みに挑戦していると感じています。

介護ロボットのプラットフォーム事業に力を入れるようになったきっかけは?

高齢化が進み介護を必要とする人は増える一方で、介護に携わる人は減っているのが現状です。人口の多い都市部はまだしも、過疎化が進む中山間地の人手不足は深刻で、従事者の高齢化も進んでいるのに人が足りないので辞められないという人も多い。そこで介護ロボットやシステムを活用して、身体的・精神的負担を軽減することが急務となってきました。

中でも現場の期待が高まっているのが、見守り支援システムです。

介護施設での夜間巡視は、特に負担の大きい業務の一つ。全ての利用者を常に見守ることは人の力では限界があるし、訪室の際、ご利用者を起こしてしまうこともあります。

見守り支援システムでは、センサーでご利用者の状態を知らせることで、必要な時に、必要な人に、必要な介助を行えます。また、転倒などのアクシデントの原因を究明し、ご家族の方にエビデンスに基づく正確な報告ができるようにもなっています。

何より、そうしたデータをICT機器と連動させ、自動的に記録として残せることで、報告書作成などの業務負担を減らすことができます。

介護ロボットのプラットフォーム事業の具体的な取り組みは?

一つは、介護ロボットについて周知することです。せっかくの用具も知ってもらえないことには役に立ててもらえません。介護施設はもちろん、在宅で介護に関わる個人の方にも実物を見ていただき、触れていただける機会を設けてきました。また、現場で実際に使っていただける試用貸出にも力を入れています。さらに、2022年度は、コロナ禍以降見送っていた広島県ブロック独自の展示会を予定で、そこにも介護ロボットの特設ブースを設け、体験してもらう計画です。

  • ブロック長として取材を受ける矢野さん

    ブロック長として取材を受ける矢野さん

  • 過去の展示会の風景

    過去の展示会の風景

  • 「抱えない介護の最先端」移乗サポートロボット

    「抱えない介護の最先端」
    移乗サポートロボット

    小さなコミュニケーションロボット

    小さなコミュニケーション
    ロボット

  • 次に、それぞれの課題と解決に役立つ機器をマッチングするコンサルティング的な役割です。課題を解決するためにどの機器を導入していいのか、知らない施設が多くあります。そうした事業所のお話を聞いて、課題解決に役立ちそうな介護ロボットを紹介します。合わせて、利用できる助成金を紹介したり、導入後の使い方の研修などをメーカーさんに依頼したりします。

もう一つ重要な役割と考えているのが、介護現場の声をロボットの開発現場に上げることです。製品開発の現場では、技術という“シーズ”が元になって研究が進められることが多い。けれども必要とされている“ニーズ”に合っていなければ、使い勝手の悪いものになりがちです。介護現場の“ニーズ”を積極的に伝えて製品開発のヒントに役立ててもらうことはもちろん、貸し出した介護ロボットを現場で使ってみた上での意見を集め、ブラッシュアップにつなげてもらう。
“シーズ”と“ニーズ”の橋渡しをすることで、より役立つ技術開発促進に貢献します。

介護ロボットプラットフォーム 中国エリア

広島県ブロックから、発信していきたいと考えていることは?

このような事業にも積極的に取り組んでいるのは、2つの理由があります。まずは現在介護に携わっている人たちの負担を軽減したいという思い。そしてこれから介護の仕事をしてみようと思う人たちを増やしていきたいという思いからです。

長く介護の仕事は「きつい、汚い、給料が安い」という3Kのイメージが定着し、敬遠されるようになってきました。しかし給与面での処遇は厚生労働省の対策で改善されつつあります。残りの「きつい、汚い」というイメージを変えていく可能性を持っているのが、介護ロボットなどの最新の技術だと考えています。介護という仕事を、新しい技術を積極的に採用し、働きやすく進化した明るく前向きな職種へとイメージアップさせたいのです。

そのために、次世代を担う若者の育成からアプローチを始めています。具体的には、介護職を育成する専門学校に最新の介護ロボットの展示スペースを設ける計画を進めています。介護従事者に体験頂くことはもちろん、それ以外の時間は授業にも使ってもらうことで、介護の新しい魅力を感じる学びへ進化させることができると思っています。

学校、メーカー、介護従事者の情報交換や交流の場としても役立ちます。

広島県ブロックでも、若いスタッフたちの声と行動力でプラットフォーム事業など新しい挑戦を実現することができました。こうした積極的な取り組みを、広島県の介護業界はもちろん、協会を通して広く全国に発信して、介護に関わる環境を明るく変えていく一助になれば嬉しいです。

矢野 勝公(やの かつひろ)

一般社団法人 日本福祉用具供給協会 中国支部 広島県ブロック長
日本基準寝具株式会社 専務取締役
1954年広島市生まれ。1977年日本基準寝具株式会社に入社後、1988年より介護用具事業に従事するように。1996年一般社団法人 日本福祉用具供給協会 中国支部 広島県ブロック設立時から協会の運営に携わり、2000年からブロック長を務める。

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