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今回はこの刺激性と非刺激性の下剤についてのお話です。
薬局で買うことが出来る薬のことをOTC薬と言いますが、いままでOTCの便秘薬といえば刺激性下剤だけでした。最近、このOTC薬に新たに加わったのが、菊川怜さんがテレビのCMで宣伝していた酸化マグネシウムという非刺激性下剤です。
腸管を刺激し腸蠕動をおこすことで排便を促す薬です。
その効果は強力で、いままで便秘薬の中心として使用されてきました。センノシド、センナ、アロエ、麻子仁丸、大黄甘草湯などに代表されるアントラキノン系薬剤とピコスルファートナトリウム、ビサコジルなどに代表されるジフェニール誘導体系薬剤があります。
しかし、特にアントラキノン系薬剤は、徐々に薬剤耐性により効果が減弱すること、習慣性や精神的依存性があること、便意の消失があること等の問題点があります。また長期投与することで、大腸粘膜が黒く変色する大腸メラノーシスという病態が起こることが知られており、大腸メラノーシスが大腸腺腫、大腸癌のリスクになる可能性が指摘されています。これらの観点から、慢性便秘症診療ガイドライン2017では刺激性下剤は屯用もしくは短期間の投与が提案されています。
しばしば、漢方は副作用が少ない、安全といった誤解からか、長期内服している方を見かけますが、漢方で下剤として使用されている薬剤の多くはアントラキノン系の刺激性下剤であり、長期投与には注意が必要です。
代表的な薬剤は酸化マグネシウムです。
水分を引き寄せ便を軟らかくすることで、便を出しやすくします。通称カマグとよばれ、錠剤や粉末もあり1回量や服用回数などを調節しやすく、長年、非刺激性下剤の中心として使用されてきました。長期投与による副作用はあまりありませんが、高齢者や慢性腎臓病の患者等の腎機能低下患者においては、高マグネシウム血症による重篤な副作用の出現が問題になるため、注意が必要です。
最近まで、非刺激性下剤といえば、ほぼこの酸化マグネシウムだけでしたが、近年アミティーザ、リンゼス、グーフィス、モビコールなど様々な非刺激性下剤が登場しました。それぞれに特徴があり、症状に合わせて投薬することが可能になってきました。今後はこれらの新しい非刺激性下剤を基本として、便の硬さを調節した上で、刺激性下剤は3日から5日に1回ほどの頓服使用にとどめることで、刺激性下剤の長期投与による副作用を起こさないようにすることが肝要と思われます。
あなたが使用している便秘薬は、刺激性?非刺激性?もし、刺激性下剤であれば、長期服用によって、薬剤耐性や依存性、大腸メラノーシス等の問題が起こりえます。もし便秘についてお悩みのことがあれば、お近くの消化器内科にご相談ください。
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