『やっと秋になるのかしら』と思っていたら、急に秋が押し寄せて来たみたいです。暑い夏から急な朝晩の冷え込みが自律神経の調子を乱すのか、熱を出したり、何となくしんどいという方が増えています。睡眠をしっかりとって、からだにやさしい食事をして体調を整えてください。今回は節約を心がけてみました。
(材料は特記がない限り2人分です)
(使用しているめんつゆは2倍濃縮のものです)
(電子レンジは特記がない場合は600wです)
前回:まず、しっかり食べて、しっかり寝て規則正しい生活を取り戻しましょう。

煮込む料理がおいしくなる季節です。ご馳走だけど案外安上がりのメニューです。キャベツの大きさに合わせて、大・小サイズを調整して作ってください。
しっかり寒くなったころのキャベツの葉の方が厚くて、美味しい気がします。合挽肉を包む時にきっちり包んだ方が出来上がりがきれいになります。煮込むスープは、コンソメ味やトマト味などお好みで試してください。
ひじきも国産となるとかなり高くなっているので驚きます。しっかり味を含ませるには時間がかかるので、少し多いですが、ひと袋全部煮てしまいます。
ひじきはカルシウムや鉄、ヨウ素が含まれます。油と相性が良いので、豚肉などと炒め合わせれば食わず嫌いの子供にも好評ではないでしょうか?芽ひじきのぼそぼそした食感より長ひじきの方が食べやすいように思います。
猛暑の影響なのか、店頭に並ぶ青菜の種類が少ないように思います。緑の野菜に多いβ-カロテンは免疫機能を高めます。メニューのどこかに緑があるように意識してそろえてみましょう。
減塩を心がけようとすると、1食で食塩2g以内にする必要があります。3品それぞれに味をつけると難しいので、塩味を薄くした分を、辛味や酸味などで補ってみましょう。
栗ご飯も良いですが、皮をむくのが面倒ですし、何より今年はかなり値段が高くなっています。『九里よりうまい十三里』です。
さつま芋は皮付きのままの方が崩れにくいし、彩がきれいなのでさつま芋を良く洗ってひげ根などを取っておいてください。栗より甘いくらいです。

あっさりした豆腐も油を足せば、コクのある食材に代わります。なすも油と相性が良いです。オクラは彩りに。

白なすは安佐北区の狩留家地区で40年ほど前から作られている特産品です。皮は少し硬めですが、焼くと中はジューシーで食べ応えがあります。アントシアニンやポリフェノールが多く抗酸化作用に優れています。
精進料理の中の『けんちん汁』は建長寺の和尚さんが考えた料理で、『国清汁』は国清寺の和尚が考えた料理だと言われています。

手間を惜しまず素材を生かすのが最高の精進料理だとか。国清汁は野菜の切れ端を集めて作る料理で、節約の発想が現代にも応用できます。多めに作って、翌日頂くと一層おいしくなります。お料理をするたびに食材を買ってくるのではなく、冷蔵庫や冷凍庫に残っている食材を上手に使い切ることこそ、節約の第1歩だと思います。

さんまは脂が多くDHAやEPAが多く含まれ、血液をサラサラにしてくれて、動脈硬化や心筋梗塞の予防に効果があります。さんまの便りを聴くと『秋が来たなあ』と思います。
さんまは山椒を加えて煮たり、豆板醤などで中華風に煮たりと色々な料理法がありますが、今年は豊漁だという前評判に反して高価な魚になっています。
これも節約料理です。冷凍庫の残った肉を合わせて肉団子にして、残り野菜と煮合わせました。
挽肉は空気に触れる部分が多いので、賞味期限が短いです。冷蔵庫で鶏挽肉が2日、その他の挽肉が3日とされています。チルド室でもプラス1日程度の方が良いと思います。パックで買うとどうしても少し多いかと思うことがありますが、余った挽肉は肉みそにしたり肉団子にしたりして、さっさと食べてしまいましょう。
秋になるときゅうりもおいしくなくなります。しっかり塩もみをしてしんなりさせて使います。
好みの基本の甘酢を作って冷蔵庫に入れておけば、柚子を足したり、ゴマ油を足したり、また溶きがらしや豆板醤で辛めの和え物にしたりとレシピのバリエーションが広がります。調味料も無駄にならなくて済みます。

肉類の値段もかなり上がってきているようです。厚みのある肉をやめて、豚肉の切り落とし肉をミルフィーユのようにひと固まりにして、揚げてみました。

丸めた豚肉は、高さがあると火が通りにくいのと、揚げている間に膨らんでくるので、少し抑え気味にへこんでいるくらいでちょうど良いです。又、揚げる時に早くから触るとばらけてしまうので、色が付いてくるまでそっとしておきましょう。
中華食材の干しエビや干し貝柱はとても良いだしが出るので、鶏がらスープの素を使わなくてもおいしいスープを作ることができます。
スープの素や市販のだしなど便利なものがたくさんあるので、ついつい忙しいと使うこともあります。しかしそういうものにばかり頼っていると、本当の食材の味が分からなくなってしまいそうです。時には自然の食材の風味豊かな味を味わってみましょう。
白和えと言うとなんだか面倒な感じがしますが、具材をシンプルにして、豆腐に味をつけて和えるだけなら簡単にできます。サラダの豆腐バージョンと思えば具材も色々思いつきそうです。
白和えの素と言うのがスーパーに売られていて驚きました。白和えは江戸時代頃から作られていたようですが、子供の頃はしょっちゅう献立の中にありました。秋には柿が入っていたり、春先には干し柿が刻んで入っていたこともあります。無くならないでほしい献立のひとつです。

豆腐ハンバーグは焼いても硬くならないし、肉が苦手な人にも、豆腐料理が好きではない人にも好評で、あんかけにすれば高齢者にも食べやすくて、病院給食でよく作りました。
豆腐は水を切るために電子レンジで加熱し過ぎたり、豆腐と挽肉の練り方が足りないとまとまらなくなるので気をつけてください。
切り干し大根も昔のものと比べると、随分細くなっているように思います。少し値段は高めでしたが、いちょう切りにしてあるものを見つけたので買ってみました。
切り干し大根は多すぎる水で戻したり、長時間水につけておくと、大根の風味も薄くなって、旨味が無くなってしまいます。また煮過ぎても食感が感じられなくなります。
なめこのぬめり成分はペクチンで、腸内のコントロールやがん予防に役立つとされています。市販のものはごみも付着していないので扱いが簡単です。
味噌汁は1人分200mlのだし汁に味噌が大さじ1が基本です。具の量にもよりますが、だしの素を使う時には塩分があるので、少し控えめが良いでしょう。味噌を加えてからぐらぐら煮ると風味が飛んでしまいます。

ステーキ用の牛肉となると驚くほどの値段です。手ごろな値段の赤身肉でステーキを作ってみました。薄切りにしたらローストビーフです。

ステーキを人数分上手に焼くのはなかなか難しいですが、この方法なら準備さえしておけば簡単にできます。また、何より節約になります。大皿に盛り合わせて出せば歓声間違いなしです。雑誌に出ていた名店の料理を真似しました。
1週間もすると冷蔵庫にいろいろな野菜の使いかけが溜まります。この際いろいろな野菜を使い切りましょう。
嫌いな人や出かける予定がなければ、玉ねぎのスライスをまぜればパンチのあるサラダになります。初めからドレッシングをかけるとペチャっとしたサラダになってしまいます。
スープで炊き込んで、カリカリに焼いたニンニクを飾って、簡単にできます。
お店では鉄板の横で、おいしそうにササッと炒め合わせてくれるガーリックライスですが、炊き込みご飯にしてしまえば手間なしで十分においしくいただけます。
お店に行くたびに、値上がりした商品を見てため息が出ます。節約、節約とあまり考えすぎてもしんどくなります。上手に食材を使いまわして、時には『ワァー』と歓声が上がるようなメニューを考えてみませんか?次回はイベントの多い季節が近づきますので、お話の中に出てくる夢のあるメニューにしようかと思っています。
