テレビドラマでギャンブル依存症!?


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2020/08/20

こんにちは、加賀谷です。猛暑が続きますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

SUITS season2という織田裕二さん出演のドラマを見ていたら、なんと、「ギャンブル依存症」という言葉が出てきました。それって病気?と思った人も多いのではないでしょうか。日本ではまだまだ認知度は低いですが、医学的には診断基準も確立している病気です。

ギャンブル依存症

わが国では、特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(IR推進法:平成28年法律第115号)第十条八で「ギャンブル依存症等の悪影響を受けることを防止するために必要な措置」とギャンブル依存症という病名が明記されたことから注目を浴び、治療や支援の拡充が求められるようになりました。

ギャンブルとは?

日本語では賭博(とばく)と言います。賭博とは、金銭や品物などを賭けて勝負を争う遊戯で、勝負事の結果に参加者が関与できない(すなわち偶然性が強い)賭事(とじ)と、勝負事の結果に参加者が関与できる博戯(はくぎ)に分類できます。

  • 公営競技(公営ギャンブル)
    競馬、競輪、競艇、オートレース、宝くじ、スポーツ振興くじ、カジノ(予定)
  • 遊技場(民営ギャンブル)
    パチンコ、パチスロ など
  • 違法ギャンブル
    賭け麻雀(どこかの公務員さんが・・・・)、サイコロ賭博(時代劇で見る)、野球賭博、ゴルフ賭博 など

保険や株や投機にもギャンブル的要素がありますし、ビンゴゲームやジャンケンもギャンブル的要素を持つ遊びと言えるでしょう。

ギャンブル依存症の特徴

ギャンブル依存症は、次のような特徴を持ちます。

  • 掛金の額を増やしてギャンブルする。
  • ギャンブルを止めると落ち着かない。
  • ギャンブルを制限できない。
  • ギャンブルに心を奪われる。
  • 嫌な気分(不安、抑うつ、罪悪感、怒りなど)の時にギャンブルをする。
  • ギャンブルで負けたら、取り返そうとして別の日にもギャンブルをする。
  • ギャンブルに関して嘘をつく。
  • ギャンブルのために、重要な人間関係を失う。
  • ギャンブルのために、他人に借金する。

久里浜医療センターのHP(脚注1)によると、ギャンブル依存症は若年成人や中高年によくみられますが、ときに高齢者にもみられます。性別では、男性に多い傾向があります。ギャンブルを始めた初期に大勝ちした経験(ビギナーズ・ラック)があったりギャンブルが身近な環境などはギャンブル依存のリスクを高めると考えられます。また、パーキンソン病治療薬の副作用としてギャンブル依存症になることがあります。

ギャンブル依存症の人たちの思考の特徴として次のようなものが挙げられます。

  • 制御幻想
    当たりをコントロールできるという幻想(ジンクス等)。
  • ニアミス効果
    もう少しで当たり!は当たりに匹敵する効果。(リーチはビンゴと一緒?)
  • コンコルド効果
    負けてるけど、負けてるから、そろそろ・・・勝つに違いない。

治療についてですが、近年はワークブックを用いた認知行動療法が有効とされています。認知行動療法では、不合理な思考を合理的な思考に置き換えることに焦点を当て、ギャンブルへの衝動をコントロールする、経済的な問題を整理する、再発を防ぐ、人生を再建する、家族関係を修復するといった行動の変容を目標とします。このような認知行動療法プログラムについては、岡山県精神科医療センターは2016年よりSWITCHというワークブックを作成(脚注2)し、島根県心と体の相談センターでは、SAT-Gというワークブックを作成(脚注3)しています。

加賀谷は普段の診察場面で、放射線防護の3原則を応用して、ギャンブル依存症の再発予防の3原則を患者さんに勧めています。

1.時間 ギャンブル以外のことに関わる時間を作る。
2.距離 ギャンブル場の近くに行かない。
3.遮蔽 ギャンブルの情報をシャットダウン。

まだまだ認知度の低いギャンブル依存症ですが、自然回復例もあると言われる一方、借金苦からうつ状態を併発して自殺企図に至る例もあると言われます。借金問題には弁護士や司法書士といった医療以外の専門職の支援も必要になります。広島県ではギャンブル依存症の治療をする医療機関はまだまだ少ないのが現状ですが、相談を受けてくれる行政機関や自助グループ活動は少しずつ増えています。もしかしてギャンブル依存?と思ったら、早目の相談・受診を考えてみてください。

 コラムニスト紹介

医療法人せのがわKONUMA記念依存とこころの研究所 所長  加賀谷 有行 


大学院生の時に瀬野川病院に非常勤医師として勤務し、津久江一郎先生の教えを受け、精神科救急や依存症治療の必要性を実感しました。大学院生の時に国立精神・神経医療研究センター疾病研究第三部で神経精神薬理学研究の基礎を学び、大学院の卒業後は広島大学医学部神経精神医科学講座で助手・講師を務め、臨床・教育・研究に従事しました。
平成14年4月から平成28年8月まで、広島国際大学教授として、主として精神保健福祉士・社会福祉士の養成に従事するとともに、学生相談室長・保健室長・学生部長として学生支援に携わりました。
平成28年9月より、医療法人せのがわKONUMA記念依存とこころの研究所の二代目所長を拝命し研究や啓発に従事するとともに、法人内の瀬野川病院とよこがわ駅前クリニックで診療にも携わっています。
「KONUMA記念依存とこころの研究所」のKONUMAの由来は、当法人の津久江一郎会長が師事した広島大学医学部神経精神医学講座初代教授(名誉教授)小沼十寸穂先生の名前を冠しています。初代所長である小沼杏坪先生は、小沼十寸穂名誉教授のご子息で、国立下総療養所で長らく依存症の治療や研究に邁進された方です。

【経歴・資格・所属学会】
昭和62年3月:広島大学医学部卒業
平成4年3月:広島大学大学院医学系研究科を修了
平成7年6月:広島大学医学部神経精神医科学講座助手・講師
平成14年4月:広島国際大学教授、学生相談室長、保健室長、学生部長。
平成28年9月:初代研究所所長 小沼杏坪先生の後任として、医療法人せのがわKONUMA記念依存とこころの研究所において、研究や啓発に従事している。
博士(医学) 精神科専門医 精神保健指定医 産業医

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