2011年にロキソニンSが発売されてから10年以上が経ち、現在ロキソニンSシリーズは5種類にまでラインナップが増えています。
種類が増えたこともあり、「どのロキソニンがどのような特徴を持っているの?」「違いは何?」と疑問に感じている方が増えてきました。
そこで今回は、5種類あるロキソニンSシリーズの違いについて詳しく解説します。選び方や処方薬との違いも紹介しているので参考にご覧ください。
2023年3月にロキソニンSプレミアムファインが発売され、ロキソニンSシリーズは全部で5種類になりました。どれも「ロキソニン」という名前がついていることもあり、どのような違いがあるのか分かりづらくなってしまった印象があります。
ここでは、それぞれのロキソニンSに含まれている成分、効能効果の違いについて見ていきましょう。
もっともメジャーなロキソニンです。医療用のロキソニンと同じ成分が同じ量だけ配合されています。眠くなる成分は配合されていません。小型の錠剤なので、服用しやすくなっています。
有効成分(1錠あたり) | ・ロキソプロフェンナトリウム水和物…68.1mg(無水物として60mg) |
---|---|
効能効果 |
・頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 ・悪寒・発熱時の解熱 |
用法用量 | 1回1錠、1日2回まで。(再度症状があらわれた場合は最大3回まで服用可能) |
主成分のロキソニンプロフェンナトリウム水和物に加えて、胃粘膜を保護する酸化マグネシウムが配合された商品です。胃の負担が気になる方に向いています。眠くなる成分は含まれていません。
有効成分(1錠あたり) |
・ロキソプロフェンナトリウム水和物…68.1mg(無水物として60mg) ・酸化マグネシウム…33.3mg |
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効能効果 |
・月経痛(生理痛)・頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 ・悪寒・発熱時の解熱 |
用法用量 | 1回1錠、1日2回まで。(再度症状があらわれた場合は最大3回まで服用可能) |
鎮痛効果を高めるアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェイン、胃粘膜を保護するメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが配合されています。ロキソニンSシリーズのなかでもっとも高い鎮痛効果が期待できる商品です。アリルイソプロピルアセチル尿素の副作用で眠くなることがあります。
有効成分(2錠あたり) |
・ロキソプロフェンナトリウム水和物…68.1mg(無水物として60mg) ・アリルイソプロピルアセチル尿素…60mg ・無水カフェイン…50mg |
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効能効果 |
・頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 ・悪寒・発熱時の解熱 |
用法用量 | 1回2錠、1日2回まで。(再度症状があらわれた場合は最大3回まで服用可能) |
生理痛が気になる方向けに成分が配合された商品です。シャクヤク乾燥エキスが過度な子宮収縮を抑制し、ヘスペリジンが血行不良や冷えを改善して生理痛を緩和します。生理痛向けの商品ですが、ほかのロキソニンSシリーズと同様に頭痛や関節痛などにも使用可能です。
有効成分(2錠あたり) |
・ロキソプロフェンナトリウム水和物…68.1mg(無水物として60mg) ・シャクヤク乾燥エキス…36mg(原生薬として252mg) ・ヘスペリジン…30mg |
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効能効果 |
・月経痛(生理痛)・頭痛・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 ・悪寒・発熱時の解熱 |
用法用量 | 1回2錠、1日2回まで。(再度症状があらわれた場合は最大3回まで服用可能) |
クイックブレイク製法により、錠剤が素早く溶けて痛みに速く効きます。少しでも早くつらい症状を抑えたい方向けの商品です。胃粘膜を保護するメタケイ酸アルミン酸マグネシウムも配合されています。眠くなる成分は含まれていません。
有効成分(1錠あたり) |
・ロキソプロフェンナトリウム水和物…68.1mg(無水物として60mg) ・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム…100mg |
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効能効果 |
・頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 ・悪寒・発熱時の解熱 |
用法用量 | 1回1錠、1日2回まで。(再度症状があらわれた場合は最大3回まで服用可能) |
ロキソニンSシリーズの効能効果はどれも同じです。しかし、配合成分や特徴に違いがあります。
病院で処方されるロキソニンと同じものを使いたい方は、ロキソニンSを選ぶとよいでしょう。成分や成分量、添加物、錠剤の大きさは処方薬と同じです。
解熱鎮痛成分であるロキソプロフェンナトリウム水和物は、胃に負担をかけることがあります。胃の負担が気になる方は、胃粘膜を保護する酸化マグネシウムが配合されたロキソニンSプラスを選ぶとよいでしょう。
少しでも鎮痛効果が高いものが良い方は、ロキソニンSがプレミアムを選んでみてください。鎮痛作用を補助するアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェインが配合されています。
ロキソニンSシリーズはすべて生理痛にも有効です。ロキソニンSプレミアムファインは、なかでもとくに生理痛に特化した配合成分になっています。
効果に即効性を求める方は、ロキソニンSクイックを選ぶとよいでしょう。錠剤が早く崩壊する仕様になっているため、素早く痛みの原因にアプローチします。
処方薬のロキソニンと市販薬のロキソニンSは有効成分の配合量が同じため、ほとんど同じ薬だと認識していただいて問題ありません。しかし、わずかながら両者には違いがあります。
配合成分は、処方薬も市販薬もまったく同じです。
処方薬 | 市販薬 | |
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配合成分(1錠あたり) | ロキソプロフェンナトリウム水和物…68.1mg(無水物として60mg) | ロキソプロフェンナトリウム水和物…68.1mg(無水物として60mg) |
効能効果にはやや違いがあります。関節リウマチには処方薬しか使えません。
処方薬 | 市販薬 | |
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効能効果 |
●下記疾患ならびに症状の消炎・鎮痛 ・関節リウマチ ・変形性関節症 ・腰痛症 ・肩関節周囲炎 ・頸肩腕症候群 ・歯痛 ●手術後、外傷後ならびに抜歯後の鎮痛・消炎 ●下記疾患の解熱・鎮痛 ・急性上気道炎 |
・頭痛・月経痛(生理痛)・歯痛・抜歯後の疼痛・咽喉痛・腰痛・関節痛・神経痛・筋肉痛・肩こり痛・耳痛・打撲痛・骨折痛・ねんざ痛・外傷痛の鎮痛 ・悪寒・発熱時の解熱 |
市販薬は、どんなに多くても1回60mgまでしか服用できません。処方薬の場合は、状況や症状に応じて1回120mgまで増量できます。
処方薬 | 市販薬 | |
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用法用量 |
〈関節リウマチや手術後の外傷などに使う場合〉 ロキソプロフェンナトリウム(無水物)として1回60mgを1日3回服用する。頓用の場合は1回60~120mgで服用する。 〈急性上気道炎に使う場合〉 ロキソプロフェンナトリウム(無水物)として1回60mgを1日2回まで服用する。1日最大180mgまで服用可能。 |
1回1錠、1日2回まで。(再度症状があらわれた場合は最大3回まで服用可能) |
ロキソプロフェンナトリウム水和物を含む市販薬には、ロキソニンSシリーズ以外にもいくつかあります。効能効果はどれも同じですので、ブランドや使いやすさで選ぶとよいでしょう。
ロキソニンSとまったく同じ成分が同じ量だけ配合された商品です。比較的値段が安いので手に入れやすいでしょう。
有効成分(1錠あたり) | ・ロキソプロフェンナトリウム水和物…68.1mg(無水物として60mg) |
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用法用量 | 1回1錠、1日2回まで。(再度症状があらわれた場合は最大3回まで服用可能) |
喉の腫れや痛みを取るトラネキサム酸が配合された商品です。喉の痛みが気になる方に向いています。
有効成分(1錠あたり) |
・ロキソプロフェンナトリウム水和物…68.1mg(無水物として60mg) ・トラネキサム酸…140mg |
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用法用量 | 1回1錠、1日2回まで。(再度症状があらわれた場合は最大3回まで服用可能) |
水に馴染みやすく素早く溶ける錠剤で、バニラ風味になっています。すぐに症状をやわらげたい方向けです。
有効成分(1錠あたり) | ・ロキソプロフェンナトリウム水和物…68.1mg(無水物として60mg) |
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用法用量 | 1回1錠、1日2回まで。(再度症状があらわれた場合は最大3回まで服用可能) |
液体タイプの商品です。水なしでさっと服用したい方に向いています。成分量はほかの商品と変わりません。
有効成分(1錠あたり) | ・ロキソプロフェンナトリウム水和物…68.1mg(無水物として60mg) |
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用法用量 | 1回1本、1日2回まで。(再度症状があらわれた場合は最大3回まで服用可能) |
ロキソニンSシリーズは、痛みや熱に対して優れた効果を発揮する解熱鎮痛剤です。第1類医薬品のため、薬剤師がいる薬局やドラッグストアで購入できます。一時的な症状に使用するのは問題ありませんが、症状が長引く場合は服用を続けずに医療機関を受診しましょう。
ロキソニンSのシリーズには、現在5つの種類があります。効能効果は変わりませんが、症状や特徴に合わせて選ぶとよいでしょう。
生理痛や頭痛などの症状が長引くときは、市販のロキソニンSシリーズを服用し続けずに早めに医療機関を受診しましょう。適切な治療を受けることで症状を改善できる可能性があります。
薬剤師としてドラッグストアで働いていくなかで「このままではいけない」と日に日に強く思うようになっていきました。なぜなら「市販薬を正しく選べている方があまりに少なすぎる」と感じたからです。
「本当はもっと適した薬があるのに…」
「合う薬を選べれば、症状はきっと楽になるはずなのに…」
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市販薬を買いに来られる方のなかには「病院に行くのが気まずいから市販薬で済ませたい」と思われている方もいるでしょう。かつての私もそうでした。親にも誰にも知られたくないから市販薬に頼る。でもどれを買ったらいいかわからない。
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