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ギラン・バレー症候群 | 症状から調べる | ファミリードクター

ギラン・バレー症候群

ギラン・バレー症候群は、末梢神経に障害が起こることで、脱力や痺れ、痛み等の症状を招く病気です。ギラン・バレー症候群は特に治療をしなくても自然に完治することが多いですが、重症化するケースもあるため早期発見をして適切な治療を受けることが大切です。重症化すると1年以上が経過しても神経障害が治らないことや、1%の確率で命を落とすこともあります。発症率は10万人あたり1~2人であり、比較的珍しい病気です。しかし、子どもから高齢者まで全ての年代において発症する可能性があり、男性の発症率がやや高い病気です。末梢神経に障害をきたすギラン・バレー症候群は、多発性神経障害の一種です。急性免疫性ニューロパチー(末梢神経障害)における代表的疾患と言われています。

ギラン・バレー症候群の原因

ギラン・バレー症候群は中枢神経または末梢神経に異常が生じることで発症すると考えられています。

ウイルス感染や細菌感染がきっかけでギラン・バレー症候群を発症することがあります。サイトメガロウイルスやインフルエンザウィルス、カンピロバクターという細菌が原因となることが知られていますが、詳細なメカニズムは不明です。

ギラン・バレー症候群の症状

ギラン・バレー症候群の典型的な症状は手足の痺れであり、これが徐々に広がります。「先行感染」といい、下痢、風邪症状や発熱等の感染症症状が発症前に起きることも有ります。症状や重症度は個人差がありますが、手足の脱力は階段の上り下りができなくなったり、布団をたためなくなったり等、日常生活に支障をきたすこともあります。また、脱力と同時に手足に痺れが走ることも少なくありません。

重症化すると、顔や目を動かす筋肉、物を飲み込むための筋肉にも麻痺が生じ、呼吸に関わる筋肉が麻痺して呼吸困難になるケースもあります。
これらの症状は専門的な加療を受ければ、発症より4週間以内にピークを迎え徐々に改善することが多いです。一方で診断・治療が遅れると後遺症が残る可能性が増しますので、神経内科専門医受診をお勧めします。

ギラン・バレー症候群の治療と予防

ギラン・バレー症候群の治療

ギラン・バレー症候群と診断されたら、基本的には入院が必要になります。発症当初は軽症でも重症化することもありますので、厳重な注意を必要とします。代表的な治療法には血液浄化療法と免疫グロブリン大量静注療法の二つがあります。

血液浄化療法とは、血液中の有害な物質を取り除き体内に戻す治療法です。血液浄化療法を受けることで、症状の改善や早期の回復が期待できます。頻度や回数は重症度によって異なりますが、1日おきに4~5回程度行うことが多いです。

免疫グロブリン大量静注療法では、大量の免疫グロブリン製剤を点滴で投与します。免疫グロブリン製剤を投与することで、原因となっている抗体の抑制が期待できます。
また、これらの治療のほかに、症状の改善を目的とした治療も行うことがあります。例えば呼吸困難が見られる患者には人工呼吸器の装着、嚥下困難が見られる患者には栄養管理(経管栄養)をします。

さらに合併症の予防や症状の回復を目的に、リハビリテーションも行います。病状によっては長期間にわたるリハビリテーションが必要です。

ギラン・バレー症候群かなと思ったら

ギラン・バレー症候群を発症した際は、重症化を予防することが大切です。神経内科専門医の在籍する医療機関を受診することをお勧めします。

この記事の監修

向井内科・脳神経内科 院長向井 智哉

昭和54年に開院した向井麻酔科外科医院を継承し、令和2年4月1日にリニューアル開院しました。41年支えてくださった地域の皆様にお礼申し上げるとともに、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

このたび、生まれ育った矢野でクリニックを開業することができ非常に嬉しく思います。勤務医時代には脳神経内科医として脳卒中の急性期治療や頭痛、認知症などを中心に診療していました。今後はその専門性を活かしつつ、内科医として幅広い診療を心がけます。信頼される地域のかかりつけ医を目指しますので、よろしくお願いいたします。

【経歴・資格・所属学会】

【学位】
・医学博士

【専門医】
・日本内科学会認定 総合内科専門医
・日本神経学会認定 神経内科専門医
・日本脳卒中学会認定 脳卒中専門医
・日本脳神経血管内治療学会認定 脳血管内治療専門医
・日本頭痛学会認定 頭痛専門医
・日本動脈硬化学会認定 動脈硬化専門医
・日本脳神経超音波学会認定 脳神経超音波検査士
・日本認知症学会認定 認知症専門医

【認定資格】
・難病指定医
・身体障害者福祉法指定医
・認知症サポート医(オレンジドクター)
・産業医
・ボトックス®治療資格

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