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緊張型頭痛 | 症状から調べる | ファミリードクター

緊張型頭痛

日本人の頭痛の多くは緊張型頭痛で、15歳以上の日本人の、およそ5人に1人が発症していると言われています。年代で見ると中年世代の発症率が最も高いです。片頭痛と混同されがちですが、片頭痛はズキン、ズキンとした拍動性の痛みが続き、頭を動かすと痛みが増します。一方で緊張型頭痛は、拍動性の痛みはなく頭を動かしても痛みが激しくなることはありません。ただし、片頭痛と合併することもあります。

緊張型頭痛の原因

緊張型頭痛が発症する明確な原因は分かっていません。姿勢異常などで頭蓋周囲筋が緊張するとサブスタンスPなどの神経伝達物質が放出され、ブラジキニンやプロスタグランジンE2といった痛みの原因となる物質が誘導されると考えられています。
他には中脳水道周囲灰白質を中心とした中枢性感作が関連しているとも考えられています。

緊張型頭痛の症状

従来は「孫悟空の頭の輪っか(緊箍)の部分が絞められるような頭痛」とされてきましたが、病態の解明が徐々に進んでいます。緊張型頭痛の主な症状は①両側性②非拍動性③強さは軽度から中等症④日常動作で増悪しない、のうち少なくとも2つを満たすものとされます。また①悪心嘔吐はなく②光過敏、音過敏はあっても片方のみ、とされています。つまり「ズキズキする緊張型頭痛」や「頭の片方だけ痛い緊張型頭痛」も存在するのです。

緊張型頭痛の治療

緊張型頭痛で治療が必要な場合、薬物療法と非薬物療法を組み合わせます。一般的な鎮痛薬のほかに筋弛緩薬が選択されることが多いですが、抗うつ薬を選択することもあります。なお鎮痛薬を長期にわたり内服すると薬物乱用頭痛とよばれる頭痛を発症することがあり、注意が必要です。頭痛体操などの理学療法、行動療法が選択されることもあります。

緊張型頭痛の予防

薬物療法と非薬物療法に分類されます。薬物乱用頭痛に陥る可能性があるため、鎮痛薬は用いません。各種抗うつ薬を使用しますが漫然と使用せず、3から6か月で終了を検討します。うつ病やパニック障害、全般性不安障害などを合併している場合、心療内科や精神科への受診が奏功することもあります。

この記事の監修

向井内科・脳神経内科 院長向井 智哉

昭和54年に開院した向井麻酔科外科医院を継承し、令和2年4月1日にリニューアル開院しました。41年支えてくださった地域の皆様にお礼申し上げるとともに、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

このたび、生まれ育った矢野でクリニックを開業することができ非常に嬉しく思います。勤務医時代には脳神経内科医として脳卒中の急性期治療や頭痛、認知症などを中心に診療していました。今後はその専門性を活かしつつ、内科医として幅広い診療を心がけます。信頼される地域のかかりつけ医を目指しますので、よろしくお願いいたします。

【経歴・資格・所属学会】

【学位】
・医学博士

【専門医】
・日本内科学会認定 総合内科専門医
・日本神経学会認定 神経内科専門医
・日本脳卒中学会認定 脳卒中専門医
・日本脳神経血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医
・日本頭痛学会認定 頭痛専門医
・日本動脈硬化学会認定 動脈硬化専門医
・日本脳神経超音波学会認定 脳神経超音波検査士
・日本認知症学会認定 認知症専門医

【認定資格】
・難病指定医
・身体障害者福祉法指定医
・認知症サポート医(オレンジドクター)
・産業医
・ボトックス®治療資格

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