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タバコを吸わなくても要注意!? 肺がんは初期症状がない!?

2019/04/24

喫煙者は減っているのに、肺がん患者さんは減少しておらず、最近、非喫煙者の肺腺がん患者さんが増加してきています。

肺がんは進行が早く、死につながる怖いイメージがありますが、他のがんと同じく早期発見できれば根治可能です。

肺がんの症状について

肺がんの初期症状はまったくありません。病気がかなり進行してくると、咳、血痰、呼吸困難などの呼吸器症状がみられることがありますが、病気が進行しても呼吸器症状がまったくみられない場合もあります。肺がんは肝臓、骨、脳、副腎に転移しやすく、例えば骨に転移した部位の痛みで医療機関を受診し、肺がんが発見されることも多数例、経験しています。

肺がんの検査について

基本は胸部レントゲンですが、高危険群である喫煙者や喫煙経験者では喀痰細胞診を併用することが推奨されています。

しかし、胸部レントゲンと喀痰細胞診による肺がん検診により発見された肺がん患者の5年生存率は30〜50%とほかの臓器のがんとくらべて低いことが報告されています。当クリニックでは通常CTに比べ被ばく線量を約1/4に軽減した「低線量肺がんCT検診」を実施することにより胸部レントゲンでは検出不能な微小肺がんを早期に発見できるよう取り組んでいます。

タバコと肺がんについて

タバコを吸う方は吸わない方に比べ肺がんになるリスクが高く男性では4.4倍、女性では2.8倍ですが、受動喫煙、大気汚染、遺伝的要素などが原因で、最近では特にタバコを吸わない女性の肺腺がん患者さんが増加しています。現在肺がんは男性のがん死因の第1位、女性では大腸がんに続き第2位ですが、早期発見、治療により肺がんが完治する確率を高めることができます。

自分は大丈夫と過信しないで、定期的に専門医で検診を受けましょう。
また喫煙者の方は禁煙できるよう禁煙外来を受診し治療するようにしましょう。

 コラムニスト紹介

かねはら内科・呼吸器クリニック 院長  金原 正志 


当クリニックには レントゲン、CT、呼吸機能検査、心電図、簡易睡眠ポリグラフ検査など専門的な医療機器を完備し、正確な診断、最善の治療を提供できるよう心がけています。

多くの呼吸器疾患や全身の癌の発生に影響する喫煙から患者さんを守るために禁煙外来を開設し、ニコチン依存症の治療も積極的に実施しています。また肺がんの早期発見を目的とした低線量肺がんCT検診も行っています。かかりつけ医として、高血圧、糖尿病、高脂血症といった生活習慣病や風邪の診療、各種予防接種、健康診断なども気軽に受診していただけるクリニックでありたいと思っております。

専門性の高い医療と地域医療を提供し、地域のみなさまに信頼され、親しまれるクリニックとなれるようスタッフ一同努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

【経歴・資格・所属学会】
※経歴
平成8年 島根大学医学部医学科卒業
平成21年 広島大学医歯薬学総合研究科卒業
平成8年3月 中国労災病院内科研修医
平成10年4月 呉医療センター 呼吸器内科レジデント
平成12年4月 因島市医師会病院内科医師
平成15年 呉共済病院忠海分院内科医長
平成19年6月 広島大学病院呼吸器内科 医科診療医
平成21年4月 広島大学病院呼吸器内科助教
平成23年4月 広島市民病院呼吸器内科副部長
平成25年4月 広島市民病院呼吸器内科部長
平成29 4月 広島市民病院呼吸器内科主任部長
平成30年4月 かねはら内科・呼吸器クリニック開院

※資格
医学博士
日本内科学会認定医、総合内科専門医、指導医
日本呼吸器学会専門医、指導医
日本呼吸器内視鏡学会専門医、指導医
肺がんCT検診医、日本禁煙学会認定禁煙指導者
日本医師会認定産業医
がん治療認定医
身体障碍者福祉法指定医(呼吸機能障害)
難病指定医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会終了

※所属学会
日本内科学会
日本呼吸器学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本肺癌学会
日本アレルギー学会

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