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多発性筋炎・皮膚筋炎 | 症状から調べる | ファミリードクター

多発性筋炎・皮膚筋炎

多発性筋炎とは、筋肉が炎症を起こして筋肉が破壊される病気のことです。力が入りにくくなったり、筋肉を動かすと痛みが生じるようになります。また、これらの筋肉の症状とともに、皮膚の症状が見られることがあります。皮膚の症状も併発している場合は「皮膚筋炎」といいます。多発性筋炎・皮膚筋炎は膠原病の一つで、国の指定難病です。

発症は50代前後の中年期が最も多いですが、次いで5~14歳頃の小児の発症率が高いです。男女で見ると、女性の患者が男性の約3倍とされており、女性の方に発症しやすいことが分かっています。日本の患者数は2万人程度と言われています。

多発性筋炎・皮膚筋炎の原因

多発性筋炎・皮膚筋炎は自己免疫疾患であることが分かっています。自己免疫疾患とは、筋肉や皮膚に対する抗体が体内で作られ、自分自身を攻撃してしまう疾患のことです。しかし、なぜ自分自身を攻撃してしまうのかは明らかになっていません。これまでの発症例から、ウイルスや細菌等による感染、免疫異常、遺伝等が関係していると考えられています。

多発性筋炎・皮膚筋炎の症状

筋炎は、筋肉に炎症が起きることで、力が入りにくくなる、筋肉を動かした際に激しい痛みが生じる等の症状が見られます。発症部位は太もも、二の腕、首等が多いです。さらに、皮膚筋炎の特徴的な皮膚症状は、まぶたに赤い発疹ができてむくむ「ヘリオトロープ疹」、手の指や肘、膝等が乾燥してカサカサになる「ゴットロン徴候」、寒い環境にいると皮膚が白くなる「レイノー現象」、首から胸に紅斑が出る「Vネックサイン」、肩から上背部に紅斑が出る、「ショール徴候」等が見られます。これらの皮膚症状は痒みを伴うことは殆どありませんが、倦怠感や食欲不振といった全身症状が見られることもあります。

さらに、間質性肺炎を併発することもあります。

多発性筋炎・皮膚筋炎の治療法

多発性筋炎・皮膚筋炎の症状は様々であるため、それぞれの症状に応じた治療が必要です。ただし、まずは共通してステロイドが中心となります。重症化している場合には、大量のステロイド剤を3日間点滴するパルス療法が検討されます。ステロイドは、症状が改善すれば徐々に量を減らしていきます。

ステロイドでは十分な効果が見られない場合や、副作用が強く投与を続けることが困難な場合には、免疫抑制剤を併用したり、免疫グロブリン点滴を併用することが検討されます。

皮膚症状に対しては外用薬で治療します。また、間質性肺炎等、他の疾患を併発している場合には、その疾患に対する治療も並行して行われます。

多発性筋炎・皮膚筋炎の予防

多発性筋炎・皮膚筋炎は原因が分かっていないため、現時点では予防法は存在しません。しかしウイルスや細菌の感染が原因の一つとして考えられるため、免疫力を下げないことが予防に繋がると考えられます。栄養バランスの取れた食事、適度な運動、十分な休養等、規則正しい生活を心がけ、免疫力を下げないように注意しましょう。

多発性筋炎・皮膚筋炎の合併症として間質性肺炎があり、最悪の場合、命を落とす危険性のある病気です。多発性筋炎・皮膚筋炎が疑われる場合には、早めに病院を受診して下さい。

多発性筋炎・皮膚筋炎を発症した場合は、自己判断で運動をすると、悪化の原因となるため避けて下さい。医師の指示のもとリハビリテーションを行うことが大切です。
なお、悪性腫瘍を合併することも多く、必ずがん検診を毎年受けましょう。

この記事の監修

ながお脳神経外科クリニック 院長長尾 光史

超高齢化社会を迎えつつある日本において、これからの医療は予防医学がますます重要となってくる中で、脳卒中は3大死因のひとつでもあり、また寝たきりになる原因疾患の第1位です。その再発予防はさることながら、いかに発症を予防していくかが最重要であると考えています。
そこで、高血圧症、高脂血症、糖尿病などのいわゆる生活習慣病を背景とした動脈硬化の予防管理も含め、既存のクリニックにはないMRI機器を導入することにより、早期発見・早期治療に努め脳卒中の予防を中心に地域の皆様の健康維持に微力ながら貢献してまいりたいと思っております。不安を持っておられる方が気楽に受診できる環境を整え、迅速に検査を行い当日結果説明ができる体制をとっておりますので、どうぞお気軽に受診、ご相談ください。

【経歴・資格・所属学会】

略 歴
平成7年5月 大阪医科大学附属病院 脳神経外科教室 入局

[主な勤務病院]
畷生会脳神経外科病院
翠清会梶川病院
弘田脳神経外科病院
大阪府三島救命救急センター
児玉病院
大阪医科大学附属病院 麻酔科
みどりヶ丘病院
新生病院 部長
荒木脳神経外科病院 副院長
平成22年12月 ながお脳神経外科クリニック 開院

免許・資格
平成7年5月 医師免許取得 平成13年7月 医学博士号取得 平成13年8月 日本脳神経外科学会専門医取得

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